業績好調で株価が上昇しているスシローグローバルホールディングス(3563)。果たして今後の株価・配当はどうなるのか。業績推移・株価チャートを分析してみました。
- 指標はかなり割高で配当・優待の利回りは低い
- 業績は最高益更新予想、第2の柱や海外へも展開
- 株価はかなり強く上昇も、まだ不透明感はある
スシローの事業内容と株価指標
はじめにスシローの事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:4,295円
予想年間配当:22.5円
年間配当利回り:0.52%
予想PER:47.5倍
PBR:9.33倍
2021年2月19日終値時点のデータ
外食優待実施銘柄にありがちなかなり割高です。年間配当利回りは低いです。
スシローグローバルホールディングス(3563)とは
株式会社あきんどスシロー(英文商号:AKINDO SUSHIRO CO.,LTD.)は、主に「吟味・スシロー」のブランドで回転寿司をチェーン展開する、回転寿司業界の大手企業である。
かつては「大阪回転寿司・あきんど」のブランドも有していた。持株会社の株式会社スシローグローバルホールディングスが東証一部に上場している。
あきんどスシロー – Wikipediaより抜粋
2003年から2009年までは「あきんどスシロー」が上場していましたが、TOB(実質MBO)で上場廃止、2015年に持株会社制へ移行。2017年3月に持株会社である「スシローグローバルホールディングス」が再上場しています。
スシローは現在、回転寿司チェーンで業界首位。韓国・台湾へも出店しています。また、第2の柱となる大衆寿司居酒屋「杉玉」の出店を加速させています。
参考:中期経営計画|株式会社スシローグローバルホールディングス
株式分割について
スシローグローバルホールディングスは2020年3月31日に1株を4株に株式分割しました。2019年末に投資単位の引き下げは必要ないと開示していた為、動きが早いです。
スシローの配当推移と株主優待
次にスシローの配当推移と株主優待の内容を確認していきます。
配当金の推移
下記はスシローの配当金推移です。年一回、期末配当(9月)を実施しています。株式分割後の株数に換算した金額です。

2017年9月期:11.25円
2018年9月期:21.25円
2019年9月期:22.50円
2020年9月期:15.00円
2021年9月期:22.5円(予)
2019年9月期は業績好調で増額修正しましたが、2020年9月期は減配。2021年9月期は復活予定です。
配当は「業績に連動した年1回の剰余金配当を実施する方針」です。2020年9月期は業績落ち込みで減配、今後も良くも悪くも業績により配当は上下する可能性が高いです。
参考:配当について|株式会社スシローグローバルホールディングス
株主優待制度について
スシローの株主優待は「店舗で使える割引券」です。年2回、3月と9月が権利日です。
保有株式数 | 優待内容 |
---|---|
100株~199株 | 優待割引券 1,000円分 |
200株~399株 | 優待割引券 1,500円分 |
400株~799株 | 優待割引券 2,000円分 |
800株~1,999株 | 優待割引券 4,000円分 |
2,000株以上 | 優待割引券 10,000円分 |
100株保有で年間2,000円分なので優待利回りは約0.5%、利回りは低めです。
スシローの業績推移と株価チャート
次にスシローの業績推移と株価チャートを確認していきます。
売上高と経常利益の推移

他の回転寿司チェーンがやや苦戦する中、スシローは増収・増益が続き好調です。2020年9月期は当初、増収・増益の見通しでしたが、新型コロナウイルス感染症の影響により減益となりました。しかし、減益幅がある程度で収まったという見方もできます。2021年9月期は最高益を更新する見通しです。
株価チャートの推移
下記はスシロー上場以降の週足株価チャートの推移です。

業績が順調な事もあり株価は大きく上昇。2020年に入ると不安感から一時大きく下落しましたが、その後は下落前の水準を大きく上回り上昇。割高感が目立ちますが、上値を伸ばし最高値付近で推移しています。
スシローの決算内容と今後について
最後にスシローの決算内容確認と今後について考えてみます。
決算内容を確認
2021年2月5日の決算にて2021年9月期1Q(10-12月)の連結経常利益は66.5億円と発表。通期計画の163億円に対する進捗率は40.8%となりました。
今後について
2020年9月期を除き、スシローの業績は好調でROEは20%越え、回転すしチェーン業界で首位とかなり優秀です。2020年9月期はやや落ちましたが、同業や外食業界全体を考えると、むしろ耐えたという印象が強いです。
他の外食店では苦戦が目立つ中、スシローの月次情報では売上が戻り、2021年3月期の業績見通しは強いです。当然、このまま好調に推移すれば想定以上の売上・利益となる可能性もあります。しかし、今後の不透明感・不安感がないとは、まだ言い切れない状況です。
長期的に見ると、この先さらに大きく伸ばすために海外や新規事業などへの積極展開も考えられます。すでに台湾・シンガポールをはじめ海外への出店を進め海外比率を上げていく予定としています。しかし、既に同業が進出しています。また、株価には既に大きな期待感があり、かなり割高なのも注意する点です。