「かっぱ寿司」を全国展開するカッパ・クリエイト(7421)。今後の株価と配当はどうなるのか、業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。また、株主優待制度も見ていきます。
- 割高感あり、優待利回りは高い
- 売上伸び悩み、利益も厳しい推移
- 黒字回復見込みも不透明感あり
カッパ寿司の株価情報と業績推移
カッパ・クリエイトの株価情報と業績推移を見ていきます。
株価指標
株価:1,363円
予想PER:125.85倍
PBR:6.32倍
予想EPS:10.83円
時価総額:674億円
2022年11月11日終値時点のデータ。
最新の株価参考:カッパ・クリエイト(株)【7421】:Yahoo!ファイナンス
PER、PBRともに外食優待銘柄と考えても割高感があります。
売上高と利益の推移
下記はカッパ・クリエイトの売上高・営業利益・経常利益・最終利益の推移です。

2021年3月期は取り巻く環境の厳しさもあり大きく赤字に。2022年3月期は黒字回復を見込んでいましたが、営業利益・経常利益が連続赤字となりました。
2023年3月期は黒字回復見通しとしています。
株価の推移
下記はカッパ・クリエイト5年分の週足株価チャートです。

株価は一時的に上昇・下落する場面もありますが、長期で見ると比較的レンジで推移しています。
2021年4月以降は下落気味に推移。2022年10月は書類送検された影響で下落しています。
カッパ寿司の配当情報と株主優待
カッパ・クリエイトの配当情報と株主優待制度を見ていきます。
配当金の推移
下記はカッパ・クリエイトの配当金推移です。

2018年3月期:5円
2019年3月期:5円
2020年3月期:0円
2021年3月期:0円
2022年3月期:0円
2023年3月期:未定
配当金は2020年3月期から2022年3月期は連続無配です。
2023年3月期の配当は未定としていますが、引き続き厳しくなる可能性も想定されます。
株主優待制度について
カッパクリエイトの株主優待は店舗で使える「株主優待カードのポイント」です。優待権利月は、3月と9月の年2回です。
保有株式数 | 優待内容 |
---|---|
100株以上 1,000株未満 | 3,000ポイント(3,000円分) |
1,000株以上 2,000株未満 | 6,000ポイント(6,000円分) |
2,000株以上 | 12,000ポイント(12,000円分) |
優待利回り
100株保有で年間6,000円分とした場合、優待利回りは約4.4%と高いです。
カッパ寿司の事業・決算内容と今後について
カッパ・クリエイトの事業・決算内容の確認と今後について考えてみます。
カッパ・クリエイト(7421)とは
かっぱ寿司(かっぱずし)は、カッパ・クリエイト株式会社が運営する回転寿司チェーン。コロワイドグループに属する。
かつては業界首位であったが、2011年スシローに抜かれた後はくら寿司、はま寿司にも抜かれ業界4位に転落。2014年にコロワイドに買収され、立て直しを図った。
かっぱ寿司 – Wikipediaより抜粋
寿司を一律100円にしたことで業界首位に上り詰めました。しかし、「原価率圧縮の影響による品質低下」に加えて「同業他社が力を付けた」ことで売上・利益が減少。
現在はコロワイドの連結子会社として立て直しを行っています。
決算内容を時系列に確認
2022年5月11日に決算発表。
2022年3月期の連結経常損益は18.8億円の赤字と発表。2023年3月期の同利益は19.9億円の黒字見通し、年間配当は未定としています。
2023年3月期1Q決算
2022年8月1日に決算発表。
2023年3月期1Q(4-6月)の連結経常損益は2.9億円の赤字と発表、前年同期は10.4億円の赤字なので赤字幅が縮小しています。
2023年3月期2Q決算
2022年11月8日に決算発表。
2023年3月期2Q累計(4-9月)の連結経常損益は7.2億円の赤字と発表。また、通期の同損益を19.9億円の黒字予想から9.7億円の黒字予想に下方修正しています。
今後について
2022年3月期は黒字回復を見込んでいましたが、厳しい状況が続き連続赤字となりました。
2023年3月期は黒字回復見通しとしていますが、原材料・原料価格などのコスト増などの影響もあり業績見通しを下方修正し、まだまだ不透明感は強いです。
警戒感について
2021年3月期は多くの外食銘柄が厳しくなりましたが、2022年3月期は回復した銘柄も多く出ています。そこを考えると、まだ苦戦をしていると見えます。
また、はま寿司からの「不正競争防止法にまつわる告訴」があり、2021年6月28日には本社が家宅捜索、その後も関係者の逮捕などで警戒感から株価が下落するタイミングが出ています。
業績回復の期待について
2017年3月以降、廃棄ロスの軽減・省人化により利益率を高め業績が回復していました。
今後、需要が回復すれば利益も回復していく可能性はありますが、株主優待の影響もあり株価はあまり下落しておらず、指標には割高感があります。