回転すしチェーンを展開するくら寿司(2695)。株価は業績悪化により下落していましたが、もちなおして上昇しています。果たして今後の株価と配当はどうなるのか。業績推移、株価チャート・配当推移を分析してみました。また、くら寿司は株主優待を実施しているので、優待内容と利回りも確認していきます。
- 株主優待・配当を合わせた年間利回りは低い
- 売上は好調だか利益は出店・人件費増などの影響で若干の伸び悩み
- 競合も強く、国内で大きく伸ばすのは厳しく海外でどこまで伸ばせるか
くら寿司の事業内容と株価指標
はじめにくら寿司の事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:6,400円
予想年間配当:40円
年間配当利回り:0.62%
予想PER:—
PBR:2.87倍
2020年12月18日終値時点のデータ
PBRは割高ですが、外食優待銘柄では割とある水準です。配当利回りもありがちな低めです。
くら寿司(2695)とは
くら寿司株式会社(くらずし、英: Kura Sushi,Inc.)は、回転寿司チェーンストアの「無添くら寿司」を展開し、全国各地に340店以上の店舗を持つ。
東証1部に上場・株式公開し「無添くら寿司」の他、近畿圏に和食レストラン「無添蔵」を展開。
くら寿司 – Wikipediaより抜粋
収益の柱は回転寿司の「無添くら寿司」で全国に展開しています。アメリカ・台湾へも進出し、この先も海外出店を加速させますが、まだまだメインは国内です。
くら寿司の株主優待と配当推移
次にくら寿司の株主優待制度と配当金の推移を確認していきます。
株主優待制度について
くら寿司の株主優待は「店舗で使える優待券」です。毎年4月末が権利日です。
保有株式数 | 優待内容 |
---|---|
100株以上 | 食事券2,500円分 (500円券×5枚) |
200株以上 | 食事券5,000円分 (500円券×10枚) |
500株以上 | 食事券10,000円分 (500円券×20枚) |
200株以上の場合は優待券に代えて優待品(海産物等)を選択することもできます。100株保有で年間2,500円分なので優待利回りは約0.4%です。
配当金の推移について
下記はくら寿司の配当金の推移です。期末(10月)の一括配当を実施しています。

2016年10月期:20円
2017年10月期:30円
2018年10月期:30円
2019年10月期:40円
2020年10月期:40円
2021年10月期:40円(予)
2019年10月期の配当はKura Sushi USAがNASDAQに上場した記念として特別配当10円を実施、普通配当は30円です。
2019年10月期の配当性向は20.9%、2020年10月期は最終赤字でしたが配当を維持しています。2021年10月期も据え置き予定ですが、見えにくさはあります。
くら寿司の業績推移と株価チャート
次にくら寿司の業績推移と株価チャートを確認していきます。
売上高と経常利益の推移

売上は右肩上がりですが、利益は2019年10月期に当初の計画を達成できずに業績下方修正を行い減益。2020年10月期は経常利益63億円増益見通しから大きく悪化しました。逆にここまでで耐えることが出来たという見方もできます。
株価チャートの推移
下記はくら寿司5年分の週足株価チャートの推移です。

株価は業績好調な2018年中旬までは上昇していました、その後は材料出尽くし、割高感や厳しい決算の影響から株価が下落。
2020年10月期は増益見通しや若干薄れた割高感から株価が上昇する気配が出ていましたが、自粛要請などによる業績への影響などで再び株価が大きく下落。現在は警戒感が和らいだことで上昇しています。
くら寿司の決算と今後について
最後にくら寿司の決算内容の確認と今後について考えていきます。
決算内容を確認
2020年12月2日の決算にて2020年10月期の連結経常利益は11.3億円と発表、前期比81.5%減となりました。2021年10月期は配当据置予定以外は非開示です。
今後について
「回転寿司チェーン」は国内だと競合他社の力も強く、既存店の売上高・客数は前年割れすることが多いです。しかし、NASDAQへ上場するなど海外に積極的に展開し好調です。
決算は厳しかったですが、月次報告書では2020年9月以降の売り上げが昨対比で100%超えています。もちろん、まだ安心できないですが、ここから業績が復活する可能性も十分に考えられます。