プリント基板向けの電子材料が主力の有沢製作所(5208)。今後の株価と配当はどうなるのか、株価チャート・業績推移・配当推移・将来性を分析してみました。
- 高い配当性向方針で高配当利回り
- 株価は長期レンジも大きく動く場面あり
- 積極還元策が今後どうなるか
有沢製作所の株価情報と業績推移
有沢製作所の株価情報と業績推移を見ていきます。
株価指標
株価:1,366円
予想PER:14.11倍
PBR:0.95倍
予想EPS:96.82円
時価総額:456億円
2023年3月13日終値時点のデータ。
最新の株価参考:(株)有沢製作所【5208】:Yahoo!ファイナンス
PBRにやや割安感があります。
業績の推移
下記は有沢製作所の売上高・営業利益・経常利益・最終利益の推移です。

2020年3月期は厳しくなりましたが、その後回復。2023年3月期は減益見通しとしています。
参考:事業の推移|有沢製作所
株価の推移
下記は有沢製作所5年分の週足株価チャートです。

株価は長期で見ると広いレンジで推移していますが、大きく上昇・下落する場面もあります。2022年5月以降は上昇していますが、落ち着く気配もあります。
有沢製作所の配当情報と株主優待
有沢製作所の配当情報と株主優待制度を見ていきます。
配当情報
2023年3月期の予定年間配当:90円
予想年間配当利回り:6.59%
高い配当利回りです。
配当金の推移
下記は有沢製作所の配当金推移です。通常は期末の一括配当(3月)を実施しています。

2022年3月期に大きく増配(中間配当の5円は特別配当)。2023年3月期も高配当継続予定としています。
配当性向は2022年3月期が80.9%、2023年3月期の予想が約93%です。
配当方針
中期経営計画では「総還元性向80%以上」としています。高い配当性向方針のため、高配当です。
参考:中期経営計画|有沢製作所
株主優待について
株主優待制度は実施していないです。
有沢製作所の事業・決算内容と今後について
有沢製作所の事業・決算内容と今後について考えてみます。
有沢製作所(5208)とは
株式会社有沢製作所(ありさわせいさくしょ、英: Arisawa Mfg.Co.,Ltd.)は、エレクトロニクス関連材料などの開発・製造・販売を行う企業である。
プリント基板向けの電子材料、レンズなど光学ディスプレー材料が主力。
有沢製作所 – Wikipediaより一部抜粋
主力事業はプリント基板向けのなどの「電子材料」です。他には、「産業用構造材料」、「電気絶縁材料」、「ディスプレイ材料」です。
決算内容を時系列に確認
2022年3月期の連結経常利益は42億円と発表。2023年3月期の同利益は40億円見通し、年間配当は未定としています。(2022年5月12日の決算発表にて)
2023年3月期1Q決算
2023年3月期1Q(4-6月)の連結経常利益は11.7億円と発表、前年同期比11%増となりました。また、年間配当は90円予定としています。(2022年8月4日の決算発表にて)
2023年3月期2Q決算
2023年3月期2Q累計(4-9月)の連結経常利益は24億円と発表。また、通期の同利益を40億円予想から35億円予想に下方修正しています。(2022年11月4日の決算発表にて)
2023年3月期3Q決算
2023年3月期3Q累計(4-12月)の連結経常利益は27億円と発表、前年同期比14.3%減となりました。(2023年2月9日の決算発表にて)
今後について
2023年3月期は中国経済の停滞、エネルギー費などの高騰で減益見通しに下方修正しています。
事業展開
プリント基板向け電子材料が主力ですが、産業用構造材料、電気絶縁材料も拡大しています。今後はIoT、次世代輸送機器など成長が見込める分野に重点を置くとしています。
リスク要因
エネルギー費や原材料高などのコスト問題。為替の円安進行はプラスですが、円高になるとマイナスとなります。
また、総還元性向の目標ラインを大きく引き上げ、大きく増配しており株主還元に積極的です。利益が確保できれば問題なく高い配当利回りですが、想定以上に利益が減少した場合に配当がどうなるか不透明感はあります。