山崎製パン傘下の不二家(2211)。株価は一時、下落していましたが現在は上昇推移しています。比較的人気の株主優待を実施していますが、はたして不二家の今後の株価と配当はどうなるのか。業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。
- 株価指標に割安感はない、配当・優待の合計利回りは平均的
- 配当性向が高く配当金が減る可能性もある
- 業績は大きく下落していないが伸び悩みで連続減益
不二家の事業内容と株価指標
はじめに不二家の事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:2,555円
予定年間配当:15円
年間配当利回り:0.59%
予想PER:131倍
PBR:1.4倍
2020年12月11日終値時点のデータ
PERはかなり割高です。配当利回りは低いです。
不二家(2211)とは
株式会社不二家(ふじや、英称 Fujiya Co.,Ltd.)は、ケーキなど洋菓子を中心に菓子類の製造販売を主とする老舗の食品メーカー。洋菓子店のほかレストランをフランチャイズ展開している。1910年(明治43年)創業。2008年より山崎製パンの子会社となっている。
不二家 – Wikipediaより抜粋
主な事業として「製菓事業」、「洋菓子事業」、「レストラン事業」、「飲料事業」を行っています。売上の構成比は下記です。

参考:事業案内|株式会社不二家
不二家の配当推移と株主優待について
次に不二家の配当金の推移と株主優待制度を確認していきます。
配当金の推移
下記は不二家の配当金の推移です。期末(12月)の一括配当を実施しています。

過去には業績が悪く無配になることもありましたが、持ち直して年間15円で推移しています。
2020年12月期の予想配当性向は約77%、業績予想を下方修正したことで予想配当性向がかなり上昇しています。さらに利益が悪化すると減配当や以前のように無配となる可能性もありそうです。
株主優待制度について
不二家の株主優待は「自社店舗で利用できる優待券」です。12月が権利日です。
所有株式数 | ご優待内容 |
---|---|
100株から 499株まで | 500円券×6枚 (3,000円分) |
500株から 999株まで | 500円券×8枚 (4,000円分) |
1,000株以上 | 500円券×12枚 (6,000円分) |
自社店舗で利用できる優待券は無くなりにくい優待です(絶対無くならないわけではないです)、過去を見ても仮に業績が悪化してもまずは配当が無くなるのが先と考えられます。
100株保有で年間3,000円相当なので優待利回りは約1.2%です。
不二家の業績推移と株価チャート
次に不二家の業績推移と株価チャートを確認していきます。
売上高と経常利益の推移

売上はここ数年横ばい、利益は伸び悩みという感じです。2020年12月期は連続減収・減益見通しです。
株価チャートの推移
下記は不二家5年分の週足株価チャートの推移です。

株価はやや下落推移から2020年に入り一時的に大きく下落しました。
その後、株価は底値から脱出し上昇。事業内容(レストラン業も展開)・業績見通しを考えると下落しても不思議ではないですが比較的安定しています。あくまでも利益減少は一時的で減少率も小さめと見られています。
不二家の決算内容と今後の株価について
最後に不二家の決算内容の確認と今後について考えてみます。
決算内容について
2020年10月26日の決算にて2020年12月期3Q累計(1-9月)の連結経常利益は9億円と発表。前年同期比91.9%増、通期計画の21億円に対する進捗率は42.9%となりました。
毎年4Q(10月-12月)が稼ぎ時で、比較的好調と考えられているため、株価が上昇しているという見方ができます。例年通りの利益となれば上方修正も考えられます。
今後について
洋菓子事業は不採算店舗の閉鎖などにより売上は落ち込んでいます。それと比較し、製菓事業は順調に伸びています。また、ニュースやブームがあると大きく売り上げが左右される銘柄の一つなので、新商品で大ヒットが生まれればそれだけで株価に影響します。
ほかには中国にも事業を展開しており、どこまで影響があるのか見えにくい部分があります。長期的には全ての食品メーカーが抱えている原材料費・輸送費・人件費などのコスト問題があります。