東京電力に次ぐ電力業界2位の関西電力(9503)。今後の株価と配当がどうなるのか、業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。
- 厳しい業績見通し、短期株価は緩やかに上昇推移
- 高配当となる可能性もあるが不透明感もあり
- 短期的も長期的にも不安材料がある
関西電力の株価情報と業績推移
関西電力の株価情報と業績推移を見ていきます。
株価指標
株価:1,277円
予想PER:—
PBR:0.69倍
予想EPS:-50.42円
時価総額:1兆1,988億円
2023年3月24日終値時点のデータ。
最新の株価参考:関西電力(株)【9503】:Yahoo!ファイナンス
PBRは割安ですが、他の電力銘柄は更に割安です。
業績の推移
下記は関西電力の売上高・営業利益・経常利益・最終利益の推移です。

2021年3月期は販売電力量をはじめ、事業全体に影響があり減益に。2022年3月期はさらに厳しくなり、2023年3月期は赤字見通しとしています。
参考:業績見通し|関西電力
株価の推移
下記は関西電力5年分の週足株価チャートです。

株価は2019年5月に大きく下落。その後も厳しい推移です。2021年以降は底値を抜けて上昇していますが、下落する場面もあり不透明感があります。短期的に見ると上昇推移しています。
関西電力の配当情報と株主優待
関西電力の配当情報と株主優待制度を見ていきます。
配当情報
2023年3月期の予定年間配当:未定
予想年間配当利回り:—
配当金の推移
下記は関西電力の配当金推移です。配当権利日は、9月(中間配当)と3月(期末配当)です。

2018年3月期:35円
2019年3月期:50円
2020年3月期:50円
2021年3月期:50円
2022年3月期:50円
2023年3月期:未定
東日本震災・高浜原発問題で赤字となった2011年3月期から2015年3月期までは無配当でしたが、2017年3月期に復配。ここ数年は年間50円で推移しています。
配当性向は2021年3月期が41%、2022年3月期が52%です。
配当方針について
安定的に配当を実施することを株主還元方針としていますが、2023年3月期の年間配当は未定です。純利益が赤字見通しなので不透明感があります。
株主優待について
株主優待制度は実施していないです。
関西電力の事業・決算内容と今後について
関西電力の事業・決算内容の確認と今後について考えてみます。
関西電力(9503)とは
関西電力株式会社(かんさいでんりょく)は、電力会社である。
略称として関電(かんでん)や、KEPCO(Kansai Electric Power Co., Inc.=ケプコ)が使われる。近畿地方や関東地方などで電力小売事業や、発電事業を行っている。
発電能力と比べ、実際の発電所は原子力発電による比率が約55%となっている(他社からの買電、融通、揚水発電を除いた発電量における、設備別比重)。その一方、本来の電力供給エリア外である富山県の黒部川流域などに、最大出力30万kW超の大型の水力発電所も所有する。
関西電力 – Wikipediaより抜粋
中心事業は「電気事業」です。他には「ガス・その他エネルギー事業」、「情報通信事業」も展開しています。原子力発電への依存度が高く、代替電力の確保を進めています。
決算内容を時系列に確認
2022年3月期の連結経常利益は1,359億円と発表。2023年3月期の同損益は1,000億円の赤字見通し、年間配当は未定としています。(2022年4月27日の決算発表にて)
2023年3月期1Q決算
2023年3月期1Q(4-6月)の連結経常損益は171億円の赤字と発表。前年同期は231億円の黒字のため、赤字に転落しています。(2022年7月29日の決算発表にて)
2023年3月期2Q決算
2023年3月期2Q累計(4-9月)の連結経常損益は1,118億円の赤字と発表。また、通期の同損益を1,000億円の赤字予想から2,000億円の赤字予想に下方修正しています。(2022年10月31日の決算発表にて)
2023年3月期3Q決算
2023年3月期3Q累計(4-12月)の連結経常損益は1,777億円の赤字と発表。また、通期の同損益を2,000億円の赤字予想から550億円の赤字予想に上方修正しています。(2023年1月31日の決算発表にて)
関西電力の株価上昇ポイント
事業として「ガス・その他エネルギー事業」、「情報通信事業」も展開していますがメインは「電気事業」で日常生活に欠かせないものです。
生活必需
電気は生活必需品のため大きく需要が減る可能性は小さいです。未定としている配当ですが、仮に維持できれば高利回りとなります(過去には無配となった期間もあるため不透明感は強いです)。
関西電力の株価下落ポイント
一番のリスクは原子力発電所です。国内電力会社初の原子力発電所を運転開始、現在も原子力発電が大きなウエイトを占めています。
2023年3月期は燃料価格高騰に加え、原子力利用率が低下するため、燃料費や他社購入電力料が増加。その影響もあり赤字見通しとしています。
見えにくいリスクの大きさ
震災・高浜原発がらみの不祥事もあり、原子力発電に関して政策の変更などが業績に影響を与える可能性があり、大きなリスク要因とも言えます。