多くの家庭用品を手掛ける花王(4452)。30期連続の増配当をしている優良企業ですが、利益が伸び悩み配当性向が上昇しています。果たして今後の花王の株価と配当はどうなるのか、株価指標・業績推移・株価チャートに加え配当推移や配当性向を分析してみました。
- 株価指標は割高で現在の年間配当利回りは平均よりやや高め
- 利益に以前の好調さは無く、やや厳しめ
- 利益還元は配当重視、株主優待を実施する可能性は低い
花王の事業内容と株価指標
はじめに花王の事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:7,636円
予定年間配当:144円
年間配当利回り:1.89%
予想PER:28.9倍
PBR:3.98倍
2021年2月10日終値時点のデータ
株価指標は割高です。年間の配当利回りは平均よりやや高めです。
花王(4452)とは
花王株式会社(かおう、英語:Kao Corporation)は大手化学メーカーである。
洗剤、トイレタリーで国内では1位、化粧品は2位。世界では化粧品・トイレタリー企業のシェアランキング7位。化粧品メーカーのカネボウ化粧品は100%子会社。原料からの一貫生産と物流・販売システムに強みがあり、国内外に多くの工場や販売拠点をもっている。
花王 – Wikipediaより抜粋
主要事業は「化粧品事業」、「スキンケア・ヘアケア事業」、「ヒューマンヘルスケア事業」、「ファブリック&ホームケア事業」、「ケミカル事業」の5つです。
国内での売上は若干頭打ちですが、海外(アジア・アメリカ)は伸ばしています。
参考:セグメント情報|花王
花王の配当推移と株主優待
次に花王の配当金の推移と株主優待を確認していきます。
配当金の推移
下記は花王の配当推移です。年2回、中間配当(6月)と期末配当(12月)を実施しています。

2016年12月期:94円
2017年12月期:110円
2018年12月期:120円
2019年12月期:130円
2020年12月期:140円
2021年12月期:144円(予)
花王の配当金は30期連続で増配しています。
2021年12月期も増配予定です。配当性向は若干上昇し2020年12月期の配当性向は53.3%、2021年12月期の予想は約54%です。方針として「配当性向は40%を目標」としているため、増配が止まる可能性も出ています。
参考:花王|株主還元方針
花王の株主優待について
日用品などを扱っている同業他社は宣伝もかねて自社製品の株主優待を実施している企業が多いですが、花王は株主優待を実施していないです。
花王の株主還元方針は「安定的・継続的な配当の実施を通じた利益還元を重視しており、自社製品などをお届けする株主優待制度はありません。」としています。外国人株主も多いため、今後も配当を重視し、株主優待を実施する可能性は低そうです。
花王の業績推移と株価チャートの推移
次に花王の業績推移と株価チャートの推移を確認していきます。
売上高と経常利益の推移

毎年のように過去最高益を更新していましたが、2020年12月期は減益に。2021年12月期も以前と比較するとやや厳しめの見通しです。
参考:財務情報・経営指標|花王
株価チャートの推移
下記は花王5年分の週足株価チャートの推移です。

2018年9月には業績上振れ期待から株価は9,000円台となり1万円も視野に。しかし、その後の決算にて大きく伸びるのが厳しいと見られ株価はやや下落。
広めのレンジで見ると、現在の株価は良い押し目と考えることもできますが、株価指標の割高感や業績の伸び悩み感は気になるところです。
花王の決算内容と今後について
最後に花王の決算内容の確認と今後について考えてみます。
決算内容を確認
2021年2月3日の決算にて2020年12月期の連結経常利益は1,739億円と発表。2021年12月期は1,770億円見通し、年間配当は144円に増配予定としています。
今後について
花王は30期連続で増配していますが、これまでは決して無理な配当をしてません。今の年間配当利回りはあまり高くないですが、増配すると実質利回りが上昇することになるため、長期保有には連続増配当はプラスポイントです。ROEも高く財務状況に問題もありません。
直近ではインバウンド需要の低下、化粧品事業の売上減少により業績がやや厳しい状況です。30期連続増配で2021年12月期も増配予定ですが過去と比較すると配当性向が高く、今後も増配が続くとは言い切れません。