地図情報会社として日本国内最大手のゼンリン(9474)。
今後の株価と配当はどうなるのか、株価指標と業績推移、株価チャートと配当推移を確認してみました。また、株主優待制度も確認していきます。
- 株価は下落後、安値圏で推移
- DOE目安で安定配当推移
- 各メーカーの投資に影響を受けるため不透明感あり
ゼンリンの株価情報と業績推移
ゼンリンの株価情報と業績推移・株価チャートを確認していきます。
株価の指標
株価:879円
予想PER:26.07倍
PBR:1.04倍
予想EPS:33.72円
時価総額:504億円
2023年8月3日終値時点のデータ。
最新の株価参考:(株)ゼンリン【9474】:Yahoo!ファイナンス
PERにやや割高感があります。
業績の推移
下記はゼンリンの売上高・営業利益・経常利益・最終利益の推移です。

2020年3月期、2021年3月期は連続減益で厳しくなりました。
2022年3月期は回復も2023年3月期は減益に。
2024年3月期は営業・経常増益見通しとしています。
株価のチャート
下記はゼンリン5年分の週足株価チャートです。

株価は2018年10月頃から大きく下落推移。
想定以上の下方修正による不安感などもあり、株価は約2年で3分の1となりました。
その後も下落していましたが、2023年からは緩やかに上昇推移しています。
ゼンリンの配当情報と株主優待
ゼンリンの配当情報と株主優待制度を確認していきます。
配当金の情報
2024年3月期の予定年間配当:27円
予想年間配当利回り:3.07%
配当金の推移について
下記はゼンリンの配当金推移です。配当権利日は9月(中間配当)と3月(期末配当)です。

2019年3月期:24円
2020年3月期:25円
2021年3月期:25円
2022年3月期:26円
2023年3月期:27円
2024年3月期:27円(予)
配当はわずかですが増配傾向で推移、2024年3月期は据え置き予定としています。
配当性向は2023年3月期が52.5%、2024年3月期の予想が約80%です。
株主還元方針の確認と今後の配当について
ゼンリンの配当方針は「連結株主資本配当率(DOE)3%以上を目標」としています。
DOEを目安としているため、方針変更がない限り大きく減配する可能性は低いと考えられますが、配当性向は高くなる時もあります。
株主優待について
株主優待制度は「自社製品」、優待権利月は3月で、200株以上で3年以上継続保有が条件です。
保有株式数 | 優待内容 |
---|---|
200株以上 3年以上 | 2,000円相当の自社製品 |
500株以上 3年以上 | 3,000円相当の自社製品 |
優待利回り
200株保有で2,000円相当とした場合、優待利回りは約1.1%です。
ゼンリンの事業内容と今後について
ゼンリンの事業内容と財務情報の確認と今後について考えてみます。
ゼンリン(9474)の概要
株式会社ゼンリンは、地図情報の調査・制作・販売を行う日本の企業。
日本国内で4社存在するデジタル地図調製業者のうちの1社で、地図情報会社として日本国内最大手。
自社で調査した情報を基に住宅地図やGISなどを制作・販売するほか、他社に対してデジタル地図やカーナビゲーション用データなどを供給している。
ゼンリン – Wikipediaより抜粋
事業は「地図データベース関連」を展開しています。
古くは地図の出版、カーナビ・GoogleMapなどへのデータ提供、近年ではドローンや自動運転で活用されています。
キャッシュフロー
下記はゼンリンのキャッシュ・フローの推移です。

営業CFは比較的安定した推移です。
ゼンリンの今後について
地図は時代と共に利用方法が大きく変化しています。
現在はカーナビ用が落ち込んでいますが、今後はスマホ向け位置情報活用アプリ向けデータやIoT関連(さまざまなモノをインターネットに接続)、MaaSビジネス(自家用車以外の交通手段を移動として捉える)などの需要が見込めます。
業績は外的要因に影響
株価が大きく下落したのは業績悪化・今後の不透明感に加えて、株価がやや割高にあったことも要因として考えられます。そのため、割安感も出ていないです。
ゼンリンは国内の地図情報会社として圧倒的な力を持っており、様々な分野での需要が見込めます。しかし、各メーカーの開発計画など外的要因が業績に影響します。