炭素製品大手の日本カーボン(5302)。2018年12月期、2019年12月期は業績好調で大幅増配。その後、株価が下落したことで配当利回りが高いです。はたして今後の株価と配当はどうなるのか。業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。
- 配当利回りはかなり高いが減配する可能性も
- 業績急上昇から急悪化、株価も大きく上下
- 株価にはお得感があるが、当然リスクもある
日本カーボンの事業内容と株価指標
はじめに日本カーボンの事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:4,425円
予定年間配当:200円
年間配当利回り:4.5%
予想PER:24.5倍
PBR:1.11倍
2021年3月12日終値時点のデータ
PBRはやや割安です。年間配当利回りは高いです。
日本カーボン(5302)とは
日本カーボン株式会社(にっぽんカーボン、英文社名:Nippon Carbon Co., Ltd.)は、炭素製品の大手メーカーである。1927年、日本では初となる人造黒鉛電極の製造に成功する。
日本カーボン – Wikipediaより抜粋
日本カーボン株式会社は炭素製品の大手メーカーで、電炉向け電極、半導体やリチウムイオン電池向け製造を行っています。各製品を世界各国に輸出するとともに、海外企業と共同で用途開発を行うなど、積極的な世界市場展開を進めています。
日本カーボンの業績推移と株価チャート
次に日本カーボンの業績推移と株価チャートを確認していきます。
売上高と経常利益の推移

2018年12月期、当初の経常利益予測は70億円でしたが半導体市場の好調を受けて最終的に165億円と大幅増益に。しかし、2019年12月期は下方修正を行い減収・減益、2020年12月期は大きく減収・減益と厳しくなりました。
株価チャートの推移
下記は日本カーボン5年分の週足株価チャートの推移です。

業績上方修正・半導体需要増加の期待から、2018年10月頃までは大きく株価が上昇。その後は業績伸び悩みから株価が下落、2020年3月以降はなだらかに上昇しています。業績見通しがやや厳しめのため、ここから更に株価を伸ばすには新たな好材料がないと厳しいのが想定されます。
日本カーボンの配当推移と決算内容
次に日本カーボンの配当推移と決算内容を確認していきます。
配当金の推移
下記は日本カーボンの配当金の推移です。年2回、中間配当(6月)と期末配当(12月)を実施しています。

2016年12月期:50円
2017年12月期:50円
2018年12月期:100円
2019年12月期:200円
2020年12月期:200円
2021年12月期:200円(予)
2019年12月期に年間配当200円に大幅増配しています。
配当方針は「収益状況に対応した配当を行うことを基本としつつ、収益基盤の確保・強化のため内部留保の充実、財務体質の強化により、将来における安定した配当の維持」です。
配当性向は2019年12月期が22.8%、2020年12月期が122%、2021年12月期の予想は約110%とかなり高くなる見通しの為、今後、減配する可能性も考えられます。
決算内容を確認
2021年2月10日の決算にて2020年12月期の連結経常利益は35.8億円と発表。2021年12月期は36億円見通し、年間配当は据え置きの200円予定としています。
日本カーボンの今後の株価について
最後に日本カーボンの今後の株価について考えてみます。
今後について
2018年12月期、2019年12月期と業績好調で大幅増配しました。しかし、2020年12月期はかなり厳しくなり、2021年12月期の回復期待値も現状では小さめです。半導体需要の停滞や為替の影響など不透明感もあります。
現在の配当水準を維持できれば安い株価ですが、配当性向は100%を超えています。当然、何年も維持することは難しいため、利益の回復が必要となります。