腕時計大手のシチズン時計(7762)。株価が業績悪化の影響で大きく下落、2021年3月期は大幅減配当と厳しい状況です。果たして、今後のシチズン時計の株価と配当はどうなるのか。業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。
- 株価指標の割安感は強めだが赤字予想
- 大きく減配当で配当利回り低下
- 業績、株価ともに厳しい推移
シチズン時計の事業内容と株価指標
はじめにシチズン時計の事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:284円
予定年間配当:5円
年間配当利回り:1.76%
予想PER:—
PBR:0.44倍
2020年11月21日終値時点のデータ
PBRはかなり割安です。2021年3月期は赤字見通しで大きく減配予定です。
シチズン時計(7762)とは
シチズン時計株式会社(シチズンとけい、英: Citizen Watch Co., Ltd.)は、日本の精密・電子機器の製造会社であり、シチズングループの中核を成す企業である。関東地方・甲信越地方を中心として世界各地に拠点を構えている。
かつては腕時計の機械体(ムーブメント)の生産量世界第1位(グループ)を誇り、国内最大手。世界シェアの3割以上を持つ。
シチズン時計 – Wikipediaより抜粋
社名に時計とあるようにメインは時計事業ですが、他にも工作機械やデバイス事業も展開しています。海外売上比率は約7割あります。

シチズン時計の業績推移と株価チャート
次にシチズン時計の業績推移と株価チャートを確認していきます。
売上高と経常利益の推移

売上・利益ともに減少推移です。特に2020年3月期の利益はかなり厳しくなり、2021年3月期の最終損益は300億円の赤字予想で厳しい見通しです。
株価チャートの推移
下記はシチズン時計5年分の週足株価チャートの推移です。

株価は長期で下落推移しています。ここ最近では業績下方修正、期末配当見送り・相場環境の悪化により過去最安値まで下落しています。一旦の上値メドは400円ですが、かなり見えにくい部分があります。
シチズン時計の配当推移と決算内容
次にシチズン時計の配当推移と決算内容を確認していきます。
配当金の推移について
下記はシチズン時計の配当金の推移です。通常は年2回の配当ですが、2020年3月期は期末配当を見送りました。

2016年3月期:17円
2017年3月期:17円
2018年3月期:22円
2019年3月期:20円
2020年3月期:12円
2021年3月期:5円(予)
株主還元の基本方針は「配当及び自己株式取得の合計額の親会社株主に帰属する当期純利益に対する比率を株主還元性向と捉え、3年間の平均で60%以上とする」、「業績連動だけでなく、配当の安定性を重視」としています。
2020年3月期は減配、2021年3月期も大きく減配予定と厳しい推移です。
最近の決算について
2020年11月12日の決算にて2021年3月期2Q累計(4-9月)の連結最終損益は215億円の赤字と発表、あわせて通期の業績予想は連結最終損益は300億円の赤字見通し、年間配当は5円実施予定としています。
シチズン時計の今後の株価について
最後にシチズン時計の今後の株価について考えていきます。
今後について
業績悪化の主な要因は時計事業と機械事業の悪化に加えて構造改革に伴い特別損失の計上を行ったことです。想定以上の下方修正により株価が大きく下落しています。
悪材料や今後の不安がかなり反映されている株価のため、ここから業績が復活すればかなり安い株価となりますが、まだまだ先の不安が強いため株価が低迷しているともいえます。