化学品大手のクラレ(3405)。今後の株価・配当はどうなるのか、業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。また、株主優待制度も確認していきます。
- 割安感あり・高配当利回り
- 株価は下落後、安値で推移
- 現状の株主優待はお得度低め
クラレの株価情報と業績推移
クラレの株価情報と業績推移を見ていきます。
株価指標
株価:1,064円
予想PER:7.49倍
PBR:0.53倍
予想EPS:142.08円
時価総額:3,776億円
2022年11月18日終値時点のデータ。
最新の株価参考:(株)クラレ【3405】:Yahoo!ファイナンス
同業種と比較しても、やや割安感があります。
売上高と利益の推移
下記はクラレの売上高・営業利益・経常利益・最終利益の推移です。

連続減益推移で厳しい動きでしたが、2021年12月期は増収・増益で回復。
2022年12月期は更に増収・増益見通しで過去最高益を更新予定としています。
株価の推移
下記はクラレ5年分の週足株価チャートです。

株価は2018年に業績見通しが悪くなったことで下落が始まり、2019年には業績下方修正に加えて買収に伴うのれん償却、プランティック事業や米国工場火災に係る損失を計上したことでさらに下落。
2020年3月以降で見ると、1,000円あたりを下値に下げ渋っていますが、大きく上昇する気配も無いです。
クラレの配当情報と株主優待
クラレの配当情報と株主優待制度を見ていきます。
配当情報
2022年12月期の予定年間配当:42円
予想年間配当利回り:3.95%
配当利回りは高いです。
配当金の推移
下記はクラレの配当金推移です。配当権利日は、6月(中間配当)と12月(期末配当)です。

2017年12月期:42円
2018年12月期:42円
2019年12月期:42円
2020年12月期:40円
2021年12月期:40円
2022年12月期:42円(予)
2022年12月期の配当は年間42円に戻る予定としています。
配当性向は2021年12月期が36.9%、2022年12月期の予想が約29%です。
利益配分方針の確認
配当方針は「総還元性向を35%以上、一株当たり配当金40円以上を目標」としています。2019年12月期は特別損失額が大きく、最終損益が赤字でしたが配当は維持しています。
参考:株主還元|kuraray
株主優待制度について
クラレの株主優待は「オリジナルカタログギフト」です。優待権利月は12月、1,000株以上保有で対象です。
保有株式数 | 優待内容 |
---|---|
1,000株以上 3年未満 | オリジナルカタログギフト (3,000円相当) |
1,000株以上 3年以上 | オリジナルカタログギフト (10,000円相当) |
「1,000株保有で対象」と少しハードルが高いです。
優待利回り
1,000株保有で年間3,000円分とした場合、優待利回りは約0.3%です。
株主優待制度を導入して日が浅いので、拡充や変更があると、おいしい優待となる可能性はあります。もちろん、どの優待にも言えますが廃止する可能性が無いとも言えないです。
クラレの事業・決算内容と今後について
クラレの事業・決算内容の確認と今後について考えてみます。
クラレ(3405)とは
株式会社クラレ(英: KURARAY CO.,LTD)は、高機能樹脂や繊維製品などを製造販売する日本の大手化学メーカーである。
「マジックテープ」(一般名:面ファスナー)はクラレの登録商標である。海外での売上高の割合が年々高まっている。
クラレ – Wikipediaより抜粋
クラレは大手化学品メーカで、機能性樹脂など多数製品で高いシェアを持っています。
2018年5月に米工場で火災事故が発生、2019年7-9月期に140億円を特別損失として計上した後、新たに340億円を特別損失として計上しています。
決算内容を時系列に確認
2022年2月9日に決算発表。
2021年12月期の連結経常利益は687億円と発表。2022年12月期の同利益は690億円見通し、年間配当は42円予定としています。
2022年12月期1Q決算
2022年5月12日に決算発表。
2022年12月期1Q(1-3月)の連結経常利益は222億円と発表。また、通期の同利益を690億円予想から750億円予想に上方修正しています。
2022年12月期2Q決算
2022年8月10日に決算発表。
2022年12月期2Q累計(1-6月)の連結経常利益は378億円と発表、前年同期比33%増となりました。
2022年12月期3Q決算
2022年11月9日に決算発表。
2022年12月期3Q累計(1-9月)の連結経常利益は700億円と発表、前年同期比37.4%増となりました。
今後について
2019年12月期の最終損益は特別損失の影響で赤字となりましたが、その後は回復し2022年12月期は上方修正を行い過去最高益を更新する見通しです。
プラス材料
樹脂事業で世界トップシェア、新素材で高い競争力と独自性を持っているので潜在的な能力は高いです。また、2022年12月期は想定以上の好調さを見せています。
リスク要因
業績は回復していますが不透明感・警戒感から株価が上昇していないです。海外売上高比率が高いため、為替変動やさまざまな原材料・燃料価格が業績に影響します。