JT(日本たばこ産業)の株価はどこまで下がるのか、高配当だが気になる点が多い【2914】

配当利回りの高い株、お得な株主優待銘柄として取り上げられることが多いJT(2914)ですが、これから株価・配当はどうなるのかを株価指標や業績・配当推移から考えてみました。

結論から先に言うと、ここからの下値は比較的堅いが大きく上昇するための材料は少ないと考えています。

  • JTの株価指標と配当、株主優待について
  • JTを買って良いと考える点(高配当と政府保有)
  • JTを買ってはいけないと考える点(業績推移と株価チャート)
  • 最新の業績と今後の見通しについて

株価指標と配当利回り、株主優待について

まずはじめにJTの株価指標と配当、株主優待について見ていきます。

株価指標と配当利回りについて

現在の株価:2427.5円

予定年間配当:154円

年間配当利回り:約6.3%

予想PER:12.7倍、PBRは1.7倍

指標の上ではPERは若干の割安、PBRはやや割高という感じです。どちらも大きな問題ではない水準です。

※株価は2019年11月1日終値時点

配当推移について

下記はJTの配当推移です。

2014年12月期2015年12月期2016年12月期2017年12月期2018年12月期2019年12月期(予)
100円118円130円140円150円154円

JTの配当はここ数年は増配傾向で10年以上減配していません。高配当利回りと減配していない事実は株価の下支えになることが多いです

2019年12月期ですが中間配当77円(権利日6月末)、期末配当77円(権利日12月末)の1株当たり合計154円の予定です。配当性向は約80%となる見込みで過去の水準と比較してもかなり上昇してきています。

参考:配当情報|JT公式サイト

株主優待について

JTの株主優待ですが、保有株式数に応じた「自社、および自社グループの商品詰め合わせ」をいただくことができます。

1年以上継続して保有、権利月は12月末です。

所有株式数優待品
100株~200株2,500円相当の商品詰め合わせ
200株~1,000株4,500円相当の商品詰め合わせ
1,000株~2,000株7,000円相当の商品詰め合わせ
2,000株以上13,500円相当の商品詰め合わせ

JTの株主優待制度ですが2019年7月に変更しました。

従来は100株保有で1,000円相当を年に2回でしたが、現在は1年以上継続保有、100株保有で2,500円相当を年に1回となっています。

改悪という声もありますが、変更内容を見ると長期保有者にとっては良い変更になっています。企業側も年に1回、長期保有限定にすることで負担が少し減るのではという印象です。

優待利回りに換算すると100株保有(242,750円)で年間2,500円相当なので約1%です。

参考:株主優待|JT公式サイト

JT株を買って良いと考える点について

次にJTを買って良いと考える点についてです

下値の支えとなる配当と株主優待

JTの株主優待では「パックご飯」や「カップラーメン」など自社グループ製品をいただくことができます。その他にもカレンダー、プルームキットがもらえるときもあります。

そして、なにより現在の配当は年間利回りで約6.3%です。優待と合わせると利回りは7%を超えてきます

株主優待制度を変更し長期保有の条件が追加されたため、長期保有する人が一定数いると考えられます。

JT株の安全性について

JTの筆頭株主は財務大臣です。

以前は発行済み株式の50%近く保有していましたが、現在は33%を保有しています。(法律でJT株の3分の1以上を政府が保有する事になっています)

このことから、よほどのことがない限り紙くずになったり暴落する可能性が低い比較的安全な株といえます。とはいえ、100%安全という株は存在しないです。一昔前、絶対安全な株と言われていた電力会社株が暴落した例もあるので投資に絶対はないです。

とはいえ、ある意味政府保証がついている株という点で他の株に比べれば安全と言えそうです。

JT株を買って良くないと考える点

株式投資で一番重要なのは、「この先どうなるか」ということです。

今の配当がよくて優待があっても「企業が利益を上げることができなければ衰退して、株価は下落し、配当はいずれ出せなくなります」これは誰が株主でもどんな銘柄にも言えることです。

業績推移について

下記はJTの売上高・最終利益の推移です

売上はあまり変わらず、利益は減少傾向です。

現在のJTは事業の多角化を進めていますが、売り上げは海外タバコが半分以上、国内タバコを含めると80%をこえていることから、まだまだ当面の主力はタバコです。

日本国内ではタバコ人口の減少、たばこ税・消費税増税による値上げの影響が大きく年々販売数が減少しています。加えて電子タバコへの遅れなどで厳しいのが現実です。

日本を含め先進国ではタバコの消費量が年々減っています、そのため海外たばこ事業をM&Aで取得し事業拡大をしています。 途上国では嗜好品として好まれ、伸びる可能性はあります。しかし海外に売り上げを依存するのは突発的な怖さがあります。

株価チャートについて

下記はJTの約3年分の週足の株価チャートです。

株価は下落トレンドで推移しています。ここ数カ月は相場全体の上昇の効果もあり若干持ち直してはいます。

株価は下がっていると買いたくなるものですが、底値を狙うのはかなり難しいです。どこが底値だったのかは後になってからしかわからないです。これは株価の天井についても同じことが言えます。

高い配当性向について

利益はここ数年下落している中で配当を増やしています。そのため配当性向は年々上がっており、2019年12月期の予測は約80%です。株主優待も実施していることを考慮すると、この配当性向は少々高いと感じられます。

高配当と株主優待が会社の成長を鈍化させている原因の一つとなっているとも考えられます。いきなり大きく減配する可能性は低いとは思いますが、現状の利益推移では増配を続けるのは難しくなると考えられます。

最近の業績と今後について

最後に直近の業績と今後について考えてみます。

最近の業績を確認

2019年10月31日の決算にて2019年12月期第3四半期累計(1-9月)の連結最終利益は3,161億円と発表、あわせて通期の同利益を従来予想の3,600億円から3,400億円に下方修正しました。

4期連続減益となる見込みで厳しい状況が続いています。

今後について

現在のJT株は年間配当利回りが6%超えている政府保有株ということである程度の安心感があるかもしれません。

しかし、電子タバコが今後どうなるか、海外たばこ事業がどうなるかなど不確定要素は多いです。日本の外食店でも全面禁煙化が進んでいます。

近い将来に「株価が倍になるか」と言われると、タバコ中心の現状ではかなり厳しいと考えています。しかし、「株価が半分になるか」と言われると、それもよほどのことがない限りなさそうと考えられます。

また、日本人はタバコに厳しい人が多いですが、実に多くの人がJT株を保有しています。

JT株に限らないですが、株を保有する場合は今の「優待」や「配当」だけを見るのではなく、まず「その企業が何をしているのか」「その企業が行っている事業を応援できるか」「しっかり利益を上げることができるのか」を考えることが重要です。

配当利回りが5%を越えた頃からJT株に注目が集まりましたが、それでも株価の下落は止まらず現在にいたります。6%を超え再度注目が集まっていますが不透明感は強いです。

個人的には、まだ利益につながっていないですが医療事業、食品事業の今後には期待しています。

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