海運売上高国内トップの日本郵船(9101)の株価と配当が今後どうなるか分析してみました。業績低迷が続き株価は長期で下落していましたが、大きく業績上方修正を行い株価が上昇しています。
- 株価指標に割安感があり、年間配当利回りは平均以上
- 配当は業績に連動するため、今後も増配・減配する可能性が高い
- 株価は長期で下落だが需給改善で急上昇
日本郵船の事業内容と株価指標
はじめに日本郵船の事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:2,369円
予定年間配当:50円
年間配当利回り:2.11%
予想PER:11.4倍
PBR:0.85倍
2020年12月2日終値時点のデータ
株価指標は割安です。年間配当利回りは平均より若干高めのです。
日本郵船(9101)とは
日本郵船株式会社(にっぽんゆうせん、Nippon Yusen Kabushiki Kaisha)は、1885年(明治18年)9月29日に創立された船会社である。三菱財閥(三菱グループ)の中核企業であり、三菱重工とともに三菱グループの源流企業である。1893年(明治26年)12月15日に株式会社となった。
日本の3大海運会社の一つであり、戦後の株式特定銘柄12社の一つでもある。
日本郵船 – Wikipediaより抜粋
行っている事業は大きく分けると「一般貨物輸送事業」、「不定期専用船事業」、「その他事業」です。社名に「船」とあるように海運がメインですが空運、陸運など総合物流に展開しています。
日本郵船の業績推移と株価チャート
次に日本郵船の業績推移と株価チャートの推移を確認していきます。
売上高・経常利益の推移

売上は減少推移、利益も厳しい推移でしたが、2021年3月期は大きく上方修正して増益予想です。
株価チャートの推移
下記は日本郵船5年分の週足株価チャートの推移です。

株価も業績同様に長期で下落していましたが、2020年9月以降から大きく上昇しています。上昇している株価ですが、広めの期間で見ると目立って高くはないです。
日本郵船の配当推移と株主優待
次に日本郵船の配当推移と決算内容を確認していきます。
配当金の推移
下記は日本郵船の配当金の推移です。

2016年3月期:60円
2017年3月期:0円
2018年3月期:30円
2019年3月期:20円
2020年3月期:40円
2021年3月期:50円(予)
配当にはばらつきがあり、利益に応じた配当です。
配当方針として「連結配当性向25%を目安とし、業績の見通し等を総合的に勘案し利益配分を決定 」としています。2020年3月期の配当性向は21.7%、2021年3月期の予想配当性向は約24%です。
株主優待制度
日本郵船の株主優待は「飛鳥クルーズ10%割引優待券」、権利日は3月末です。
所有株式数 | 優待内容 |
---|---|
100株以上 | 優待券 3枚 |
500株以上 | 優待券 6枚 |
1,000株以上 | 優待券 10枚 |
優待による株価への影響はなさそうです。
日本郵船の決算内容と今後の株価
最後に日本郵船の決算内容と今後の株価について考えていきます。
決算内容について
2020年11月5日の決算にて2021年3月期2Q累計(4-9月)の連結経常利益は474億円と発表、あわせて通期の同利益を200億円から700億円に上方修正、年間配当は50円予定としています。
今後の株価について
為替の円安や燃料費(原油価格)の下落はプラス材料です。2021年3月期は業績悪化予想でしたが、大きく上方修正を行いかなり好調な利益予想です。
しかし、売上は年々減少しており、船運だけでなく空運や物流事業もこれまで良好とは言えなかったです。また、自己資本比率がやや低い点も不安材料の一つです。