サントリー食品インターナショナル(2587)の株価が下落推移しています。これまで業績や配当は安定していましたが、果たして下落した株価はお買い得なのか。今後の株価・配当がどうなるのか。業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。
- 株価は下落したことで以前ほどの割高感は無い
- 配当・業績はいい意味で安定、悪い意味では停滞している
- ブランド力が強く人気商品をいくつか抱えている
サントリーBFの事業内容と株価指標
はじめにサントリー食品インターナショナルの事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:3,800円
予定年間配当:78円
年間配当利回り:2.05%
予想PER:21.9倍
PBR:1.53倍
2020年12月18日終値時点のデータ
株価が下落したことで以前ほどの割高感はありません。配当利回りは平均より若干高めです。
サントリー食品インターナショナル(2587)とは
サントリー食品インターナショナル株式会社 (サントリーしょくひんインターナショナル)は、日本の洋酒・ビールメーカーであるサントリーホールディングス傘下の清涼飲料事業子会社である。
サントリーグループ内のソフトドリンク部門を受け持つ。主要機能子会社のサントリーフーズを主軸に国内外に事業を展開している。海外では1980年にアメリカで清涼飲料事業に進出し、ペプシブランドを製造・販売するペプシ・ボトリング・ベンチャーズ社の経営を手がける他、 2009年にはオランジーナ・シュウェップス・グループの経営権を取得している。なお新聞・ラジオNIKKEI・NHKラジオ第2放送の株式市況では「サントリーBF」と略されている
サントリー食品インターナショナル – Wikipediaより抜粋
主力ブランドは「サントリー天然水」、「BOSS」、「伊右衛門」、「サントリーウーロン茶」、「GREEN DA・KA・RA」、「ペプシ」、「オランジーナ」です。この7ブランドに資源を注力し合計販売数量は全体の78%になります。
飲料市場は時代により傾向の変化があります。現在の日本では茶飲料・コーヒーの比率が高く、海外では水・炭酸飲料の比率が高いという特徴があります。
サントリーBFの配当金推移と株主優待制度
次にサントリー食品インターナショナルの配当金推移と株主優待を確認していきます。
配当金の推移
下記はサントリーBFの配当金の推移です。年2回、中間配当(6月)と期末配当(12月)を実施しています。

2015年12月期:68円
2016年12月期:73円
2017年12月期:75円
2018年12月期:78円
2019年12月期:78円
2020年12月期:78円(予)
ここ数年の配当は据え置きです。
配当方針は「連結配当性向30%以上を目安に、利益成長による安定的な増配を目指す」としています。 2020年12月期の予想配当性向は約45%でこれまでの配当性向と比較すると高くなる見通しです。
株主優待制度
サントリー食品インターナショナルは株主優待を実施していません。株主還元方針として「業績の向上を通じた安定した配当と企業価値を高める」としています。今後も優待を実施する可能性は低いと考えられます。
サントリーBFの業績推移と株価チャート
次にサントリー食品インターナショナルの業績推移と株価チャートを確認していきます。
売上高・経常利益の推移

売上・利益は比較的安定しています。2020年12月期は当初、増収・増益予想でしたが減収・減益見通しに変更しています。厳しい見通しですが、耐えているという見方もできます。
株価チャートの推移
下記はサントリー食品インターナショナル5年分の週足株価チャートの推移です。

株価は長期で下落推移しています。過去の株価と比較するとかなり安い水準です。短期的な厳しさに加え、長期的な伸びしろの見えにくさが株価下落要因と考えられます。
サントリーBFの決算と今後について
最後にサントリー食品インターナショナルの決算内容の確認と今後について考えてみます。
決算内容について
2020年11月4日の決算にて2020年12月期3Q累計(1-9月)の連結経常利益は759億円と発表、あわせて通期の同利益を935億円見通しとしています(期初の業績予想は同利益が1,155億円)。
今後について
2020年3月以降も国内証券会社が「投資判断格上げ」や「強気維持」するなど評価は高いです。主力商品のブランド力は強く、業績も安定しています。欧州・東南アジアを中心に海外展開も積極的に行っています。
しかし、飲料市場は時代と共に変化します。今後、他の飲料が大きく成長した際に、主力製品の売上減少や市場の変化についていけなくなる可能性はあります。短期的には高収益であった自動販売機の数量減少、業務量飲料の減少によりやや厳しい見通しです。