大手旅行業者エイチ・アイ・エス(HIS)(9603)。今後の株価と配当はどうなるのか、業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。また、株主優待も確認していきます。
- 大きく赤字、配当は連続無配
- 株主優待は旅行好きには良い、高めの優待利回り
- まだまだ不透明感は強い
HISの株価情報と業績推移
エイチ・アイ・エスの株価情報と業績推移を見ていきます。
株価指標
株価:1,990円
予想PER:—
PBR:3.09倍
予想EPS:—
時価総額:1,589億円
2023年3月17日終値時点のデータ。
最新の株価参考:(株)エイチ・アイ・エス【9603】:Yahoo!ファイナンス
PBRは割高感があります。
業績の推移
下記はエイチ・アイ・エスの売上高・営業利益・経常利益・最終利益の推移です。

2020年10月期は当初195億円の黒字予想でしたが、旅行業全体が大きな打撃を受けたこともあり312億円の赤字で着地。2021年10月期は更に大きく赤字となりました。
2023年10月期の業績見通しは未定としていますが、現状では厳しくなるのも想定されます。
参考:過去実績|HISグループ
株価の推移
下記はHIS5年分の週足株価チャートです。

株価は2019年3月から下落、2019年10月からは持ち直す気配もありましたが、2020年3月に大きく下落。
その後は持ち直して上昇していましたが、不正受給問題で再度下落するなど、不透明感もある動きをしています。
HISの配当情報と株主優待
エイチ・アイ・エスの配当情報と株主優待制度を見ていきます。
配当金の推移
下記はHISの配当金推移です。期末(10月)の一括配当を実施しています。

2018年10月期:29円
2019年10月期:33円
2020年10月期:0円
2021年10月期:0円
2022年10月期:0円
2023年10月期:未定
2020年10月期は無配に転落。2021年10月期、2022年10月期も無配となりました。
2023年10月期の配当は未定としていますが、現状では厳しくなる可能性が高いと考えられそうです。
株主優待について
株主優待制度は「株主優待券」と「入場割引券」、優待権利月は4月と10月の年2回です。
保有株式数 | 優待内容 |
---|---|
100株以上 | HIS株主優待券 2,000円分相当(1,000円券 2枚) ハウステンボス入場割引券 500円分相当 ラグーナテンボス入場割引券 500円分相当 |
500株以上 | HIS株主優待券 4,000円分相当(1,000円券 4枚) ハウステンボス入場割引券 500円分相当 ラグーナテンボス入場割引券 500円分相当 |
1,000株以上 | HIS株主優待券 6,000円分相当(1,000円券 6枚) ハウステンボス入場割引券 500円分相当 ラグーナテンボス入場割引券 500円分相当 |
優待券は1回の旅行につき12,000円以上で1枚、24,000円以上で2枚利用可。入場割引券は1枚で5人まで利用できます。
優待利回り
100株保有で年間6,000円分相当とした場合、優待利回りは約3%ですが、あくまでも割引券で併用が出来ないため、評価は分かれそうです。
HISの事業・決算内容と今後について
エイチ・アイ・エスの事業・決算内容の確認と今後について考えてみます
エイチ・アイ・エス(9603)とは
株式会社エイチ・アイ・エス(英: H.I.S. Co., Ltd.)は、旅行業法に基づく旅行業者である。
旅行業界のベンチャーとして、格安航空券をはじめ、オーストラリアでのホテル事業、また1996年には航空会社・スカイマークエアラインズの設立を発表するなど、新たなチャレンジを繰り返してきた。
日本国外への格安航空券の販売が主であるが、現社名に変更された1990年頃から自社企画の海外パッケージツアー商品も販売するようになり、グループのホテルなども持つようになる。
エイチ・アイ・エス – Wikipediaより抜粋
旅行だけでなく、テーマパークやホテル事業も行っていますが、売上・利益の柱は旅行事業です。
決算内容を時系列に確認
2022年10月期の連結経常損益は490億円の赤字と発表、2023年10月期の業績見通しは非開示、年間配当は未定としています。(2022年12月15日の決算発表にて)
2023年10月期1Q決算
2023年10月期1Q(11月-1月)の連結経常損益は38.2億円の赤字と発表、前年同期は124億円の赤字のため、赤字幅が縮小しています。(2023年3月15日の決算発表にて)
今後について
旅行需要が大きく低迷、子会社によるGoToトラベル不正受給問題の影響で決算発表を延期。需要は徐々に回復し赤字幅が縮小していますが、燃油サーチャージの高騰などの影響もありまだ厳しめです。
需要回復可能性
旅行業界、観光需要の回復を狙った国の支援もあり、最悪期は抜けたとの見方も出ていますが、まだまだ不透明感があります。
長期的にみると
短期的な業績は厳しいですが、ある程度落ち着けば立て直すことも十分可能です。しかし、赤字額が大きく、立て直しにどれだけ時間がかかるか不透明感は強いです。
また、日韓関係の悪化に代表されるような諸外国との関係も大きく業績に影響します。