回転すしチェーンを展開するくら寿司(2695)。今後の株価と配当はどうなるのか、業績推移、株価チャート・配当推移を分析してみました。また、株主優待を確認していきます。
- 優待は実質増額、利回り上昇
- 株価は下落が落ち着きレンジ推移
- コスト上昇をどこまで吸収できるか
くら寿司の株価情報と業績推移
くら寿司の株価情報と業績推移を見ていきます。
株価指標
株価:3,260円
予想PER:117.77倍
PBR:2.67倍
予想EPS:27.68円
時価総額:1,350億円
2023年3月31日終値時点のデータ。
最新の株価参考:くら寿司(株)【2695】:Yahoo!ファイナンス
PERは割高感が強いです。
業績の推移
下記はくら寿司の売上高・営業利益・経常利益・最終利益の推移です。

2020年10月期は取り巻く環境の悪化で大きく減益で最終赤字に、2021年10月期は営業損益が赤字でしたが、時短協力金の計上で経常利益は回復。
2022年10月期は営業損益が連続赤字、2023年10月期は大きく回復見通しとしています。
株価の推移
下記はくら寿司5年分の週足株価チャートです。

株価は2020年3月に自粛要請などによる業績悪化警戒などから大きく下落。2020年4月からは株式分割による実質的な優待拡充、業績回復期待などで大きく上昇推移。
2021年7月から下落、短期ではレンジ推移しています。
くら寿司の配当情報と株主優待
くら寿司の配当情報と株主優待制度を見ていきます。
配当情報
2023年10月期の予定年間配当:20円
予想年間配当利回り:0.61%
配当金の推移
下記はくら寿司の配当金推移です。期末(10月)の一括配当を実施しています。

2018年10月期:15円
2019年10月期:20円
2020年10月期:20円
2021年10月期:20円
2022年10月期:20円
2023年10月期:20円
配当は据え置き推移です。
配当性向は2022年10月期が106.6%、2023年10月期の予想が約72%です。
株主優待について
株主優待制度は「店舗で使える優待券」、優待権利月は4月です。
保有株式数 | 優待内容 |
---|---|
100株~199株 | 2,500円分の優待割引券 |
200株~399株 | 5,000円分の優待割引券 |
400株~999株 | 10,000円分の優待割引券 |
1,000株以上 | 20,000円分の優待割引券 |
電子チケットの場合、+2500円分です。1,000円ごとに500円分利用できる「割引券」なので注意が必要です。
優待利回り
100株保有で5,000円相当とすると優待利回りは約1.5%です。
くら寿司の事業・決算内容と今後について
くら寿司の事業・決算内容の確認と今後について考えてみます。
くら寿司(2695)とは
くら寿司株式会社(くらずし、英: Kura Sushi,Inc.)は、回転寿司チェーンストアの「無添くら寿司」を展開し、47都道府県全てに店舗を持つ。
「無添くら寿司」の他、近畿圏に和食レストラン「無添蔵」や「くら天然魚市場」を展開。
くら寿司 – Wikipediaより抜粋
収益の柱は回転寿司の「無添くら寿司」で全国に展開しています。アメリカ・台湾へも進出し海外出店を加速させていますが、まだまだメインは国内です。
決算内容を確認
2022年10月期の連結営業損益は11.1億円の赤字と発表。2023年10月期の同利益は30億円の黒字見通し、年間配当は20円予定としています。(2022年12月12日の決算発表にて)
2023年10月期1Q決算
2023年10月期1Q(11月-1月)の連結経常損益は7.4億円の赤字と発表、前年同期は26.5億円の黒字の為、赤字転落しています。(2023年3月10日の決算発表にて)
今後について
売上は大きく回復していますが、人件費や調達価格の高騰などにより厳しい利益です。今後は価格改定などにより、業績が回復する可能性も十分に考えられますが、どこまで回復するか不透明感もあります。
株価下落の要因
「最悪期は抜けたとの見方」や「株式分割による実質的な優待金額倍増」など、さまざま影響で株価が上昇していました。しかし、原材料費高騰・人件費などのコスト面の不安材料から下落場面も出ています。
競争
2022年4月末の株主優待から電子チケット化して金額を追加、利回りが上昇しています。しかし、「回転寿司チェーン」は国内競合他社の力も強く競争もあります。