通常の銀行とはやや異なるセブン銀行(8410)。今後の株価と配当はどうなるのか、業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。
- 目立った割高感はなし、高い配当利回り
- 厳しい業績で株価は安値圏で推移
- 配当は据え置き推移、配当性向は高め
セブン銀行の株価情報と業績推移
セブン銀行の株価情報と業績推移を見ていきます。
株価指標
株価:269円
予想PER:16.22倍
PBR:1.27倍
予想EPS:16.58円
時価総額:3,172億円
2023年2月14日終値時点のデータ。
最新の株価参考:(株)セブン銀行【8410】:Yahoo!ファイナンス
目立った割高感・割安感はないです。
業績の推移
下記はセブン銀行の売上高・経常利益・最終利益の推移です。

経常利益は連続減益で推移、2022年3月期も減益でやや厳しさが出ています。2023年3月期は増収・減益見通しです。
株価の推移
下記はセブン銀行5年分の週足株価チャートです。

株価は成長期待度が小さくなったことなどの要因で下落推移。2022年以降で見ると緩やかに上昇していますが勢いは弱いです。
セブン銀行の配当情報と株主優待
セブン銀行の配当金情報と株主優待制度を見ていきます。
配当情報
2023年3月期の予定年間配当:11円
予想年間配当利回り:4.09%
高配当利回りですが、金融銘柄では高配当銘柄が多くあります。
配当金の推移
下記はセブン銀行の配当金推移です。配当権利日は、9月(中間配当)と3月(期末配当)です。

2018年3月期:10円
2019年3月期:11円
2020年3月期:11円
2021年3月期:11円
2022年3月期:11円
2023年3月期:11円(予)
配当は年間11円で据え置き推移です。
配当性向は2022年3月期が62%、2023年3月期の予想が約66%です。
株主還元方針の確認
セブン銀行の株主還元方針は「現金による継続的な安定配当の実現ができるよう努力」、「配当性向については年間40%以上を最低目標」としています。
配当性向の推移
下記はセブン銀行の配当性向推移です。
2018年3月期:47.0%
2019年3月期:99.0%
2020年3月期:49.6%
2021年3月期:49.9%
2022年3月期:62.0%
2023年3月期:約66%(予)
2019年3月期は海外子会社の特別損失を計上した影響で高くなっています。基本は50%未満で推移していたのを考えると、配当性向が高くなっています。
株主優待について
株主優待制度は実施していないです。
セブン銀行の事業・決算内容と今後について
セブン銀行の事業・決算内容確認と今後について考えてみます。
セブン銀行(8410)とは
株式会社セブン銀行(セブンぎんこう、英称:Seven Bank, Ltd.)は、大手流通企業グループ「セブン&アイ・ホールディングス」傘下の日本の銀行。コンビニATM事業最大手である。旧商号は株式会社アイワイバンク銀行。
主な収益源は、セブン&アイのグループ各店舗に設置した現金自動預け払い機(ATM)により、提携先金融機関や利用者から得られる利用手数料である。
また、セブン&アイHLDGS.を始めとする事業者と個人から受け入れた自社預金は、国債・政府保証債など信用リスクの低い商品に限定して運用する。同社はATMによる決済(現金出納サービス)専業銀行という新しいビジネスモデルといえる。
セブン銀行 – Wikipediaより一部抜粋
セブン銀行が通常の銀行と大きく異なる点は「提携金融機関等からの手数料が利益の多くを生み出す」という点です。預かったお金はリスクの低い商品に限定して運用しています。
通常の銀行は、銀行ごとに方針の違いがありますが、基本は「預かったお金を貸し出し、そこで生まれる金利」が主な利益です。
決算内容を時系列に確認
2022年3月期の連結経常利益は282億円と発表、2023年3月期の同利益は280億円見通し、年間配当は11円予定としています。(2022年5月6日の決算発表にて)
2023年3月期1Q決算
2023年3月期1Q(4-6月)の連結経常利益は73億円と発表、前年同期比4.3%減となりました。(2022年8月5日の決算発表にて)
2023年3月期2Q決算
2023年3月期2Q累計(4-9月)の連結経常利益は145億円と発表、前年同期比3.6%減となりました。(2022年11月4日の決算発表にて)
2023年3月期3Q決算
2023年3月期3Q累計(4-12月)の連結経常利益は228億円と発表、前年同期比2.7%減となりました。(2023年2月3日の決算発表にて)
今後について
外出自粛などの影響で、一時は駅ATMの利用者数が大きく減少。また、今後はネット通販増加・スマホ決済などの影響もあり現金を利用する機会が減る可能性が高いです。
収益の柱
セブン銀行の収益柱は「ATMプラットフォーム事業」です。
セブン&アイ系列店舗だけでなく、さまざまな場所にATMが設置されていますが、中心はセブンイレブン店舗です。セブンイレブンの店舗数は年々増え続け国内では2万店舗を超えています。まだまだ勢いは止まらないですが、この先永久に国内で店舗が増え続けるのは難しいです。
グループ外台数も増えていますが、まだまだ占める割合は小さく、今後どこまで増えるか不透明感があります。
キャッシュレス普及の波
日本で「どこまでキャッシュレスが普及するのか」見えにくい部分がありますが、確実にキャッシュレスの波が来ています。現金利用が減ることでATMを利用する機会が減った場合、その影響は確実にあるといえます。
しかし、セブン銀行も何もしていないわけではなく「ATM+」への進化など新たな取り組みを行い、今後に備えています。時代の変化に対して事前に準備し、しっかり対応できるかが業績を伸ばすカギとなります。