東京電力に次ぐ電力業界2位の関西電力(9503)。株価と配当が今後どうなるのか。業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。株価が下落したことで配当利回りが高いです。
- 株価指標の割安感は強め、配当利回りは高い
- 短期的も長期的にもやや心配材料がある
- 株価は業績悪化や様々な要因から下落
関西電力の事業内容と株価指標
はじめに関西電力の事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:1,097円
予定年間配当:50円
年間配当利回り:4.56%
予想PER:10.9倍
PBR:0.58倍
2021年3月5日終値時点のデータ
PBRは特に割安、配当利回りは高いです。
関西電力(9503)とは
関西電力株式会社(かんさいでんりょく)は、大阪府大阪市に本店を置く電力会社である。略称として関電(かんでん)や、KEPCO(Kansai Electric Power Co., Inc.=ケプコ)が使われる。2020年4月1日に、発送電分離の法的措置に伴い、送配電事業が「関西電力送配電株式会社」に分社化されたことにより、同社は発電・小売事業を継承した、事業持株会社として新発足した。近畿地方や関東地方などで電力小売事業や、発電事業を行っている。
発電能力と比べ、実際の発電所は原子力発電による比率が約55%となっている(他社からの買電、融通、揚水発電を除いた発電量における、設備別比重)。その一方、本来の電力供給エリア外である富山県の黒部川流域などに、最大出力30万kW超の大型の水力発電所も所有する。
関西電力 – Wikipediaより抜粋
中心事業は「電気事業」。他には「ガス・その他エネルギー事業」、「情報通信事業」も展開しています。原子力発電の依存度が高いですが、代替電力の確保を進めています。
関西電力の業績推移と株価チャート
次に関西電力の業績推移と株価チャートを確認していきます。
売上高と経常利益の推移

売上・利益にややばらつきがありますが、比較的安定推移です。2021年3月期は販売電力量をはじめ事業全体に影響があり大きく減益予想です。
株価チャートの推移
下記は関西電力5年分の週足株価チャートの推移です。

2019年5月ごろから株価が下落しています。しかし、過去の株価や業績見通しを考えると目立って安いところまでは下落していないです。ここからの上昇メドは1,300円、下落メドは900円です。
関西電力の配当推移と決算内容
次に関西電力の配当推移と決算内容を確認していきます。
配当金の推移
下記は関西電力の配当金の推移です。年2回、中間配当(9月)と期末配当(3月)を実施しています。

2016年3月期:0円
2017年3月期:25円
2018年3月期:35円
2019年3月期:50円
2020年3月期:50円
2021年3月期:50円(予)
東日本震災・高浜原発の問題から赤字となり、2011年3月期から2015年3月期までは配当が無配でしたが、2017年3月期から復活。
配当性向は2019年3月期が38.8%、2020年3月期が34.3%と特に問題ない水準ですが、2021年3月期の予想は約50%と高くなる見通しです。
決算内容について
2021年1月29日の決算にて2021年3月期3Q累計(4-12月)の連結経常利益は1,611億円と発表。前年同期比14.1%減、通期計画の1,300億円に対する進捗率が124.0%となりました。
関西電力の今後の株価について
最後に関西電力の今後の株価上昇ポイントと下落ポイントを考えてみました。
関西電力の株価上昇ポイント
株価指標に割安感があり、配当利回りも高いです。事業として「ガス・その他エネルギー事業」、「情報通信事業」も展開していますがメインは「電気事業」です。短期的には商業圏・工業圏への販売量減少、節電取り組みによる業績悪化がありますが、電気は生活必需品のため大きく需要が減る可能性は小さいです。
関西電力の株価下落ポイント
一番のリスクは原子力発電所です。国内電力会社初の原子力発電所を運転開始、現在も原子力発電が大きなウエイトを占めています。中期経営計画では再生可能エネルギーの大量導入を進めるとしていますが、まだまだ原子力発電がベースであることに変わりはないです。震災・高浜原発がらみの不祥事もあり、原子力発電に関して政策の変更などが業績に影響を与える可能性があり、ダメージはかなり大きくなるリスクがあります。