水産国内最大手のマルハニチロ(1333)。今後の株価と配当はどうなるのか、業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。
- 割安水準、業績回復
- 株価はレンジ推移
- 需要増が見込めるが、不透明感もある
マルハニチロの株価情報と業績推移
マルハニチロの株価情報と業績推移を見ていきます。
株価指標
株価:2,384円
予想PER:6.5倍
PBR:0.69倍
予想EPS:367.04円
時価総額:1,255億円
2022年11月11日終値時点のデータです。
最新の株価参考:マルハニチロ(株)【1333】:Yahoo!ファイナンス
PER、PBRともに割安感があります。
売上高と利益の推移
下記はマルハニチロの売上高・営業利益・経常利益・最終利益の推移です。

2018年3月期から2021年3月期まで厳しい利益推移でした。しかし、2022年3月期は利益が大きく回復。
2023年3月期は上方修正を行い、増益見通しとしています。
株価の推移
下記はマルハニチロ5年分の週足株価チャートです。

株価は2018年11月から下落、業績悪化により一時は2,000円割れまで大きく下落しました。
2021年以降は比較的安い位置でレンジ推移しています。
マルハニチロの配当情報と株主優待
マルハニチロの配当情報と株主優待制度を見ていきます。
配当情報
2023年3月期の予定年間配当:55円
予想年間配当利回り:2.31%
配当金の推移
下記はマルハニチロの配当金推移です。期末の一括配当(3月)を実施しています。

年間配当は40円の据え置き推移でしたが、2022年3月期に増配。
配当性向は2022年3月期が17.1%、2023年3月期の予想が約15%です。
配当政策の確認
マルハニチロの配当方針は「安定的な株主還元の継続を基本方針」としています。
株主優待制度について(廃止)
マルハニチロの株主優待は「自社グループ商品」を実施していましたが、2022年3月末を最後に廃止しています。廃止後は配当重視とし、増配しています。
マルハニチロの事業・決算内容と今後について
マルハニチロの事業・決算内容の確認と今後について考えてみます。
マルハニチロ(1333)とは
マルハニチロ株式会社(英:Maruha Nichiro Corporation)は、日本の大手食品会社。
1880年創業の遠洋漁業・捕鯨・水産加工大手のマルハ(旧・大洋漁業)と1906年創業の北洋漁業・水産加工大手のニチロ(旧・日魯漁業)を起源とする。
2007年に両社が経営統合し、2008年の事業再編を経て、2014年4月1日の合併により誕生した。
マルハニチロ – Wikipediaより抜粋
マルハニチロは水産最大手の企業で、冷凍食品・缶詰などの「加工食品」も事業展開しています。
遠洋漁業・水産加工大手の「マルハ」と、北洋漁業・水産加工大手の「ニチロ」が経営統合して誕生した企業です。
決算内容を時系列に確認
2022年5月9日に決算発表。
2022年3月期の連結経常利益は275億円と発表。2023年3月期の同利益は250億円見通し、年間配当を55円予定としています。
2023年3月期1Q決算
2022年8月8日に決算発表。
2023年3月期1Q(4-6月)の連結経常利益は121億円と発表、前年同期比72%増となりました。
2023年3月期2Q決算
2022年11月7日に決算発表。
2023年3月期2Q累計(4-9月)の連結経常利益は212億円と発表。また、通期の同利益を250億円予想から320億円予想に28.0%上方修正しています。
今後について
報告セグメントを「水産資源事業」、「加工食品事業」、「食材流通事業」、「物流事業」の4区分に変更。M&Aも含め事業拡大を推進しています。
伸びしろと不透明感
「加工食品事業」はこの先の需要も見込めますが、原材料や燃料などのコスト増を値上げで対応するという見えにくさもあります。
業績上方修正を行い、好調な見通しですがコスト高騰・円安の影響など不透明感もあります。
株価への反応
2022年3月期は業績回復、増配となりましたが株価はあまり反応していないです。同業他社と比較しても割安感がある状態です。