腕時計大手のシチズン時計(7762)。今後の株価と配当はどうなるのか、業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。大きく増配予定で高配当利回りです。
- 目立った割安感は無し、高配当利回り
- 業績回復・大幅配当予定
- 株価は自社株買い発表の影響で大きく上昇
シチズンの株価情報と業績推移
シチズン時計の株価情報と業績推移を見ていきます。
株価指標
株価:821円
予想PER:12.02倍
PBR:0.98倍
予想EPS:68.3円
時価総額:2,414億円
2023年2月27日終値時点のデータ。
最新の株価参考:シチズン時計(株)【7762】:Yahoo!ファイナンス
割安感がありますが目立つ感じでは無いです。
業績の推移
下記はシチズン時計の売上高・営業利益・経常利益・最終利益の推移です。

最終損益は2020年3月期が167億円の赤字、2021年3月期が251億円の赤字と厳しくなりました。2022年3月期は大きく黒字回復、2023年3月期も好調な見通しとしています。
株価の推移
下記はシチズン時計5年分の週足株価チャートです。

株価は2018年から下落。2020年10月には、業績悪化や不透明感などから過去最安値まで下落しました。2021年からは想定以上の業績回復もあり、持ち直して上昇。
2023年2月は大規模な自社株買い発表の影響もあり大きく上昇しています。
シチズンの配当情報と株主優待
シチズン時計の配当情報と株主優待制度を見ていきます。
配当情報
2023年3月期の予定年間配当:34円
予想年間配当利回り:4.14%
高い年間配当利回りです。
配当金の推移
下記はシチズン時計の配当金推移です。配当権利日は、9月(中間配当)と3月(期末配当)です。

2018年3月期:22円
2019年3月期:20円
2020年3月期:12円
2021年3月期:5円
2022年3月期:18円
2023年3月期:34円(予)
2020年3月期は減配、2021年3月期も大きく減配と厳しい状況でしたが、2022年3月期に回復、2023年3月期は大きく増配予定としています。
配当性向は2022年3月期が25.2%、2023年3月期の予想配当性向は約50%です。
株主還元方針の確認
株主還元の基本方針は、中期経営計画2024にて「安定的かつ継続的な配当を重視、配当性向50%を目安」としています。目安の配当性向をやや高めとしているのが、大きく増配予定の要因と考えられます。
株主優待について
株主優待制度は実施していないです。
シチズンの事業・決算内容と今後について
シチズン時計の事業・決算内容の確認と今後について考えてみます。
シチズン時計(7762)とは
シチズン時計株式会社(シチズンとけい、英: Citizen Watch Co., Ltd.)は、日本の精密・電子機器の製造会社であり、シチズングループの中核を成す企業である。関東地方・甲信越地方を中心として世界各地に拠点を構えている。
かつては腕時計の機械体(ムーブメント)の生産量世界第1位(グループ)を誇り、国内最大手。世界シェアの3割以上を持つ。
シチズン時計 – Wikipediaより抜粋
社名に時計とあるようにメインは「時計事業」です。工作機械やデバイス事業も展開しており、海外売上比率は約7割あります。
決算内容を時系列に確認
2022年3月期の連結経常利益は273億円と発表。2023年3月期の同利益は240億円見通し、年間配当は30円予定としています。(2022年5月12日の決算発表にて)
2023年3月期1Q決算
2023年3月期1Q(4-6月)の連結経常利益は85.5億円と発表。また、通期の同利益を240億円予想から260億円予想に上方修正しています。(2022年8月12日の決算発表にて)
2023年3月期2Q決算
2023年3月期2Q累計(4-9月)の連結経常利益は168億円と発表。また、通期の同利益を260億円予想から275億円予想に上方修正、年間配当を30円予定から34円予定に増額修正しています。(2022年11月14日の決算発表にて)
2023年3月期3Q決算
2023年3月期3Q累計(4-12月)の連結経常利益は244億円と発表、前年同期比9.5%増となりました。(2023年2月13日の決算発表にて)
今後について
2020年3月期、2021年3月期は時計事業と機械事業の悪化に加えて、構造改革に伴う特別損失の計上により厳しくなりました。しかし、2022年3月期は時計事業の事業構造改革の効果や工作機械の好調な受注で想定以上に業績が回復、2023年3月期も好調見通しです。
最悪期は抜けたが
想定以上の業績回復に加え、大規模な自社株買い発表で株価が上昇しています。しかし、原材料価格や燃料費などのコスト上昇による不透明感もあります。