スイス大手医薬品メーカーのロシュ傘下で大きく成長している中外製薬(4519)。今後の株価・配当はどうなるのか、株価指標・業績推移・株価チャートを分析してみました。
- 割高感あり、株価は下落推移
- 配当は増配傾向で推移、今後の増配期待値もある
- 将来的な業績期待値が株価へ影響
中外製薬の株価情報と業績推移
中外製薬の株価情報と業績推移を見ていきます。
株価指標
株価:3,396円
予想PER:—
PBR:4.27倍
時価総額:5兆7,021円
2022年10月25日終値時点のデータ。
最新の株価参考:中外製薬(株)【4519】:Yahoo!ファイナンス
PBRはかなり割高感があります。
売上高と利益の推移
空きは中外製薬の売上高・営業利益・経常利益・最終利益の推移です。

売上・利益ともに右肩上がりで上昇、2021年12月期も大きく増収・増益で好調です。
2022年12月期はCore営業利益を4,400億円予想としています(2021年12月期のCore営業利益は4,340億円)。
株価の推移
下記は中外製薬5年分の週足株価チャートです。

株価は業績に反応するように大きく上昇していましたが、2021年から下落。
2022年以降は下落勢いがやや落ち着いていますが、上昇する勢いも感じないです。
中外製薬の配当情報と株主優待
中外製薬の配当情報と株主優待制度を見ていきます。
配当情報
2022年12月期の予定年間配当:76円
予想年間配当利回り:2.24%
配当金の推移
下記は中外製薬の配当金推移です。配当権利日は、6月(中間配当)と12月(期末配当)です。

2017年12月期:20.67円
2018年12月期:28.67円
2019年12月期:46.67円
2020年12月期:55円
2021年12月期:76円
2022年12月期:76円(予)
配当は連続増配推移、2022年12月期は据え置き予定としています。
配当方針について
配当方針は「Core EPS対比平均して45%の配当性向を目処に、株主の皆様へ安定的な配当を行うことを目標」としています。
参考:株主還元|中外製薬
株主優待
株主優待は実施していないです。
中外製薬の事業・決算内容と今後について
中外製薬の事業・決算内容の確認と今後について考えてみました。
中外製薬(4519)とは
中外製薬株式会社(ちゅうがいせいやく、英語: Chugai Pharmaceutical Co., Ltd.)は、日本の大手医薬品メーカーである。
2002年、スイスの大手医薬品メーカー、エフ・ホフマン・ラ・ロシュ(Fritz Hoffmann-La Roche)との「戦略的アライアンス」に基づきロシュグループに傘下入りした。
一般大衆薬事業をライオンに営業譲渡するまでの主力商品で著名なものはバルサンや栄養ドリンクのグロモント、中外アルペン、中外胃腸薬などがある。
中外製薬 – Wikipediaより抜粋
中外製薬の医療用医薬品は「がん」「骨・関節」「腎」を中心に構成。
抗インフルエンザウイルス剤のタミフルも販売しています。
決算内容を時系列に確認
2022年2月3日に決算発表。
2021年12月期の連結営業利益は4,218億円(コア営業利益は4,340億円)と発表。2022年12月期は、コア営業利益が4,400億円見通し、年間配当は76円予定としています。
2022年12月期1Q決算
2022年4月25日に決算発表。
2022年12月期1Q(1-3月)の連結最終利益は1,317億円と発表。前年同期比177.9%増となりました。コア営業利益は989億円、通期計画の4,400億円に対する進捗率は22.5%となりました。
2022年12月期2Q決算
2022年7月21日に決算発表。
2022年12月期2Q累計(1-6月)の連結最終利益は2,041億円と発表、前年同期比72.8%増となりました。コア営業利益は2,014億円、通期計画の4,400億円に対する進捗率は45.8%となりました。
2022年12月期3Q決算
2022年10月24日に決算発表。
2022年12月期3Q累計(1-9月)の連結最終利益は2,719億円と発表、前年同期比33.2%増となりました。コア営業利益は2,990億円、通期計画の4,400億円に対する進捗率は68%となりました。。
中外製薬の株価上昇ポイント
世界的製薬会社であるスイスのロシュの傘下で副作用が少ない医薬品の「抗体医薬品」が強いです。
ガン領域、骨・関節領域のほかにインフルエンザ治療薬「タミフル」なども保有しています。
業績好調・積極投資
新製品や主力品が好調に推移し大きく増収増益推移、2021年12月期も好調となりました。投資にも積極的で中期的な成長期待もあります。
中外製薬の株価下落ポイント
医薬品を扱う企業は、新製品の開発遅れや断念など思った結果が出ない場合、大きく株価が下落するケースがあります。
他には、薬価改定や後発品の浸透、さまざまな規制などもリスクポイントとして考えられます。
また、海外での訴訟問題(訴訟する側、される側両方から)は多くの医薬品メーカーが抱える問題です。類似商品などによるさまざまなリスクもあります。
下落推移の株価
上昇した影響もありますが、2021年以降でみると株価の動きは厳しいです。
しかし、割安感は無く、今後の警戒感から業績が良くても下落するケースがあります。