タイヤ向けカーボンブラックで国内首位の東海カーボン(5301)。業績が大きく上昇したことで2019年にJPX日経400に新規採用。しかし、その後の減益見通しで株価が下落。果たして今後の東海カーボンの株価と配当はどうなるのか、業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。
- 減配予定も年間の配当利回りは高い
- 予想配当性向が高く、配当方針を考えるとさらに減配する可能性も
- 短期的な見通しは厳しいが今が最悪期との見方も
東海カーボンの事業内容と株価指標について
はじめに東海カーボンの事業内容と株価指標を確認していきます。
東海カーボンの株価指標と配当利回り
株価:1,133円
予定年間配当:30円
年間配当利回り:2.65%
予想PER:482倍
PBR:1.23倍
2020年12月1日終値時点のデータ
PERはかなり割高、PBRは割安です。年間の配当利回りは減配予定ですが、高めの利回りです。
東海カーボン(5301)とは
東海カーボン株式会社(とうかいカーボン、英文社名:TOKAI CARBON CO., LTD.)は、炭素製品の大手メーカーである。
2004年4月 – 住友商事と共同で中国に東海炭素(天津)有限公司を設立。
東海カーボン – Wikipediaより抜粋
2006年3月 – 中国の大連に大連東海結金藤素有限公司を設立。
2006年7月 – 東海高熱工業を完全子会社化。
2017年11月 – 昭和電工よりSGL GE Carbon Holding LLCを買収
事業内容として、カーボンブラック・黒鉛電極・ファインカーボン・摩擦材および工業炉・関連製品などの製造、販売を行っています。中でもタイヤ向けのカーボンブラックは国内で首位です。
参考:事業 – 東海カーボン
東海カーボンの配当推移と株主優待制度について
次に東海カーボンの配当金の推移と株主優待制度を確認していきます。
東海カーボンの配当推移
下記は東海カーボンの配当金の推移です。年2回、中間配当(6月)と期末配当(12月)を実施しています。

2015年12月期:6円
2016年12月期:6円
2017年12月期:12円
2018年12月期:24円
2019年12月期:48円
2020年12月期:30円(予)
配当金は大きく増配推移していましたが、2020年12月期は減配予定です。
配当方針は「連結配当性向30%を目安として、安定的・継続的に配当を行う」としています。2019年12月期の配当性向は32%、2020年12月期の予想配当性向は約1250%です。減配予定ですが、予想配当性向はかなり高いです。
東海カーボンの株主優待
東海カーボンの株主優待は「オリジナルカタログギフト」です。12月末が権利日です。
所有株式数 | 優待品 |
---|---|
100株以上 1,000株未満 | 2,000円相当(1年以上3年未満) 3,000円相当(3年以上) |
1,000株以上 | 2,000円相当(1年未満) 3,000円相当(1年以上3年未満) 5,000円相当(3年以上) |
100株保有で2,000円相当なので優待利回りは約1.8%と高めですが、1年以上継続保有することが条件です。
東海カーボンの業績と株価チャートの推移
次に東海カーボンの業績と株価チャートの推移を確認していきます。
東海カーボンの売上高と経常利益の推移

売上・利益ともに2018年12月期に急上昇。2019年12月期も当初は増益予想でしたが減益で着地。2020年12月期は当初の見通しより大きく下方修正を行い大幅減益予想です。
東海カーボンの株価チャートの推移
下記は東海カーボン5年分の週足株価チャートの推移です。

業績の好調さが出始めた2017年から株価が上昇。わずか1年で株価は約4倍まで跳ね上がりました。しかし、その後は割高さや業績下方修正などの影響により株価が下落。ここ最近の株価は下落が落ち着き、やや上昇しています。
東海カーボンの決算内容と今後の株価について
最後に東海カーボンの決算内容の確認と今後について考えていきます。
決算内容について
2020年11月4日の決算にて2020年12月期3Q累計(1-9月)の連結最終利益は10.1億円と発表、あわせて通期の同利益を10億円から5億円に下方修正しています。
今後について
主力の「カーボンブラック事業」はタイヤメーカーの需要低下、操業停止等の影響により悪化。「黒鉛電極事業」も、世界的な景気減速の影響を受け悪化しています。日本国内だけでなく、アメリカ、中国にも会社があり原材料を輸入して製品を輸出しているため、為替の影響も受けます。
減配当予定ですが、配当性向はかなり高く2021年12月期まで影響がずれ込むとさらに減配する可能性があります。しかし、国内の証券会社は今後は最悪期を抜け出す可能性が高いとし投資判断を格上げしています。その影響もあってか株価はやや上昇しています。