総合商社の住友商事(8053)。2020年3月期の配当を年間90円予定から最終的に80円となりました。業績も大きく下方修正して厳しい状況ですが、今後の株価と配当がどうなるのか。業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。
- 配当金は維持予定で高い利回り
- 株価は大きく下落し、上昇する勢いは小さい
- 最終赤字見通しで短期的な不透明感は強い
住友商事の事業内容と株価指標
はじめに住友商事の事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:1,332.5円
予定年間配当:70円
年間配当利回り:5.25%
予想PER:—
PBR:0.68倍
2020年12月15日終値時点のデータ
PBRは商社銘柄にありがちな割安さです。業績見通し赤字の為PER算出不可、年間配当利回りはかなり高いです。
住友商事(8053)とは
住友商事株式会社(すみともしょうじ、英: Sumitomo Corporation)は、住友グループの大手総合商社。住友商事は、戦後発足した商事会社であることから「遅れてきた商社」と呼ばれていた時代があった。
住友商事 – Wikipediaより一部抜粋
住友グループの総合商社で油井管・鋼管など金属取引に強みを持っています。主な事業セグメントは「金属事業」、「輸送機・建機事業」、「インフラ事業」、「メディア・デジタル事業」、「生活・不動産事業」、「資源・化学品事業」です。国内・海外に広く展開しています。
参考:事業紹介|住友商事
住友商事の業績推移と株価チャート
次に住友商事の業績推移と株価チャートを確認していきます。
売上高と最終利益の推移

2015年3月期赤字で厳しかったですが、その後復活。2020年3月期は大きく減益、2021年3月期は赤字予想と厳しい見通しです。
参考:財務ハイライト|住友商事
株価チャートの推移
下記は住友商事の直近5年の週足株価チャートの推移です。

2016年中旬から上昇トレンドで推移。2018年に落ち着いてやや下落気味のレンジで推移していましたが、2020年に入り大きく下落。現在も安値圏で推移しています。大手総合商社は世界的な経済情勢が業績に大きく影響するので不透明な部分は多いです。株価は下落した位置ですが短期的には不透明感があります。
住友商事の配当推移と決算内容
次に住友商事の配当推移と決算内容を確認していきます。
配当推移について
下記は住友商事の配当金の推移です。年2回、中間配当(9月)と期末配当(3月)を実施しています。

2016年3月期:50円
2017年3月期:50円
2018年3月期:62円
2019年3月期:75円
2020年3月期:80円
2021年3月期:70円(予)
2020年3月期の年間配当は90円予定でしたが、減額修正を行い80円(創立100周年記念配当10円込み)としました。
配当方針は中期経営計画2020にて「連結配当性向30%程度を目安」にしています。2020年3月期の配当性向は58.3%。2021年3月期は赤字見通しですが記念配当を落とした70円予定です。長期の安定配当を重視し、配当実施予定としています。
参考:配当金情報|住友商事
決算内容を確認
2020年11月6日の決算にて2021年3月期2Q累計(4-9月)の連結最終損益は602億円の赤字と発表、厳しい決算ですが、想定より悪化しない可能性もあります。
住友商事の今後について
最後に住友商事の今後について考えていきます。
今後について
リスクは有りますが相場全体が大きく下落した時、商社銘柄は中長期保有することでインカムゲインとキャピタルゲインの両方から狙うことができます。リーマンショック時も多くの商社銘柄の株価が暴落しましたがその後復活し、配当も増えています。
もちろん、さまざまなリスクを抱える総合商社は世界経済に業績が左右されるため、短期的には不透明感が強いです。株価が下落した時に飛びつくと、その後更に下落するケースも多く、タイミングを見極めるのは非常に難しいです。
また長期で安定配当方針を重視しているため、配当維持予定です。しかし、どの企業にも言えますが厳しい業績が続けば当然、配当に影響があります。