オフィス関連製品から医薬品など広く事業を展開している富士フイルムホールディングス(4901)。今後の株価と配当はどうなるのか、業績推移や株価チャートなど様々な視点から分析してみました。
- 割安感・割高感なし、連続増配中
- 医薬品事業への期待値は高いが、あくまでも一つの事業
- 株価は大きく上昇も短期で下落
富士フイルムの株価情報と事業内容について
富士フイルムホールディングスの株価情報と事業内容を見ていきます。
株価指標
株価:6,847円
予想PER:14.82倍
PBR:1.15倍
時価総額:3兆5,236億円
2022年3月14日終値時点データです。
最新の株価参考サイト:富士フイルムホールディングス(株)【4901】:Yahoo!ファイナンス
指標に目立った割安感、割高感はないです。
富士フイルムホールディングス(4901)とは
富士フイルムホールディングス株式会社(ふじフイルムホールディングス、英: FUJIFILM Holdings Corporation)は、富士フイルムと富士フイルムビジネスイノベーション(旧:富士ゼロックス)を傘下に持つ持株会社である。
富士フイルム株式会社は精密化学メーカーで、カメラ、デジタルカメラ、一般・エックス線写真・映画用フィルムから印画紙(プリント)、現像装置などに至る写真システムの一式、複写機などのOA機器などのほか、ディスプレイ用フィルム部材、刷版、印刷システム、医薬品、医療機器、化粧品、健康食品や高機能化学品も製造・販売している。
近年は医療用機器の製造受託に注力しており、巨大投資を行っている。富士フイルム富山化学は富士フイルムグループの医薬品メーカである。
富士フイルムホールディングス – Wikipediaより一部抜粋
富士フイルムは大きく3つの分野に事業を展開しています。写真関連の製品・サービスを提供する「イメージングソリューション」、ヘルスケア・メディカルシステム・医薬品の「ヘルスケア&マテリアルズソリューション」、複合機・プリンタなどの「ドキュメントソリューション」です。
富士フイルムの業績推移と株価推移について
富士フイルムホールディングスの業績推移と株価推移を見ていきます。
売上高と営業利益・経常利益の推移

売上・利益ともにややばらつきがあります。2020年3月期は過去最高益を更新する見通しでしたが、大きく減益で着地。
2022年3月期は増収・増益見通しとしています。
株価の推移
下記は富士フイルム5年分の週足株価チャートです。

上昇レンジで推移していた株価ですが、抗インフルエンザ薬「アビガン」のニュースで大きく上昇。
効果についての不透明感・承認見送りから株価がやや下落する場面もありましたが、2021年以降は検査キットをはじめヘルスケア事業への期待感から大きく上昇。
2021年9月に1万円の大台に乗りましたが、その後は下落しています。
富士フイルムの配当情報と株主優待について
富士フイルムホールディングスの配当情報と株主優待制度を見ていきます。
配当情報
2022年3月期の予定年間配当:110円
予想年間配当利回り:1.61%
配当金の推移
下記は富士フイルムの配当金推移です。
配当権利日は、9月(中間配当)と3月(期末配当)です。

2017年3月期:70円
2018年3月期:75円
2019年3月期:80円
2020年3月期:95円
2021年3月期:100円
2022年3月期:110円(予)
配当は増配推移、2022年3月期も増配予定としています。
配当性向は2020年3月期が31%、2021年3月期が22.1%、2022年3月期の予想が約24%です。
株主還元方針の確認
株主還元方針は「配当を重視し、配当性向30%を目標」としています。
株主優待制度について
富士フイルムの株主優待は「ヘルスケア商品割引販売」、「ヘルスケア商品」などです。
所有株式数 | 優待内容 |
---|---|
100株以上 | 商品優待割引販売 2,000~3,000円相当商品(3月・1年以上) |
300株以上 | 4,000~5,000円相当商品(3月・3年以上) |
500株以上 | 9,000~10,000円相当商品(3月・3年以上) |
上記以外にも9月の優待では「フォトブック等プリントサービス利用クーポン券」もあります。
長期保有を目的とした優待を実施しています。
富士フイルムの決算内容と今後について
富士フィルムホールディングスの決算内容確認と今後について考えていきます。
決算内容について
2022年2月9日に決算発表。
2022年3月期3Q累計(4-12月)の連結税引き前利益は2,072億円と発表。
また、通期の同利益を2,400億円予想から2,450億円予想に上方修正しています。
今後について
富士フイルムは医療機器・医薬などへ注力しており、2021年3月期の売上はヘルスケア事業が売上の48%を占めます。
また、海外売上比率も5割以上あり、海外の景気動向や為替レートが業績に影響を与えます。
医療関係について
医療関係は一つのニュースで大きく株価が動くことがあります。株価が大きく上昇したのは業績好調さもありますが、「アビガン」を開発した子会社の富士フイルム富山化学への期待感が大きいです。
ヘルスケア事業が好調で成長期待感も高いですが、あくまでも一つの事業です。注力している分野とはいえ、複数事業を展開しているためトータルで考える必要があります。