JT(2914)が配当利回り6%超えの高配当、今後の株価はどうなる?

配当利回りの高い株、お得な株主優待銘柄として取り上げられることが多いJT(2914)について、株価はどうなるのか、配当はどうなるのかを各指標や配当推移から考えてみます。

結論から先に言うと現在の株価は下落傾向ですが、ここからの下値は比較的堅いが大きく上昇するための材料は少ないと考えています。

JT株の各指標と配当利回り、株主優待を確認

まずはじめにJTの株価、各指標と配当、株主優待について見ていきます。

各指標と配当利回りはどうなっているか確認

JTの株価は2408.5円、年間配当は154円の予定なので年間配当利回りは約6.4%です。予想PERは11.9倍、PBRは1.6倍。指標の上ではPERは若干の割安、PBRはやや割高という感じです。どちらも大きな問題にはならない水準です。

※株価は2019年10月1日終値時点

過去の配当推移について確認

JTの過去の配当推移です。

2014年12月期2015年12月期2016年12月期2017年12月期2018年12月期2019年12月期(予)
100円118円130円140円150円154円

JTの配当ですが、ここ数年は増配傾向で10年以上減配していません。この高配当と減配無しは下支えになることが多いです。2019年3月期は中間配当77円(権利日6月末)、期末配当77円(権利日12月末)の1株当たり合計154円の予定です。

参考:配当情報|JT公式サイト

株主優待制度を確認

JTは株主優待制度ですが、保有株式数に応じた自社、および自社グループの商品詰め合わせをいただくことができます。1年以上継続して保有、権利月は12月末です。

保有株式数に応じていただけるものは下記となっています。

所有株式数優待品
100株~200株2,500円相当の商品詰め合わせ
200株~1,000株4,500円相当の商品詰め合わせ
1,000株~2,000株7,000円相当の商品詰め合わせ
2,000株以上13,500円相当の商品詰め合わせ

この株主優待制度ですが2019年7月に変更しました。従来は100株保有で1,000円相当を年に2回でしたが、現在は1年以上継続保有、100株保有で2,500円相当を年に1回となっています。改悪という声もありますが、変更内容を見ると長期保有者にとっては良い変更になっています。

企業側も年に1回、長期保有限定にすることで負担が少し減るのではという印象です。

参考:株主優待|JT公式サイト

JT株を買って良いと考える点

JT株を買って良いと考える点について見ていきます。

下値の支えとなる配当と株主優待

株主優待では「パックご飯」や「カップラーメン」などから選ぶことができます。その他にもカレンダー、プルームキットがもらえるときもあります。そして、現在の配当は年間利回りで約6.4%です。

株主優待には長期保有の条件が追加されたというのもあり、長期保有する人が一定数いると考えられます

JT株の安全性について

JTの筆頭株主は財務大臣です。以前は発行済み株式の50%近く保有していましたが、現在は33%を保有しています。(法律でJT株の3分の1以上を政府が保有する事になっています)

このことから、よほどのことがない限り紙くずになったり暴落する可能性が低い比較的安全な株といえます。とはいえ、100%安全という株は存在しないです。一昔前、絶対安全な株と言われていた電力会社株が暴落した例もあるので投資に絶対はないです。

JT株を買って良くないと考える点

株式投資で一番重要なのは、「この先どうなるか」ということです。いくら今の配当がよくて優待があっても「企業が利益を上げることができなければ衰退して、株価は下落します」

厳しい業績推移と今後の見通し

下記は過去5期分+今期の予想の売上高・最終利益の推移です。

売上はあまり変わらず、利益は減少傾向です。

現在のJTは事業の多角化を進めていますが、売り上げは海外タバコが半分以上、国内タバコを含めると80%をこえていることから、まだまだ当面の主力はタバコです。

日本国内ではタバコ人口の減少、たばこ税・消費税増税による値上げの影響が大きく年々販売数が減少しています。加えて電子タバコへの遅れなどで厳しいのが現実です。

日本を含め先進国ではタバコの消費量が年々減っています、そのため海外たばこ事業をM&Aで取得し事業拡大をしています。 途上国では嗜好品として好まれ、伸びる可能性はあります。しかし海外に売り上げを依存するのは突発的な怖さがあります。

海外売上依存への不透明感

先述したようにJT株は財務大臣(政府)が3分の1を保有しています。仮にJTの業績が悪化して配当が出せなくなると、政府が現在受け取っている600億円以上の配当金収入がなくなります。

そのため、日本国内でタバコをいきなり禁止することや、売り上げが一気に減るようなことができないです。政府が自分のクビを絞めるようなものですからね。

少しづつ税金を上げたり、徐々に規制を行っているのが良い証拠です。日本が先進国の中でもタバコに甘いと言われている原因でもあります。

しかし、海外では公共場所での禁煙。たばこの販売禁止などの規制がいきなり発動される可能性があります。WHOでも健康被害が問題視されることもありますし、JT自身も多くの国で健康被害訴訟を抱えています。他には為替リスク、地政学リスクもあります。

危険な高い配当性向

利益はここ数年下落している中で配当を増やしています。そのため配当性向は年々上がっており、2019年12月の予測は75.9%です。株主優待も実施していることを考慮すると、この配当性向は少々高いと感じられます。

高配当と株主優待が会社の成長を鈍化させている原因の一つとなっているとも考えられます。いきなり大きく減配する可能性は低いとは思いますが、現状のままでは増配を続けるのが難しくなると考えられます。

さいごに

配当利回りが6%超えている政府保有株というある程度の安心感があるかもしれません。しかし、電子タバコが今後どうなるか、海外たばこ事業がどうなるかなど不確定要素は多いです。日本の外食店でも全面禁煙化が進んでいます。近い将来に「株価が倍になるか」と言われると、タバコ中心の現状ではかなり厳しいと考えています。

しかし、株価が半分になるかと言われると、それもよほどのことがない限りなさそうと考えられます。日本人はタバコに厳しい人が多いですが、多くの人がJT株を保有しています。

JT株に限らないですが、株を保有する場合は「優待」や「配当」だけを見るのではなく、まずその企業が何をしているのか、この先しっかり利益を上げることができるのかを考えることが重要です。

年間利回り6%を超えるのは魅力的です。長期保有の投資では一時的な株価の下落は大きく気にしないとは思いますが、もしこの先、減配や優待廃止となると大きく株価が下落するだけでなく、配当利回りも大きく落ちる可能性があります。

配当利回りが5%を越えた頃からJT株に注目が集まりましたが、それでも株価の下落は止まらず現在にいたります。6%を超え再度注目が集まっていますが不透明感は強いです。

個人的には、まだまだ利益につながっていないですが医療事業、食品事業の今後には期待しています。

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