佐川急便グループの持ち株会社で2017年に東証1部に上場したSGホールディングス(9143)。ネット通販拡大により宅配業への需要増、今後は自動運転・ドローンなどの注目技術と連携も模索しています。今回はSGホールディングス(佐川急便)の株価と配当について分析してみました。
- 株価指標の割高感は強め、配当利回りは低い
- 売上・利益ともに好調推移、配当も大きく増配
- 株価は業績好調・今後の需要も見込めるが競争リスクなどがある
SGホールディングスの事業内容と株価指標
はじめにSGホールディングスの事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:2,537円
予定年間配当:34円
年間配当利回り:1.34%
予想PER:22.9倍
PBR:4.24倍
2021年3月31日終値時点のデータ
PBRは割高、年間の配当利回りは低いです。
SGホールディングス(9143)とは
SGホールディングス株式会社(エスジーホールディングス、英語: SG Holdings Co.,Ltd.)は、佐川急便グループの純粋持株会社。国内宅配便ではヤマトホールディングスに次ぐ国内2位でシェアは33%。
2006年、佐川急便グループの経営戦略・管理機能と執行機能を分離する目的で純粋持株会社のSGホールディングス株式会社が設立。2017年、東京証券取引所市場第1部に上場。創業60年で株式公開を行う。
SGホールディングス – Wikipediaより一部抜粋
SGホールディングスは佐川急便を中心とした「デリバリー事業」のほか、「ロジスティクス事業」、「不動産事業」を展開をしています。
SGホールディングスの業績推移と株価チャート
次にSGホールディングスの業績推移と株価チャートを確認していきます。
売上高・経常利益の推移

売上・利益ともに右肩上がりで好調に推移しています。期初の業績見通しより上方修正することが多く非常に好調です。2021年3月期も配送業への需要増があり大きく増益予想です。
株価チャートの推移
下記はSGホールディングスの上場以降の週足株価チャート推移です。

一時はやや下落していた株価ですが、宅配業への需要増により2020年4月以降は株価は大きく上昇。割高感が出た事もあり2021年以降はやや落ち着いています。
SGホールディングスの配当推移と決算内容
次にSGホールディングスの配当金の推移と決算内容を確認していきます。
配当金の推移
下記はSGホールディングスの配当金の推移です。年2回、中間配当(9月)と期末配当(3月)を実施しています。株式分割後の株数に換算してあります。

2018年3月期:16.5円
2019年3月期:20.5円
2020年3月期:22円
2021年3月期:34円(予)
配当は増配推移しています。
配当方針は「連結配当性向30%を目標」です。2020年3月期の配当性向は29.5%。利益が上昇しているため配当も増えています。また、2021年3月期の中間配当には日立物流株式売却に伴う特別配当が10円含まれています。
決算内容の確認
2021年1月29日の決算にて2021年3月期3Q累計(4-12月)の連結経常利益は899億円と発表。あわせて通期の同利益を980億円から1,010億円予想に上方修正、年間配当を34円(分割後の株数換算)に増額修正しています。
SGホールディングスの今後について
最後にSGホールディングスの株価上昇ポイントと下落ポイントについて考えてみました。
株価上昇ポイント
多くの企業がネット通販に力を入れていることもあり、宅配業界はこの先も多くの需要が望めます。佐川急便はドライバー不足に対応するため、一部を海上輸送に転換するなど先を考えた対策を打ち出しています。経済活動鈍化による先行きの不透明感はありますが、増収・増益で好調に推移し、まだまだ伸びる可能性があります。
株価下落ポイント
主力のデリバリー事業は主にトラックを利用しています。燃料価格が下落するとプラスですが、燃料価格が上昇した場合は業績に影響します。また、宅配業界は需要が増えていますが競争も激化しています。今後は自動運転やドローンなどを利用した新しいサービスも展開されると予想されています。これら新技術で後れを取る、価格・サービス面で問題が生じた場合は他社に流れる可能性があります。また、株価指標に強い割高感が出ているのも注意点です。