ゼンショーホールディングス(7550)の株主優待はすき家をはじめ、ココスやなか卯などで利用できる人気優待です。今回はゼンショーホールディングスの今後の株価がどうなるのか。業績推移や株価チャートを分析してみました。
- 外食優待銘柄にありがちな割高さ。配当・優待利回りも低め
- 配当は業績次第で減る可能性も
- 短期的な不安要素は強いが、あくまでも一時的と見られている
ゼンショーの事業内容と株価指標
はじめにゼンショーホールディングスの事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:2,690円
予定年間配当:20円
年間配当利回り:0.74%
予想PER:409倍
PBR:5.15倍
2020年12月4日終値時点のデータ
株価指標は割高ですが外食優待銘柄は割高な銘柄も多く、ありがちな水準ともいえます。配当利回りは低いです。
ゼンショーホールディングス(7550)とは
株式会社ゼンショーホールディングス(ZENSHO HOLDINGS CO., LTD.)は、「すき家」をはじめとする各種外食チェーンや、各種スーパーマーケット等を傘下に持つ、日本の持株会社である。2017年度時点で日本の外食産業トップの売上高である。
2000年以降は、各ジャンルの外食チェーンを次々と買収し傘下におさめている。連結子会社として、牛丼とカレーを中心とする外食チェーン「すき家」の運営管理を行うすき家本部、ファミリーレストランチェーンの「ココスジャパン」、イタリアンファミリーレストランチェーンの「ジョリーパスタ」、丼物とうどんを中心とする外食チェーンの「なか卯」、焼肉レストランチェーンの「TAG-1」などを有する
ゼンショー – Wikipediaより
売上構成比ですが牛丼カテゴリーが約35%、レストランカテゴリーが約19%、ファストフードカテゴリーが約24%となっています。

ゼンショーの株主優待と配当推移
次にゼンショーの株主優待制度と配当推移を確認していきます。
株主優待制度の内容
ゼンショーの株主優待はゼンショーグループで使える「食事優待券」です。3月末と9月末の年2回が権利日です。
保有株式数 | 優待内容 |
---|---|
100株以上 300株未満 | 1,000円分 (500円券×2枚) |
300株以上 500株未満 | 3,000円分 (500円券×6枚) |
500株以上 1,000株未満 | 6,000円分 (500円券×12枚) |
1,000株以上 5,000株未満 | 12,000円分 (500円券×24枚) |
5,000株以上 | 30,000円分 (500円券×60枚) |
利用できるお店は牛丼チェーンの「すき家」、ファミリーレストランの「ココス」、「なか卯」や「はま寿司」などです。また、優待券3,000円分1冊につき、「すき家 牛丼の具」、「なか卯 親子丼の具」、「ココス お楽しみセット」などの代替1セットと交換可能です。
100株保有で年間2,000円分なので優待利回りは約0.7%です。人気優待ですが利回りは低いです。
配当金の推移
下記はゼンショーの配当推移です。年2回、中間配当(9月)と期末配当(3月)を実施しています。

2016年3月期:9円
2017年3月期:18円
2018年3月期:18円
2019年3月期:18円
2020年3月期:20円
2021年3月期:20円(予)
2021年3月期の配当は据え置きの20円予定としています。
2020年3月期の配当性向は24.9%、2021年3月期の予想配当性向は約300%とかなり上昇する予想です。配当方針は「業績に応じた利益配分」、過去には無配もありました。そのため、2021年3月期は減配する可能性が高いとみられますが、現状は据え置き予定です。
ゼンショーの業績推移と株価チャート
次にゼンショーの業績推移と株価チャートを確認していきます。
売上高と経常利益の推移
下記はゼンショーホールディングスの売上高と経常利益の推移です。

売上は右肩上がりで推移、2020年3月期は過去最高益を更新と好調に推移しています。
しかし、2021年3月期は大きく減益見通しです。現状ではまだ不透明感が強く想定より悪化する可能性も、想定よりも良くなる可能性どちらもあります。
株価チャートの推移
下記はゼンショー5年分の週足株価チャートの推移です。

長期で見ると株価は上昇推移です。
一時は大きく下落しましたが、現在は持ち直して上昇推移です。業績予想の弱さを考えると株価はそこまで下落していない印象です。2021年3月期は特別で2022年3月期には復活すると見られているため、大きく下落していないと考えられます。
ゼンショーの決算内容と今後について
最後にゼンショーの決算内容確認と今後について考えていきます。
決算内容について
2020年11月13日の決算にて2021年3月期2Q累計(4-9月)の連結経常損益は4.3億円の赤字と発表。厳しい決算ですが、36億円の赤字を見通していたため、想定より悪くないとも取れます。
今後について
2020年3月期のゼンショーの業績は好調で過去最高益を更新。しかし、2021年3月期は外食産業全体が厳しい業績見通しです。長期的に見ると、同業だけでなくコンビニ、弁当屋などと競争が激化する可能性があります。
ゼンショーの株主優待は、吉野家・松屋と比較すると優待利回りが低く、吉野家や松屋の方がお得と紹介されることが多いです。しかし、株主優待はあくまでもオマケです。特に同業他社と比較する場合は優待を見るのではなく「どこに強みがあるのか」、「今後伸びしろがあるのか」を探るのが重要です。
こういう非常事態の時こそ、企業の本質をみる機会です。通期で赤字予想の外食銘柄が多い中、ゼンショーは黒字確保を見込んでおり、「すき家」の下期月次売上は前年同期比でプラス推移しています。
当然、その影響もあり株価は下落していないです。