国内通信事業で最大手のNTT(日本電信電話)(9432)。配当は連続増配で利回りが高いです。果たして今後の株価と配当はどうなるのか。業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。
- 株価指標には割安感があり、年間配当利回りは高め
- 減益だが増配しているため配当性向がやや高めで推移
- 株価は長期で比較的安定推移している
NTTの事業内容と株価指標
はじめにNTTの事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:2,550円
予定年間配当:100円
年間配当利回り:3.92%
予想PER:11倍
PBR:0.97倍
2020年12月8日終値時点のデータ
株価指標は割安感があります。配当利回りは高めです。
NTT(日本電信電話)(9432)とは
日本電信電話株式会社(にっぽんでんしんでんわ、英語: Nippon Telegraph and Telephone Corporation、略称: NTT)は、日本電信電話株式会社等に関する法律(NTT法)に基づき、通信事業を主体とする企業集団であるNTTグループの持株会社として設立された特殊会社。
持株会社はグループ会社を統括する経営統括機能のほか、自社内に規模的にも技術的にも世界屈指の研究所を擁する。NTTの研究開発部門はグループ企業の事業用技術開発だけに留まらず、通信分野の技術標準化、学術研究、オープンソースソフトウェア(OSS)にも大きく貢献している。
企業集団としてのNTTは有線通信事業、移動体通信事業、インターネット関連事業、情報システム・情報処理事業の情報通信関係が大きく、最近は海外での情報システム構築事業、国内の都市開発、電力エネルギー事業にも力を入れている。
日本電信電話 – Wikipediaより抜粋
NTTは国内通信会社最大手です。主な子会社は「東日本電信電話」と「西日本電子電話」、「NTTコミュニケーションズ」、「NTTドコモ」、「NTTデータ」などです。
また、NTT株は法律(通称NTT法)により日本国政府(財務大臣)が発行済み株式数の3分の1を保有すると決められています。
参考:事業紹介|NTT
NTTの業績推移と配当推移
次にNTTの業績推移と配当推移を確認していきます。
売上高と経常利益の推移

2018年3月期は過去最高益を更新、好調に利益が推移していましたがその後は連続減益です。2021年3月期は微増ですが増益予想です。
配当金の推移
下記はNTTの配当金の推移です。年2回、中間配当(9月)と期末配当(3月)を実施しています。株式分割後に株数に換算してあります。

2016年3月期:55円
2017年3月期:60円
2018年3月期:75円
2019年3月期:90円
2020年3月期:95円
2021年3月期:100円(予)
配当金は増配推移です。
配当方針として「安定性・継続性に配意しつつ、業績動向、財務状況および配当性向等を総合的に勘案」としています。配当性向は2019年3月期が40.9%、2020年3月期が41.1%、2021年3月期の予想配当性向は約43%です。以前は30%台なので高めで推移しています。
参考:株主還元|NTT
NTTの株価チャートと株主優待
次にNTTの株価チャートと株主優待制度を確認していきます。
株価チャートの推移
下記はNTT5年分の週足株価チャートの推移です。

株価は比較的安定推移(レンジ推移)です。
直近5年でみると最安値が2,000円、最高値で3,000円に届かない範囲で推移しています。現在の株価は中間の位置にあるため、ここから上昇しても下落しても不思議ではない位置です。メドとしてはもちろん下値は2,000円、上値は3,000円です。
株主優待制度について
NTTの株主優待は「dポイント」です。3月末が権利日です。
所有株式数 | 優待内容 |
---|---|
100株以上 継続2年目 | dポイント 1,500ポイント |
100株以上 継続5年目 | dポイント 3,000ポイント |
継続保有の条件があり、100株保有で1,500円相当なので優待利回りは約0.6%と低く、配当に力を入れている印象です。
NTTの決算内容と今後の株価について
最後にNTTの決算内容確認と今後の株価上昇ポイントと下落ポイントを考えていきます。
決算内容について
2020年11月6日の決算にて2021年3月期2Q累計(4-9月)の連結経常利益は1兆50億円と発表、前年同期比0.3%増、通期計画の1兆5860億円に対する進捗率は63.4%となりました。
今後について
株価指標に割安感があり連続増配当、年間配当利回りが高いのはプラス材料です。政府保有株と言う一定の安心感もあります。
NTTドコモをTOBで完全子会社化し、主力である携帯電話などの通信事業を強化していきますが、競争の激化やサービスの多様化・高度化などにより、厳しい状況です。設備投資・研究開発費などのコストや法規制などが何処まで業績に影響するか見えない部分もあります。