MVNO第一人者の日本通信(9424)。連続赤字から連続黒字となっていますが株価は下落推移しています。株価指標と業績推移、株価チャートを確認していきます。
- 連続赤字から連続黒字も株価は下落推移、割高感あり
- 配当・優待などの還元は現状では実施予定無し
株価情報と配当・優待について
日本通信の株価情報と配当状況・株主優待制度を確認していきます。
株価の指標(2025年1月10日終値時点)
株価:120円
予想PER:—
PBR:6.39倍
予想EPS:—
時価総額:199億円
最新の株価参考:日本通信(株)【9424】:Yahoo!ファイナンス
配当・優待について
配当金はこれまで一度も出していません。また、株主優待制度も実施していません。
利益は事業投資に回すため、現状では配当、自社株買い、株主優待等を実施する計画は無いとしています。しばらく無配当の可能性が高いと考えられます。
参考:よくあるご質問|日本通信
業績推移と株価推移について
日本通信の業績推移と株価推移を確認していきます。
業績の推移
下記は日本通信の売上高・営業利益・経常利益・最終利益の推移です。

連続赤字で推移していましたが、2022年3月期は黒字に。2023年3月期、2024年3月期は更に増益となっています。
株価のチャート
下記は日本通信の5年分の週足株価チャートです。

株価は急上昇した後に急落するタイミングがいくつかあります。2024年は下落が強い推移です。
株価が大きく動く時は「将来への期待」や「アナリストが推奨銘柄に上げたことによる」ものが多いです。
事業内容と財務情報について
日本通信の事業内容と財務情報を見ていきます。
日本通信(9424)の概要
日本通信株式会社(にほんつうしん、英語: Japan Communications Inc.)は、ワイヤレスデータ通信を行う仮想移動体通信事業者(MVNO)。主にb-mobileブランドと日本通信SIMブランドでサービスを展開している。
日本通信はウィルコムからPHS回線のリセール(回線領域買い取り)で事業を始め、MVNOとして日本では第一号の会社となった。MVNOの黎明期には一定のシェアがあったものの、競争の激化からシェアを減らし続け、2016年3月期には19億の赤字を計上。
日本通信 – Wikipediaより抜粋
MVNOサービスの先駆者で格安SIMの販売を行っています。
近年はスマートフォンで安全取引を実現するプラットフォームとして「FPoS」(FinTech Platform over SIM)を開発し投資を行っています。
キャッシュフロー
下記はキャッシュ・フロー推移です。

2020年3月期の営業CFはマイナスでしたが、その後はプラスで推移しています。
今後について
日本通信の今後の株価上昇ポイント、株価下落ポイントを考えてみます。
日本通信の期待ポイント
赤字が続いていましたが、2022年3月期はMVMO事業モデルが整い7期ぶりの通期黒字化。また、楽天モバイルの0円プラン廃止の影響もあり新規申し込みが急増、2023年3月期、2024年3月期も黒字となりました。
期待値の高い技術
日本通信はFPoSに力を入れ、大きな需要が見込める技術としており、FPoSサービス、事業により2034年に売上2,400億円、税引き後当期利益360億円のレベルを想定しており、かなり力を入れているのがうかがえます。
FPosとは
FPoSとは「FinTech Platform over SIM」の略称で、簡単に言うとオンラインバンキングのセキュリティ方法の一つです。
オンラインバンキングは普及と共に不正アクセスなどの犯罪が多発し、セキュリティ強化を進めています。その結果、利便性が悪くなってきているというのも事実です。この問題点を解決した、「強いセキュリティかつ利便性が良い」というのがFPoSです。
日本通信の不安ポイント
新しい技術のFPoSですが、需要が見込めるかもしれませんが大手が参入、または別の手段で画期的なものができる可能性もあります。
警戒ポイント
MVNOの先駆者で大きく利益を伸ばし、過去には株価が10倍以上に急上昇しました。しかし、その後は多くの企業が参入し競争激化、業績悪化で株価も下落しました。
今後も携帯電話関係は政府の指導や他社動向により大きく変化する可能性があります。