野菜や花の種や苗の販売を行うサカタのタネ(1377)。今後の株価と配当がどうなるか、業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。また、株主優待制度を実施しているので優待内容も確認していきます。
- 株価に割安感はなく配当・優待利回りも低め
- 配当は安定しているが配当性向上昇予想
- 自己資本比率が高く財務は健全
サカタのタネの事業内容と株価指標
はじめにサカタのタネの事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:3,955円
予定年間配当:33円
年間配当利回り:0.83%
予想PER:40.1倍
PBR:1.69倍
2020年10月13日終値時点のデータ
株価指標はPERが割高、PBRは平均的です。年間の配当利回りは低いです。
サカタのタネ(1377)とは
サカタのタネは花や野菜などの種・苗の卸売りを主な事業として行っています。メインとなる海外卸売りの売上比率は約6割です。北中米・アジア・ヨーロッパなど広く展開しています。
参考:事業紹介|サカタのタネ
サカタのタネの株価チャートと業績推移
次にサカタのタネの株価チャートと業績推移を確認していきます。
株価チャートの推移
下記はサカタのタネ5年分の週足株価チャートの推移です。

2020年2月以降に株価が大きく下落して上昇。それまでは比較的レンジで推移していました。現在も以前のレンジ水準で動いています。ここからの上値メドは4,500円、下値メドは3,200円と見ることが出来ます。
売上高と経常利益の推移

売上・利益ともに安定して推移していましたが、2021年5月期は大きく減益見通しです。しかし、上期の業績予想を上方修正しているため、通期での上方修正期待もあります。
サカタのタネの配当推移と株主優待
次にサカタのタネの配当金の推移と株主優待制度を確認していきます。
配当金の推移について
下記はサカタのタネの配当金の推移です。年2回、中間配当(11月)と期末配当(5月)を実施しています。

2015年5月期:23円
2016年5月期:25円
2017年5月期:28円
2018年5月期:30円
2019年5月期:33円
2020年5月期:33円
2021年5月期:33円(予)
ここ数年の配当は年間33円で据え置きです。
2020年5月期の配当性向は24.1%、2021年5月期の予想配当性向は約33%です。まだ問題のない水準ですが上昇しているので、ここから更に業績が悪化すると配当への影響も想定されます。
株主優待制度について
サカタのタネの株主優待は「オリジナルカタログ商品ギフト」です。権利日は5月末です。
保有株式数 | 優待内容 |
---|---|
100株から 299株 | カタログギフトA (1,000円相当) |
300株から 999株 | カタログギフトB (2,000円相当) |
1,000株以上 | カタログギフトC (3,000円相当) |
カタログギフトなので選択商品により多少の値段の上下はありますが、100株保有のカタログギフトAの場合は1,000円相当です。優待利回りに換算すると約0.25%です。利回りは低めです。
サカタのタネの決算内容と今後について
最後にサカタのタネの決算内容の確認と今後について考えていきます。
決算内容の確認
2020年10月9日の決算にて2021年5月期1Q(6-8月)の連結経常利益は38.9億円と発表。あわせて上期の同利益を従来予想の31億円から36億円に上方修正しています。
今後について
サカタのタネは自己資本比率が80%を超えており、キャッシュフローも問題なく財務状況は健全です。また、自社開発品も多く開発力があります。しかし、開発には時間と投資が必要です。開発中に商品ニーズの変化や他社との競争リスクなどがあります。
また扱う商品が「野菜種子」、「花種子」、「球根」、「苗木」が主なので天候変化が業績への悪影響を及ぼす可能性があります。生産拠点は世界にあり、海外へ広く事業展開を行っているため、各国の法律・経済状況や地震・テロなどの災害リスクや為替変動リスクも抱えています。
現在、ブロッコリー種で世界シェアが高いですが、2020年4月には米国のレタス種苗会社を買収し、さらに野菜種苗ビジネスを拡充していきます。リスクはあるものの伸びしろはあります。