インクジェットプリンタで国内トップクラスのセイコーエプソン(EPSON)(6724)。今後の株価と配当はどうなるのか、業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。
- 割安水準、高めの年間配当利回り
- 海外売上比率が高く海外市況・為替の影響を受ける
- 業績は大きく下方修正で警戒感あり
エプソンの株価情報と業績推移
セイコーエプソンの株価情報と業績推移を見ていきます。
株価指標
株価:1,890円
予想PER:9.67倍
PBR:0.9倍
予想EPS:195.55円
時価総額:7,553億円
2023年2月1日終値時点のデータ。
最新の株価参考:セイコーエプソン(株)【6724】:Yahoo!ファイナンス
やや割安感がありますが、同業他社も比較的割安です。
業績の推移
下記はセイコーエプソンの売上高・営業利益・経常利益・最終利益の推移です。

2020年3月期は大きく減益で着地、2021年3月期もやや厳しかったですが、2022年3月期に大きく回復。
2023年3月期は下方修正を行い減益見通しとしています。
参考:業績ハイライト|エプソン
株価の推移
下記はセイコーエプソン5年分の週足株価チャートです。

株価は2018年から「先の不透明感や業績悪化の影響」で下落、2020年11月からは「あく抜け感・業績上方修正の影響」で上昇。
2021年9月以降で見ると材料出尽くし感、輸送費・部品高騰による警戒感などから下落する場面もありレンジで推移しています。
エプソンの配当情報と株主優待
セイコーエプソンの配当情報と株主優待制度を見ていきます。
配当金情報
2023年3月期の予定年間配当:72円
予想年間配当利回り:3.81%
年間配当利回りは高いです。
配当金の推移
下記はセイコーエプソンの配当金推移です。配当権利日は、9月(中間配当)と3月(期末配当)です。

2018年3月期:62円
2019年3月期:62円
2020年3月期:62円
2021年3月期:62円
2022年3月期:62円
2023年3月期:72円(予)
2023年3月期は普通配当62円、創業80周年記念配当が10円の年間72円予定としています。
配当性向は2022年3月期が23.2%、2023年3月期の予想が約36%です。
配当政策の確認
配当方針は「中期的には連結配当性向40%程度を目標」としています。
参考:株主還元|エプソン
株主優待について
エプソンは株主優待制度を実施していません。
エプソンの事業・決算内容と今後について
セイコーエプソンの事業・決算内容の確認と今後について考えてみます。
セイコーエプソン(6724)とは
セイコーエプソン株式会社(Seiko Epson Corporation)は、情報関連機器、精密機器を手掛ける電機メーカーである。略称・ブランドは「エプソン(EPSON)」。
インクジェットプリンターを始めとするプリンターや、プロジェクター、パソコン、スキャナーといった情報関連機器、水晶振動子(クォーツ)、半導体などの電子デバイス部品の製造、さらに産業用ロボットの製造を行っている。
セイコーエプソン – Wikipediaより抜粋
エプソンの主な事業はインクジェットプリンター、スキャナー、オフィス製紙機などの「プリンティングソリューションズ事業」です。売上の約8割が海外(欧米・アジア)です。
決算内容を時系列に確認
2022年3月期の連結税引前利益は971億円と発表。2023年3月期の同利益は950億円見通し、年間配当は62円予定としています。(2022年4月28日の決算発表にて)
2023年3月期1Q決算
2023年3月期1Q(4-6月)の連結税引前利益は370億円と発表。また、通期の同利益を950億円予想から1,050億円予想に上方修正しています。(2022年7月29日の決算発表にて)
2023年3月期2Q決算
2023年3月期2Q累計(4-9月)の連結税引前利益は717億円と発表。また、通期の同利益を1,050億円予想から1,170億円予想に上方修正しています。(2022年10月28日の決算発表にて)
2023年3月期3Q決算
2023年3月期3Q累計(4-12月)の連結税引前利益は882億円と発表。また、通期の同利益を1,170億円予想から960億円予想に下方修正しています。(2023年1月31日の決算発表にて)
株価上昇ポイント
通常のインクカートリッジプリンターから環境負荷・ランニングコストの低い大容量インクタンクプリンターに力を入れており、好調な売り上げを維持しています。
業績が大きく回復
2021年3月期は減益予想でしたが最終的に増益で着地、2022年3月期は為替の円安影響もあり業績が大きく回復しています。
株価下落ポイント
2020年3月期の業績悪化の主な要因は中国・インドをはじめ欧米各国の市況悪化と為替の円高進行でした。これらは長期的にみると不透明感があります。
警戒感
2023年3月期は上方修正を行っていましたが、消費の冷え込みや為替差損などで大きく下方修正しています。また、部品調達・輸送費などのコスト増が業績に悪影響を及ぼす可能性も想定されます。