PC周辺機器メーカのエレコム(6750)。業績好調で連続増配当、株価も上昇推移しています。果たして今後のエレコムの株価と配当はどうなるのか。業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。
- 株価指標は割高、配当・優待の利回りは低め
- 業績好調で連続増収・増益を継続、配当も連続増配
- 今後の需要は大きいが競争は激しくなる
エレコムの事業内容と株価指標
はじめにエレコムの事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:4,870円
予定年間配当:66円
年間配当利回り:1.36%
予想PER:22.4倍
PBR:3.12倍
2020年11月27日終値時点のデータ
株価が上昇しているのもあり株価指標は割高です。年間の配当利回りは低めです。
エレコム(6750)とは
バッファローやアイ・オー・データと並ぶ日本におけるIT機器大手。マウス、キーボードをはじめとする13部門において業界トップシェアを誇っており、スマホ関連にも強い。近年はBtoCからBtoBへ大きく経営の舵を切っており、M&A巧者で法人向けを強化。中国、東南アジアを中心に海外展開も積極的に行っている。
当社グループは自社で生産設備を持たないファブレスメーカーである。国内外から7,000点以上の製品を調達し、特に海外調達を積極的に推進している。仕入先の選定においては、品質、コスト、供給体制を総合的に勘案して選定し、特に品質に厳しい基準を設け、一定のレベル以上の「売れる商品」を供給し続けている。
エレコム – Wikipediaより抜粋
「パソコン関連」、「スマートフォン・タブレット関連」、「周辺機器」が主な事業領域です。パソコン周辺製品から総合デジタル周辺製品メーカーへ事業拡大をしています。
エレコムの業績推移と株価チャート
次にエレコムの業績推移と株価チャートの推移を確認していきます。
売上高・経常利益の推移

売上、利益ともに右肩上がりに推移し好調です。2021年3月期も過去最高を更新する見通しです。
株価チャートの推移
下記はエレコム5年分の週足株価チャートの推移です。

株価は長期で上昇推移しています。2020年に入り、一時的に下落しましたが、その後すぐに戻り、過去最高値を更新。約2年で株価は2倍です。
エレコムの配当推移と株主優待
次にエレコムの配当金の推移と株主優待制度を確認していきます。
配当金の推移
下記はエレコムの配当金の推移です。年2回、中間配当(9月)と期末配当(3月)を実施しています。

2016年3月期:40円
2017年3月期:45円
2018年3月期:50円
2019年3月期:56円
2020年3月期:61円
2021年3月期:66円(予)
配当は連続増配推移です。
配当方針として「親会社株主に帰属する当期純利益(連結)に対して30%以上の配当性向を目標として配当額を決定」としています。2020年3月期の配当性向は27.1%、2021年3月期の予想配当性向は30約%なので問題ない水準です。
株主優待制度
エレコムの株主優待は「QUOカード」と「自社製品」です。
保有株式数 | 優待内容 |
---|---|
100株以上 | 1,000円相当QUOカード(3月・9月) 2,000円相当自社製品(3月) |
1,000株以上 | 1,000円相当QUOカード(3月・9月) 5,000円相当自社製品(3月) |
100株保有で年間4,000円相当なので優待利回りは約0.8%です。
エレコムの決算内容と今後の株価について
最後にエレコムの決算内容確認と今後の株価について考えていきます。
決算内容について
2020年11月5日の決算にて2021年3月期2Q累計(4-9月)の連結経常利益は75.8億円と発表、前年同期比14.0%増、通期計画の142億円に対する進捗率は53.4%です。
今後の株価について
今後はテレワークの拡大、政府によるGIGAスクール構想(児童1人に1台のコンピュータ、高速回線整備。簡単に言うと紙と鉛筆からPCへ)などもあり需要は確実に拡大していくため、業績はまだまだ伸びる可能性が高いです。
しかし、競合他社も多いため価格競争になると利益が想定より伸びない可能性もあります。また、海外から製品を調達しているため為替変動などのリスクを抱えます。株価指標を見るとある程度業績が伸びると想定される株価まで上昇しています。
株価は一度上がり始めると指標の割高さは関係なしに上がり続けることが多いですが、一生上がり続けることはありません。どこかで必ず上昇が止まります。もちろん、それがいつかを見極めるのはかなり難しいです。