モスバーガーを展開するモスフードサービス(8153)。株価は一時大きく下落しましたが現在は戻っています。果たして今後の株価はどうなるのか。業績推移・株価チャートを分析してみました。また、株主優待や配当についても確認していきます。
- 株価指標はやや割高感がある
- 減配予定、これまでの配当性向も高い
- 利益改善がどれだけ進むかが今後を左右する
モスフードサービスの事業内容と株価指標
はじめにモスフードサービスの事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標・配当利回り
株価:2,888円
予定年間配当:22円
年間配当利回り:0.76%
予想PER:—
PBR:2.03倍
2020年12月17日終値時点のデータ
PBRはやや割高です。2021年3月期は赤字見通し・配当は減配予定です。
モスフードサービス(8153)とは
モスフードサービスはフランチャイズチェーンによるハンバーガー専門店「モスバーガー」の全国展開、その他飲食事業などを行う会社です。主力は「モスバーガー」で、国内で約1,300店舗、海外では台湾を中心に約370店舗展開しています。
モスフードサービスの株主優待と配当推移
次にモスフードサービスの株主優待と配当推移を確認していきます。
株主優待制度について
モスフードサービスの株主優待は全国のモスグループ店舗及びミスタードーナツ店舗で利用できる「株主優待券」です。毎年3月末と9月末の年2回が権利日です。
保有株式数 | 優待内容 |
---|---|
100株以上 300株未満 | 優待券 1,000円分 (500円券×2枚) |
300株以上 500株未満 | 優待券 3,000円分 (500円券×6枚) |
500株以上 1,000株未満 | 優待券 5,000円分 (500円券×10枚) |
1,000株以上 | 優待券 10,000円分 (500円券×20枚) |
モスバーガーだけでなく提携しているミスタードーナツでも利用できます。100株保有で年間2,000円分なので優待利回りは約0.7%です。利回りは低めです。
配当金の推移
下記はモスフードサービスの配当金の推移です。年2回、中間配当 (9月) と期末配当(3月)を実施しています。

2016年3月期:24円
2017年3月期:26円
2018年3月期:28円
2019年3月期:28円
2020年3月期:28円
2021年3月期:22円(予)
2021年3月期は減配予定です。
2019年3月期は食中毒事故に伴う特別損失の計上もあり、最終損益は赤字となりましたが配当は維持。2020年3月期も配当を維持しましたが配当性向は237%、2021年3月期は赤字予想で減配予定としています。
モスフードサービスの業績推移と株価チャート
次にモスフードサービスの業績推移と株価チャートを確認していきます。
売上高・経常利益の推移

2019年3月期は自然災害の影響に加え食中毒事故の影響で売上・利益が共に当初の見通しより大きく下方修正。2020年3月期はやや回復しましたが物足りなさがあり、2021年3月期は赤字予想です。
株価チャートの推移
下記はモスフードサービス5年分の週足株価チャートの推移です。

2018年から株価が下落。食中毒事故などの影響もあり株価は2,400円まで下落。その後、株価が上昇しましたが、2020年に入り再度大きく下落。現在は株価を戻し不安定な動きをしています。
モスフードサービスの決算内容と今後について
最後にモスフードサービスの決算内容の確認と今後について考えていきます。
決算内容を確認
2020年11月13日の決算にて2021年3月期2Q累計(4-9月)の連結経常損益は1.7億円の赤字と発表、あわせて通期の同損益を4億円の赤字見通し、年間配当は22円予定としています。
今後について
国内のモスバーガーの店舗数はここ数年減少しており、今後も国内の店舗数が増える可能性は小さいです。この先はさらに国内の不採算店の整理による収益改善、海外出店を進めていきますが現時点での不透明感は強めです。
プラスポイントとしては月次情報にて来客数は減少していますが、単価上昇により売上高が前年同期比でプラス推移しています。多くの外食店が大きく売上が減少する中、テイクアウトの強みが出ています。しかし、赤字見通しで利益率の改善が急務です。