水産国内最大手のマルハニチロ(1333)。業績悪化の影響から株価が大きく下落推移しています。果たして今後の株価と配当はどうなるのか、業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。また、株主優待の内容と利回りも確認していきます。
- 株価指標は割安水準、配当・優待の合計利回りは悪くはない
- 利益は伸び悩んでいるが現状では配当が減る可能性は低い
- 業績伸び悩みに加え、先行き不安から株価が下落している
マルハニチロの事業内容と株価指標
はじめにマルハニチロの事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:2,219円
予定年間配当:40円
年間配当利回り:1.8%
予想PER:18.2倍
PBR:0.85倍
2020年11月6日終値時点のデータ
PBRに割安感があります。年間の配当利回りは平均よりやや低めです。
マルハニチロ(1333)とは
マルハニチロ株式会社(英:Maruha Nichiro Corporation)は、日本の大手食品会社。
1880年創業の遠洋漁業・捕鯨・水産加工大手のマルハ(旧・大洋漁業)と1906年創業の北洋漁業・水産加工大手のニチロ(旧・日魯漁業)を起源とする企業で、2007年に両社が経営統合し2008年の事業再編を経て2014年4月1日の合併により誕生した企業である。
マルハニチロ – Wikipediaより抜粋
水産最大手で冷凍食品・缶詰などの加工食品も大手です。遠洋漁業・水産加工大手のマルハと北洋漁業・水産加工大手のニチロが経営統合し誕生した企業です。利益の多くは海外事業と加工事業です。

マルハニチロの株価チャートと業績推移
次にマルハニチロの株価チャートと業績推移を確認していきます。
株価チャートの推移
下記はマルハニチロ5年分の週足株価チャートの推移です。

2018年7月までは好調に株価が上昇し4,500円まで株価を伸ばしていました。
しかし、その後は下落し一時は2,000円も割りました。現在はレンジで推移し、上に抜けるか、下に抜けるかというポイントです。
売上高と経常利益の推移

売上は横ばい推移ですが、経常利益は減少傾向です。2020年3月期は大きく下方修正を行い、減収・減益。2021年3月期も減収・減益の見通しです。
マルハニチロの配当推移と株主優待
次にマルハニチロの配当推移と株主優待制度を確認していきます。
配当金の推移
下記はマルハニチロの配当推移です。年1回、期末配当(3月末)を実施しています。

2017年3月期は普通配当40円、記念配当5円です。配当は年間40円で推移しています。
マルハニチロの配当方針は「安定配当を継続すること」としています。配当性向はここ数年15%以下でしたが、2021年3月期の予想配当性向は約33%と上昇しています。
株主優待制度について
マルハニチロの株主優待は「自社グループ商品」です。権利日は3月末、100株以上保有していると対象です。複数商品の中から選ぶことが出来ます。

選択商品により金額が異なりますが大体3,000円相当です。100株保有で3,000円相当と考えると優待利回りは約1.3%です。
マルハニチロの決算内容と今後
最後にマルハニチロの決算内容確認と今後について考えていきます。
決算内容を確認
2020年11月2日の決算にて2021年3月期2Q累計(4-9月)の連結経常利益は119億円と発表、あわせて通期の業績予想は連結経常利益が170億円見通しとしています。
今後の動きについて
マルハニチロの事業セグメントは「漁業・養殖事業」、「商事事業」、「海外事業」、「加工事業」、「物流事業」です。中でも「加工事業」の冷凍食品や加工食品(缶詰)はこの先の需要増が見込めます。
しかし、他の事業の利益が減少しているため、全体としての利益を伸ばせていません。株価には割安感があり、配当・優待の合計利回りも約3%と特別良いわけではないですが、悪くはないです。
連続減益・株価も下落して推移しているのは気になるポイントですが、復活する可能性も当然あります。