マヨネーズ・ドレッシングで最大手のキユーピー(2809)。正式名称は「キユーピー」ですが、小字の「キューピー」と思われていたりもします。そんな有名企業のキユーピーですが、業績がやや厳しく長期で株価が下落していました。果たして今後の株価はどうなるのか。また、2020年8月に拡充を発表した株主優待制度も確認していきます。
- 株価に目立った割安感はなく、配当・優待利回りも高くはない
- 株主優待は3年以上限定から半年以上を追加
- 業績回復期待から短期の株価が上昇
キユーピーの事業内容と株価指標について
はじめにキユーピーの事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:2,564円
予想年間配当:45円
年間配当利回り:1.76%
予想PER:24.1倍
PBR:1.51倍
2021年4月8日終値時点のデータ
予想PERはやや割高、PBRは平均水準です。配当利回りは平均水準です。
キユーピー(2809)とは
キユーピー株式会社(読みはキューピー、英: Kewpie Corporation)は、1919年(大正8年)に設立されたマヨネーズなどの調味料を主力としている食品メーカーで、株式会社中島董商店、アヲハタ株式会社と共に「キユーピー・アヲハタグループ」を形成している。
有名なマヨネーズのほかにも、様々な食品、調味料、業務用製品も手がけている。
キユーピー – Wikipediaより抜粋
マヨネーズだけでなく、ドレッシング・サラダ・カット野菜・タマゴ加工品なども展開しています。この先は中国・東南アジアを中心に海外も強化していく予定です。
キユーピーの株主優待制度と配当推移
次にキユーピーの株主優待制度の内容と配当金の推移を確認していきます。
株主優待制度の概要
キユーピーの株主優待は「自社製品の詰め合わせ」、権利日は11月末です。以前は3年以上継続保有限定でしたが、半年以上も追加されました
保有株式数 | 優待品内容 |
---|---|
100株~499株 半年以上保有 | 商品詰め合わせ(1,000円相当) |
100株~499株 3年以上保有 | 商品詰め合わせ(1,500円相当) |
500株~ 半年以上保有 | 商品詰め合わせ(3,000円相当) |
500株~ 3年以上保有 | 商品詰め合わせ(5,000円相当) |

100株保有で1,000円分と換算すると優待利回りは約0.4%です。株主還元として配当を優先しているため利回りは低めです。
参考:株主優待品|キユーピー
配当金の推移
下記はキユーピーの配当金の推移です。年2回、中間配当(5月)と期末配当(11月)を実施しています。

2016年11月期:34.5円
2017年11月期:36.5円
2018年11月期:38円
2019年11月期:45円
2020年11月期:40円
2021年11月期:45円(予)
2019年11月期の配当は普通配当40円、創業100周年の記念配当が5円です。
株主還元の基本方針は「1株当たり配当金45円以上を前提に、連結配当性向35%以上を基準とするとともに、4年間累計で総還元性向で50%以上を目安」です。2020年11月期の配当性向は50.3%、2021年11月期の予想配当性向は約42%とやや上昇しています。
参考:配当情報|キユーピー
キユーピーの業績推移と株価チャート
次にキユーピーの業績推移と株価チャートの推移を確認していきます。
売上高と経常利益の推移

売上・利益ともに減少しており厳しい推移です。2021年11月期から物流部門(株式会社キユーソー流通システム)を持分法適用関連会社へ移行するため、減収・減益予想ですが、実質的には微増見通しです。
参考:年度データ|キユーピー
株価チャートの推移
下記はキユーピー5年分の週足株価チャート推移です。

株価は2016年、2017年以降で見ると下落、2020年9月以降は底値から抜け出し短期的には上昇しています。ここからの上値メドは2,800円、下値メドは2,300円辺りと見ることができます。
キユーピーの決算内容と今後について
最後にキユーピーの決算内容の確認と今後について考えていきます。
決算内容について
2021年4月5日の決算にて2021年11月期1Q(2020年12月-2021年2月)の連結経常利益は66億円と発表。前年同期比24.9%増、通期計画の278億円に対する進捗率は23.8%となりました。
今後について
キユーピーは国内だけでなく、中国・東南アジアを中心に海外へも展開しています。国内で更に売り上げを伸ばすのは厳しいため、効率化して利益率を上げることが求められます。もちろん、それにも限界があります。
創業100年の歴史がありブランド力もある会社です。成熟しているメジャー企業の為、主に国内では大きく売上を伸ばすのは難しいかもしれないですが、ある程度の売上はキープできるとも考えられます。
売上・利益がやや落ち込み、株価が長期で下落していたのは手が出しづらい点ですが、短期では業績が回復して株価が上昇、ここからの巻き返し期待もあります。