ハム・ソーセージ大手でプロ野球球団でもある日本ハム(2282)。株価は2020年に一時大きく下落しましたが、すぐに戻りレンジで推移しています。はたして今後の株価と配当はどうなるのか、業績推移・株価チャートを分析してみました。また、日本ハムは株主優待制度を実施しているので優待内容も確認していきます。
- 株価に割高感はなく、配当・優待利回りはやや高め
- 配当が大きく減る可能性は低め
- ブランド力は強いが、今後の業績不透明感はややある
日本ハムの事業内容と株価指標
はじめに日本ハムの事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:4,680円
予定年間配当:91円
年間配当利回り:1.94%
予想PER:18.4倍
PBR:1.13倍
2021年2月8日終値時点のデータ
株価指標に割高感は無いです。配当利回りは平均よりやや高めです。
日本ハム(2282)とは
日本ハム株式会社(にっぽんハム、NH Foods Ltd.)は、ハム・ソーセージ大手(伊藤ハム・プリマハム・丸大食品)の一角で、業界首位。1942年(昭和17年)に創業、プロ野球チーム北海道日本ハムファイターズの親会社でもある。
日本ハム – Wikipediaより一部抜粋
日本ハムは国内の食肉加工業界で売上1位です。
事業セグメントでは「食肉事業」が売上・利益の多くを生み出しています。他は「加工食品事業」、「ハム・ソーセージ事業」、海外へも積極的に展開しています。

日本ハムの業績推移と株価チャート
次に日本ハムの業績推移と株価チャートを確認していきます。
売上高と経常利益の推移

2019年3月期は調達コストの上昇、外国通貨安の影響で2度の下方修正を行い大きく利益減少。2020年3月期はさらに減益となりましたが、2021年3月期は持ち直す見通しです。
参考:連結財務データ|日本ハム
株価チャートの推移について
下記は日本ハム5年分の週足株価チャートの推移です。

2017年後半に業績下方修正が入り、先の見通しが厳しいとみられると株価は下落。その後は比較的レンジで推移。2020年に入り一時大きく下落しましたが、直ぐに戻りレンジで推移しています。
日本ハムの配当推移と株主優待
次に日本ハムの配当推移と株主優待制度について確認していきます。
配当推移について
下記は日本ハムの配当推移です。期末(3月)の一括配当としています。

2016年3月期:66円
2017年3月期:104円
2018年3月期:106円
2019年3月期:90円
2020年3月期:90円
2021年3月期:91円(予)
2021年3月期の配当は1円の増配予定です。
配当の基本方針は「DOEの考えを元に安定的かつ継続的な配当成長を目指す」です。2020年3月期の配当性向は48.2%、2021年3月期の予想配当性向は約36%です。
2019年3月期に減配しているので、今後も業績次第で配当が上下する可能性があります。しかし、DOEを基準としていることから仮に減配当となっても比較的限定される可能性は高いです。
参考:配当金|日本ハム
株主優待制度について
日本ハムの株主優待制度は「自社グループ商品」または「スポーツ観戦チケット」です。 毎年3月末と9月末が権利日です。
保有株式数 | 優待内容 |
---|---|
100株以上 500株未満 | 1,500円相当の自社グループ商品 or スポーツ関連グッズ |
500株以上 3年未満 | 5,000円相当の自社グループ商品 or スポーツ観戦チケット |
500株以上 3年~5年保有 | 7,500円相当の自社グループ商品 or スポーツ観戦チケット |
500株以上 5年以上 | 10,000円相当の自社グループ商品 or スポーツ観戦チケット |
100株保有で年間3,000円相当なので優待利回りは約0.6%です。
参考:株主優待情報|日本ハム
日本ハムの決算内容と今後について
最後に日本ハムの決算内容の確認と今後について考えてみます。
決算内容の確認
2021年2月1日の決算にて2021年3月期3Q累計(4-12月)の連結経常利益は443億円と発表。あわせて通期の同利益を380億円から390億円に上方修正しています。
今後について
2020年3月期は前期同様、収益力の低下が課題となりました。原料・原材料のコスト増をどのようにカバーするかが今後のポイントとなります。短期的には外食向けの業務用が厳しい中、量販店向けが好調で、2021年3月期の業績見通しは上方修正を行い想定より好調となる予想です。
しかし、2022年3月期はどこまで量販店向けが落ち込むか、外食向けが回復するか。見えにくい部分もあります。