自動車大手の日産自動車(7201)。
今後の株価と配当はどうなるのか、株価指標と業績推移、株価チャートと配当推移を確認してみました。株価は厳しめで推移していますが業績は回復しています。
- 業績悪化で無配当に転落したが回復推移
- 完全復活には時間がかかる可能性も
- 安い株価となる可能性があるが、当然リスクもある
日産自動車の株価情報と業績推移
日産自動車の株価情報と業績推移・株価チャートを確認していきます。
株価の指標
株価:511.6円
予想PER:6.36倍
PBR:0.39倍
予想EPS:80.41円
時価総額:2兆1,593億円
2023年5月19日終値時点のデータ
最新の株価参考:日産自動車(株)【7201】:Yahoo!ファイナンス
PBRは割安感が強いです。
業績の推移
下記は日産自動車の売上高・営業利益・経常利益・最終利益の推移です。

2019年3月期:3,191億円
2020年3月期:-6,712億円
2021年3月期:-4,487億円
2022年3月期:2,155億円
2023年3月期:2,219億円
2024年3月期:3,150億円(予)
2020年3月期は、欧米での落ち込みや為替の円高により大きく減収・減益に。2021年3月期も厳しくなり最終損益は連続赤字となりました。
2022年3月期、2023年3月期は黒字回復。2024年3月期は増益見通しとしています。
参考:財務・業績|日産自動車
株価のチャート
下記は日産自動車5年分の週足株価チャートです。

株価は2018年11月の事件以降に大きく下落。
2020年11月に赤字縮小、黒字見通しなどから底値から抜けましたが、まだまだ厳しくレンジ推移しています。
日産自動車の配当情報と株主優待
日産自動車の配当情報と株主優待制度を確認していきます。
配当金の情報
2024年3月期の予定年間配当:15円
予想年間配当利回り:2.93%
配当金の推移について
下記は日産自動車の配当金の推移です。

2019年3月期:57円
2020年3月期:10円
2021年3月期:0円
2022年3月期:5円
2023年3月期:10円
2024年3月期:15円(予)
2020年3月期は業績悪化で大きく配当を減額、2021年3月期は無配に転落。2022年3月期に復配し、増配していますが過去と比較すると厳しいです。
2023年3月期の配当性向は17.6%、2024年3月期の予想配当性向は約19%です。
参考:配当情報|日産
株主優待について
株主優待制度は「株主が紹介した人(株主本人含む)が日産車新車を購入」した場合に対象となります。
内容は「デジタルカタログギフト5,000円分」です(株主本人が購入の場合は10,000円分)。優待というよりは特典のような形で、公式サイトでも「紹介特典制度」としています。
日産自動車の事業内容と今後について
日産自動車の事業内容と財務情報の確認と今後について考えてみます。
日産自動車(7201)の概要
日産自動車株式会社(にっさんじどうしゃ、英語: Nissan Motor Co., Ltd.)は、日本の多国籍自動車メーカー。
北アメリカやヨーロッパなどの50か国では高級車ブランドのインフィニティ(Infiniti)、また新興国向けには低価格ブランドのダットサン(Datsun)を展開する。
日産自動車 – Wikipediaより抜粋
フランスのルノー、三菱自動車工業との3社でアライアンスを形成。
2018年11月19日に当時の代表取締役会長だったカルロスゴーン氏が金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で逮捕されました。
3カ月決算の実績
下記は日産自動車の連結最終利益の推移と前期との比較です。

2024年3月期の連結最終利益は3,150億円見通しとしています。
キャッシュフロー
下記は日産自動車のキャッシュ・フロー推移です。

日産自動車の今後について
2022年3月期は想定より回復が早く、期初は600億円の最終赤字予想でしたが、2,155億円の黒字まで大きく回復。
2023年3月期も増益となり業績が回復しています。
過去には大きな下落から復活
2008-2009年はリーマンショックの影響で業績悪化、無配当で大きく株価が下落しました。しかし、その後は復活しています。
同じように立て直すことができ、配当が過去と同水準に戻ったら「こんなに安く買えるチャンスがあった」となります。
保有する理由を考えるのが重要
「日産なら大丈夫、復活するから応援したい」という気持ちならば長期保有するのは良いですが、自動車業界は競争や新技術の展開などが激しく不透明感があります。
どの銘柄にも言えることですが、指標は参考程度で最終的には「その会社を応援できるか」が保有する重要なポイントと言えます。
株価が下落している、安値で推移しているのは「警戒ポイントが多い」と見ることもできます。