低価格うどんの「丸亀製麺」を展開するトリドールホールディングス(3397)。今後の株価はどうなるのか、業績推移・株価チャートを分析してみました。また、株主優待制度の内容と利回りも見ていきます。
- 強い割高感、減益見通し
- 株価は上昇落ち着きレンジ推移
- M&A推進でさらなる成長を目指している
トリドールの株価情報と業績推移
トリドールホールディングスの株価情報と業績推移を見ていきます。
株価指標
株価:2,731円
予想PER:59.33倍
PBR:3.36倍
予想EPS:46.03円
時価総額:2,401億円
2023年2月17日終値時点のデータ。
最新の株価参考:(株)トリドールホールディングス【3397】:Yahoo!ファイナンス
PER、PBRともにかなり割高です。
業績の推移
下記はトリドールホールディングスの売上高・営業利益・経常利益・最終利益の推移です。

2021年3月期は取り巻く環境の悪化もあり大きく赤字で着地。2022年3月期は時短協力金の計上もあり大きく回復。2023年3月期は補助金が大幅に減少する見通しのため、減益予想としています。
株価の推移
下記はトリドールホールディングス5年分の週足株価チャートです。

株価は2021年以降大きく上昇し、2021年9月には過去最高値を更新。
2021年11月にいくつかの証券会社が「割高感が強い」と投資判断を引き下げた影響もありやや下落しましたが、好業績により再び上昇。2022年11月以降で見るとレンジ推移しています。
トリドールの配当情報と株主優待
トリドールホールディングスの配当情報と株主優待制度を見ていきます。
配当情報
2023年3月期の予定年間配当金:7.5円
予想年間配当利回り:0.27%
配当利回りは低いです。
配当金の推移
下記はトリドールの配当金推移です。期末(3月末)の一括配当を実施しています。

2019年3月期は大きく減配、2023年3月期は据え置き予定としています。
配当性向は2022年3月期が7.6%、2023年3月期の予想が約16%です。
配当政策の確認
トリドールの配当方針は「業績に応じて安定した配当、原則配当性向20%以上を目標、調整後配当性向2%を下限」としています。
株主優待について
トリドールホールディングスの株主優待制度は「自社店舗で使える優待券」です。優待権利月は、3月と9月の年2回です。
保有株式数 | 優待内容 |
---|---|
100株以上 200株未満 | 100円割引券 30枚綴り (3,000円相当) |
200株以上 1,000株未満 | 100円割引券 40枚綴り (4,000円相当) |
1,000株以上 2,000株未満 | 100円割引券 100枚綴り (10,000円相当) |
2,000株以上 | 100円割引券 150枚綴り (15,000円相当) |
優待利回りについて
100株保有で年間6,000円分とした場合、優待利回りは約2.2%です。
トリドールの事業・決算内容と今後について
トリドールホールディングスの事業・決算内容の確認と今後について考えてみます。
トリドールホールディングス(3397)とは
株式会社トリドールホールディングス(TORIDOLL Holdings Corporation)は、レストラン及びショッピングセンター等における飲食店舗の開発と運営を行う企業グループの持株会社。
売り上げの8割以上が丸亀製麺となっており、新規出店もほぼ丸亀製麺のみに絞り込まれている。丸亀製麺の影響を受け、店舗設計、製麺機の導入、価格、メニューを模倣したうどん店が展開されたり、大手の外食チェーンがうどん市場に参入している。
トリドールホールディングス – Wikipediaより抜粋
トリドールホールディングスは低価格のセルフ式うどんチェーンの「丸亀製麺」を展開する企業です。焼き鳥店(とりどーる)が発祥ですが、「丸亀製麺」にシフトし海外にも積極的に展開しています。
決算内容を時系列に確認
2022年3月期の連結税引前利益は139億円と発表。2023年3月期の同利益は27億円見通し、年間配当は7.5円予定としています。(2022年5月13日の決算発表にて)
2023年3月期1Q決算
2023年3月期1Q(4-6月)の連結税引前利益は53億円と発表、前年同期比19.2%増となりました。(2022年8月12日の決算発表にて)
2023年3月期2Q決算
2023年3月期2Q累計(4-9月)の連結税引前利益は74億円と発表。また、通期の同利益を27億円予想から75億円に上方修正しています。(2022年11月11日の決算発表にて)
2023年3月期3Q決算
2023年3月期3Q累計(4-12月)の連結税引前利益は82.8億円と発表、前年同期比40.6%減となりました。(2023年2月14日の決算発表にて)
今後について
多くの外食店と同様に自粛要請や時短営業の影響を受け、2021年3月期はかなり厳しくなりました。しかし、2022年3月期は「うどん弁当」の好調、政府補助金の計上もあり大きく回復。2023年3月期は海外出店を加速させています。
海外展開
長期的に見ると「丸亀製麺」以外に「コナズコーヒー」なども展開していますが、収益の柱は「丸亀製麺」です。国内の丸亀製麺は店舗数がやや頭打ちになっており、今後はM&Aを含めた海外展開で伸ばすとしています。
無理に国内店舗数を増やすのではなく、海外に展開するのは一つの作戦です。しかし、海外展開は伸びしろと共に不透明感・リスクもあります。
証券会社の投資判断について
株価が大きく動いている要因の一つに証券会社の投資判断があります。どの銘柄も証券会社の投資判断が格上げ、格下げとなれば「短期的な株価に」影響することが多いです。しかし、証券会社の投資判断はあくまでも現時点での見立てであり、未来を予測していません。
過去には、投資判断格上げで株価急上昇後、大きく下落した銘柄。投資判断格下げで株価下落後、直ぐに株価が戻った銘柄など、その動きは多彩です。あくまでも参考程度が良いです。