カラー複合機やITサービスを展開するリコー(7752)。今後の株価と配当はどうなるのか、業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。また、株主優待制度も確認していきます。
- 株価はレンジ推移も下落場面あり
- 株主優待はリコー製品が欲しい人には良い
- 不透明感もあるが業績は大きく回復見通し
リコーの株価情報と業績推移
リコーの株価情報と業績推移を見ていきます。
株価指標
株価:970円
予想PER:10.54倍
PBR:0.67倍
予想EPS:92円
時価総額:5,912億円
2023年3月16日終値時点のデータ。
最新の株価参考:(株)リコー【7752】:Yahoo!ファイナンス
PBRに割安感があります。
業績の推移
下記はリコーの売上高・営業利益・経常利益・最終利益の推移です。

2018年3月期は2008年に買収した「IKON Office Solutions,Inc.」、2014年に買収した「mindSHIFT Technologies, Inc.」の減損損失あわせて約1,800億円を計上したことで大きく赤字に。
2021年3月期も赤字で厳しくなりましたが、2022年3月期は回復。2023年3月期は更に回復見通しとしています。
株価の推移
下記はリコー5年分の週足株価チャートです。

株価は900円-1,300円でレンジで推移していましたが、2020年3月に大きく下落。
2021年に入ると大きく上昇し一気に戻しましたが、2021年6月以降は元のレンジ水準で推移しています。
リコーの配当情報と株主優待
リコーの配当情報と株主優待制度を見ていきます。
配当情報
2023年3月期の予定年間配当:34円
予想年間配当利回り:3.51%
配当金の推移
下記はリコーの配当金推移です。配当権利日は9月(中間配当)と3月(期末配当)です。

2018年3月期:15円
2019年3月期:23円
2020年3月期:26円
2021年3月期:15円
2022年3月期:26円
2023年3月期:34円(予)
2018年3月期に大きく減配、その後は回復していましたが2021年3月期も減配に。2023年3月期は増配予定としています。
配当性向は2022年3月期が57.3%、2023年3月期の予想が約36%です。
株主還元方針の確認
配当方針は「総還元性向50%を目安に段階的に引き上げ」としています。配当推移を見ると、安定と言うよりは業績連動の印象です。
株主優待について
株主優待制度は「自社製品の特別価格販売」、優待権利月は3月と9月の年2回です。
保有株式数 | 優待内容 |
---|---|
全株主 | 自社製品(カメラ・時計等)の特別価格販売 |
「自社製品の特別価格販売」は家電量販店より安い価格で購入できるものが多くお得ですが、あくまでもお得となるのは「リコー製品のカメラ・レンズの購入を検討している場合」です。
リコーの事業・決算内容と今後について
リコーの事業・決算内容の確認と今後について考えてみます。
リコー(7752)とは
株式会社リコー(英:Ricoh Company, Ltd. )は、事務機器、光学機器などを製造するメーカー。主な製品は複写機、ファクシミリ、レーザープリンターやそれらの複合機、カメラである。
リコー – Wikipediaより抜粋
主力事業は複合機、プリンターなどの「オフィスプリンティング」、「オフィスサービス」です。海外(主に欧米)の売上比率は約60%、子会社には「リコーエレメックス」、「リコーインダストリー」、「リコージャパン」があります。
決算内容を時系列に確認
22年3月期の連結税引前利益は443億円と発表。2023年3月期の同利益は940億円見通し、年間配当は34円予定としています。(2022年5月10日の決算発表にて)
2023年3月期1Q決算
2023年3月期1Q(4-6月)の連結税引前利益は112億円と発表、前年同期比45.8%増となりました。(2022年8月3日の決算発表にて)
2023年3月期2Q決算
2023年3月期2Q累計(4-9月)の連結税引前利益は246億円と発表。また、通期の同利益を940億円予想から877億円予想に下方修正しています。(2022年11月4日の決算発表にて)
2023年3月期3Q決算
2023年3月期3Q累計(4-12月)の連結税引前利益は423億円と発表、前年同期比37.8%増となりました。(2023年2月7日の決算発表にて)
今後について
2021年前半は悪材料の出尽くし感に加えて、2022年3月期の業績回復見通しなどの影響で株価が急上昇。しかし、その後はやや厳しめの決算もあり下落場面もあります。
リスク・回復期待
海外売上比率が高く、各国の経済状況・為替が業績に影響を与えます。また、物価上昇、物流停滞などのリスクもあります。しかし、扱っている製品は需要が望めるものが多いです。
2023年3月期は下方修正を行ったものの強気の見通しです。