低価格うどんの「丸亀製麺」を展開するトリドールホールディングス(3397)。今後の株価はどうなるのか、業績推移・株価チャートを分析してみました。また、株主優待制度の内容と利回りも見ていきます。
- 割高感は強い・高めの優待利回り
- 株価大きく上昇から、やや下落推移
- M&A推進でさらなる成長を目指している
トリドールの株価情報と事業内容について
トリドールホールディングスの株価情報と事業内容を見ていきます。
株価指標
株価:2,215円
予想PER:147.96倍
PBR:3.1倍
予想EPS:14.97円
時価総額:1,942億円
2022年5月18日終値時点のデータです。
最新の株価参考:(株)トリドールホールディングス【3397】:Yahoo!ファイナンス
PER、PBRともにかなり割高です。
トリドールホールディングス(3397)とは
株式会社トリドールホールディングス(TORIDOLL Holdings Corporation)は、レストラン及びショッピングセンター等における飲食店舗の開発と運営を行う企業グループの持株会社。
現在は売り上げの8割以上が丸亀製麺となっており、新規出店もほぼ丸亀製麺のみに絞り込まれている。
丸亀製麺の影響を受け、店舗設計、製麺機の導入、価格、メニューを模倣したうどん店が展開されたり、大手の外食チェーンがうどん市場に参入している。
トリドールホールディングス – Wikipediaより抜粋
トリドールホールディングスは低価格のセルフ式うどんチェーンの「丸亀製麺」を展開する企業です。
焼き鳥店(とりどーる)が発祥ですが、「丸亀製麺」にシフトし海外にも積極的に展開しています。

トリドールの業績推移と株価推移について
トリドールホールディングスの業績推移と株価推移を見ていきます。
売上高と営業利益・経常利益の推移
下記はトリドールホールディングスの売上高と利益の推移です。

2019年3月期は予想と大きく乖離し減益に、2020年3月期はやや回復しましたが、2021年3月期は取り巻く環境の悪化もあり大きく赤字で着地。
2022年3月期は時短協力金の計上もあり大きく回復。
2023年3月期は補助金が大幅に減少する見通しのため、大きく減益予想としています。
株価の推移
下記はトリドールホールディングス5年分の週足株価チャートです。

株価は2021年以降大きく上昇し、2021年9月には過去最高値を更新しました。
しかし、2021年11月にいくつかの証券会社が「割高感が強い」と投資判断を引き下げた影響もあり下落しています。
トリドールの株主優待と配当情報について
トリドールホールディングスの株主優待制度と配当情報を見ていきます。
株主優待制度
トリドールホールディングスの株主優待は「自社店舗で使える優待券」です。
優待権利月は、3月と9月です。
保有株式数 | 優待内容 |
---|---|
100株以上 200株未満 | 100円割引券 30枚綴り (3,000円相当) |
200株以上 1,000株未満 | 100円割引券 40枚綴り (4,000円相当) |
1,000株以上 2,000株未満 | 100円割引券 100枚綴り (10,000円相当) |
2,000株以上 | 100円割引券 150枚綴り (15,000円相当) |
100株保有で年間6,000円相当なので優待利回りは約2.7%です。利用制限も無く高めの利回りです。
2015年以前は株式分割前の100株保有で年間1,000円分でしたので、2015年以前から100株を保有し続けていた場合、株式分割・優待拡充・長期保有全て含めると優待金額が14倍になっています。
配当金の推移
下記はトリドールの配当金推移です。
期末(3月末)の一括配当を実施しています。

2019年3月期は大きく減配、2023年3月期は据え置き予定としています。
配当性向は2022年3月期が7.6%、2023年3月期の予想が約50%です。
配当政策の確認
トリドールの配当方針は「業績に応じて安定した配当、原則配当性向20%以上または調整後配当性向2%以上」としています。
トリドールの決算内容と今後について
トリドールホールディングスの決算内容確認と今後について考えていきます。
決算内容の確認
2022年5月13日に決算発表。
2022年3月期の連結税引前利益は139億円と発表。
2023年3月期の同利益は18億円見通し、年間配当は7.5円予定としています。
今後について
多くの外食店と同様に自粛要請や時短営業の影響を受け、2021年3月期はかなり厳しくなりました。
しかし、2022年3月期は「うどん弁当」の好調、政府補助金の計上もあり大きく回復。2023年3月期は海外出店を加速する予定とし大きく増収見通しです。
株主優待のメリットとリスク
株主優待を大きく拡充し優待利回りが高いため、魅力的に見えます。
しかし、お得な優待は時としてコスト増につながります。どの優待にも言えますが負担が大きい場合は改悪する可能性があります。
海外展開
長期的に見ると「丸亀製麺」以外に「コナズコーヒー」なども展開していますが、収益の柱は「丸亀製麺」です。
国内の丸亀製麺は店舗数がやや頭打ちになっており、今後はM&Aを含めた海外展開で伸ばすとしています。
無理に国内店舗数を増やすのではなく、海外に展開するのは一つの作戦です。しかし、当然ですが海外展開は伸びしろと共に不透明感・リスクもあります。
証券会社の投資判断について
株価が下落している要因に複数の証券会社の投資判断格下げがあります。
どの銘柄も証券会社の投資判断が格上げ、格下げとなれば「短期的な株価に」影響することが多いです。しかし、証券会社の投資判断はあくまでも現時点での見立てであり、未来を予測していません。
過去には、投資判断格上げで株価急上昇後、大きく下落した銘柄。投資判断格下げで株価下落後、直ぐに株価が戻った銘柄など、その動きは多彩です。
あくまでも参考程度が良いです。