塩化ビニル・苛性ソーダなどで大手の化学メーカー、東ソー(4042)。
今後の株価と配当はどうなるのか、株価指標と業績推移、株価チャートと配当推移を確認してみました。
- 割安水準、高い配当利回り
- 株価は警戒感のある動き
- 伸びしろがあるが、リスク要因もある
東ソーの株価情報と業績推移
東ソーの株価情報と業績推移・株価チャートを確認していきます。
株価の指標
株価:1,684円
予想PER:8.93倍
PBR:0.73倍
予想EPS:188.51円
時価総額:5,474億円
2023年5月18日終値時点のデータ
最新の株価参考:東ソー(株)【4042】:Yahoo!ファイナンス
割安感がありますが、化学銘柄と考えるとよくある水準です。
業績の推移
下記は東ソーの売上高・営業利益・経常利益・最終利益の推移です。

2019年3月期から厳しめの業績で推移していましたが、2022年3月期は大きく増収・増益で過去最高売上・利益を更新。
しかし、2023年3月期は大きく減益となりました。
2024年2月期は増収・増益見通しとしています。
参考:財務・業績推移|東ソー
株価のチャート
下記は東ソー5年分の週足株価チャートです。

株価は2018年以降に先の業績不安が広がり下落。
2020年4月からは上昇していましたが、2021年中旬頃から下落気味のレンジで推移しています。
東ソーの配当情報と株主優待
東ソーの配当情報と株主優待制度を確認していきます。
配当金の情報
2024年3月期の予定年間配当:80円
予想年間配当利回り:4.75%
高い配当利回りです。
配当金の推移について
下記は東ソーの配当金推移です。配当権利日は9月(中間配当)と3月(期末配当)です。

2019年3月期:56円
2020年3月期:56円
2021年3月期:60円
2022年3月期:80円
2023年3月期:80円
2024年3月期:80円(予)
2022年3月期に大きく増配、2024年3月期は据え置き予定としています。
配当性向は2023年3月期が50.6%、2024年3月期の予想が約42%です。
株主還元方針の確認
株主還元の基本方針は、中期経営計画(~2024年度)にて「安定配当を基本とし、自己株取得による資本効率向上にも努める」、「配当性向は30%を目安」としています。
参考:配当情報|東ソー株式会社
株主優待について
株主優待制度は実施していないです。
東ソーの事業内容と今後について
東ソーの事業内容と財務情報の確認と今後について考えてみます。
東ソー(4042)の概要
東ソー株式会社(とうソー、英: TOSOH CORPORATION)は、日本の大手総合化学メーカー。
苛性ソーダ、塩化ビニルモノマー(VCM)、ポリウレタンといった「ビニル・イソシアネート・チェーン」事業に加え、石油化学事業(オレフィン、ポリエチレン、合成ゴム等)や機能商品事業(無機・有機ファイン製品、計測・診断製品、スパッタリングターゲット、電解二酸化マンガン、ジルコニアセラミックス、石英ガラスなど)をコアとして事業展開を行っている。
東ソー – Wikipediaより抜粋
様々な製品の素材を製造しており、身近にあるものの中にも東ソー製品が組み込まれているものが多くあります。
みずほ銀行(旧・日本興業銀行)との関わりが深く、1948年から1984年までの社長は日本興業銀行の出身者でした。
3カ月決算の実績
下記は東ソーの連結経常利益の推移と前期との比較です。

2024年3月期の連結経常利益は950億円見通しとしています。
キャッシュフロー
下記は東ソーのキャッシュ・フロー推移です。

2023年3月期の営業CFはマイナスです。
東ソーの今後について
割安感があり、高い配当利回りです。また、技術力があり生産能力増強の投資も行っています。
リスク要因
ナフサや石炭などの原燃料価格に加え、為替の円安進行。世界経済の停滞警戒などから今後の経営環境は不透明な部分があります。
2023年3月期の利益は、ナフサや石炭等の原燃料高の影響が販売価格上昇の影響を上回り減益に、株価もやや厳しめの動きをしています。