雑貨店の3コインズ(3COINS)を展開するパルグループホールディングス(2726)。業績は好調に推移していましたが、急悪化により一時大きく株価が下落したものの、その後の急回復で大きく上昇しています。果たして今後のパルグループの株価と配当はどうなるのか。業績推移・株価チャート・配当推移や株主優待制度を分析していきます。
- 株価指標に以前のような割高感はない
- 株主優待の割引券は人気優待ではない
- 業績見通しは厳しいが、急回復したことで株価上昇
パルグループの事業内容と株価指標
はじめにパルグループの事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:1,397円
予定年間配当:未定
年間配当利回り:—
予想PER:—
PBR:1.37倍
2021年1月15日終値時点のデータ
赤字見通しの為PERは算出不可、配当も未定です。仮に年間50円とした場合の利回りは約3.5%です。
パルグループホールディングス(2726)とは
パルグループホールディングスは傘下に「株式会社パル」、「株式会社ナイスクラップ」等を持つ東証1部上場企業です。主にヤングレディス衣料を多展開し、雑貨店『3コインズ』も展開しています。近年は特にEC(ネットショップ)を軸に成長しています。
パルグループの業績推移と株価チャート
次にパルグループの業績推移と株価チャートの推移を確認していきます。
売上高と経常利益の推移

売上利益が年々伸びていました。経常利益も伸び、2020年2月期は過去最高益の91.6億円となりました。しかし、2021年2月期は赤字予想です。
株価チャートの推移
下記はパルグループ5年分の週足株価チャートの推移です。

株価チャートは不安定な動きです。
2020年までは比較的上昇推移していましたが、2020年以降は業績悪化警戒により大きく下落。2021年1月の3Q決算発表時、業績が急回復したことで大きく上昇しています。
パルグループの配当推移と株主優待
次にパルグループの配当推移と株主優待制度を確認していきます。
配当金の推移
下記はパルグループの配当推移です、配当は期末(2月末)の一括配当としています。株式分割後の株数に換算した配当金額です。

2015年2月期:32.5円
2016年2月期:35円
2017年2月期:35円
2018年2月期:37.5円
2019年2月期:42.5円
2020年2月期:50円
2021年2月期:未定
株主還元の基本方針は、安定配当を継続することを利益還元の基本方針としています。過去10年減配は行っていません。しかし、2021年2月期は赤字見通しで配当を未定としているため減配する可能性があります。
株主優待について
パルグループの株主優待は「共通割引券(株主優待券)」です。2月末が権利確定日です。
保有株式数 | 株主優待券 |
---|---|
100株以上 | 2枚 |
200株以上 | 4枚 |
500株以上 | 6枚 |
1,000株以上 | 10枚 |
下記のいずれかで使うことができます。
- 自社グループ店舗、ECサイトでのご購入代金の15%を割引(優待券1枚についての購入金額の上限を10万円とし、セール商品は対象外)
- 宿泊施設「HOTELフリーゲート白浜」および「料理旅館 浜木綿くろしお山荘」での宿泊プラン料金の50%を割引(優待券1枚につき1泊4名様まで利用可能)
- 「鬼怒川温泉ホテル」を宿泊プラン料金の50%割引(2020年6月1日より実施)
オリジナル優待券は人気のモノも多いですが、割引券はあまり好まれない傾向です。パルグループの優待割引券も人気優待では無いです。株式分割後の株主優待は変更なしのため、実質拡充しています。
パルグループの決算内容と今後について
最後にパルグループの決算内容の確認と今後について見ていきます。
決算内容を確認
2021年1月13日の決算にて2021年2月期3Q累計(3-11月)の連結経常利益は12.2億円と発表。前年同期比84.7%減と大きく落ち込んでいますが、3Q単体では前年同期比で26.7%増と急回復しています。
今後について
近年はEC通販に資源を投入し不採算店舗の退店進めていました。2021年2月期は厳しい見通しですが、EC通販が好調で3Qで大きく業績が回復。通期の経常損益は9.4億円の赤字予想ですが、黒字に上方修正する可能性は高いです。
しかし、赤字は避けたとしても減益で配当がどうなるのか。今後の不透明感はまだあります。
2020年以降、上場来初の赤字警戒感から株価が下落していましたが、決算発表を受けて株価が大きく上昇。まだ下落前までの水準までは上昇しておらず、指標にも以前のような割高感はありません。