ニコン(7731)の株価が業績悪化の影響で大きく下落しています。配当も連続減配予定と厳しい状況です。はたして今後のニコンの株価・配当がどうなるのか。業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。
- 利益が大きく減益、株価も長期で下落推移
- 赤字見通しで配当は連続減配予定
- 大企業で技術力は確かなものがあるが現状では不透明感が強い
ニコンの事業内容と株価指標
はじめにニコンの事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:680円
予想年間配当:20円
年間配当利回り:2.94%
予想PER:—
PBR:0.47倍
2020年11月6日終値時点のデータ
PBRはかなり割安です。2021年3月期は赤字見通しでPERは算出不可、配当利回りは平均より高いです。
ニコン(7731)とは
株式会社ニコン(英: Nikon Corporation)は、日本の光学機器メーカー。カメラ、デジタルカメラ、双眼鏡、望遠鏡、顕微鏡、ステッパー、メガネ、測定機、測量機、光学素材、ソフトウェアなど光学関連装置の大手メーカーであり、三菱グループの一員。
ニコン – Wikipediaより抜粋
売上のメインはデジタルカメラ、レンズなどの「映像事業」と光学関連装置の「精機事業」です。
参考:ニコンの事業|Nikon
ニコンの業績推移と株価チャート
次にニコンの業績推移と株価チャートを確認していきます。
売上高と経常利益の推移

売上・利益ともに右肩下がりで推移。2021年3月期は最終赤字見通しで厳しい推移です。
株価チャートの推移
下記はニコン5年分週足株価チャートの推移です。

株価は2018年から下落を始めました。一時的に上昇する場面もありましたが、長期で下落推移。現在の株価はリーマンショック後よりも安い水準でかなり下落した位置です。
ニコンの配当推移と決算内容について
次にニコンの配当推移と決算内容を確認していきます。
ニコンの配当推移
下記はニコンの配当金の推移です。年2回、中間配当(9月)と期末配当(3月)を実施しています。

2016年3月期:18円
2017年3月期:16円
2018年3月期:36円
2019年3月期:60円
2020年3月期:40円
2021年3月期:20円(予)
2020年3月期は60円予定から減額修正し年間40円となりました。
配当方針は2020年3月期から2022年3月期までの新中期経営計画にて「総還元性向を40%以上」を目標としています。2020年3月期の配当性向は約200%、2021年3月期は赤字の中で配当予定とかなり厳しい状況です。
決算内容について
2020年11月5日の決算にて2021年3月期2Q累計(4-9月)の連結経常損益は388億円の赤字と発表、ある程度想定されていたとはいえ厳しい決算です。
ニコンの今後の株価について
最後にニコンの今後について考えていきます。
今後について
ニコンの売上は中国・欧米を中心に海外比率が高いです。
デジタルカメラの市場はスマートフォンの普及もあり厳しく、一眼レフ事業もあまり良くありません。売上は年々右肩下がりでこの先の不透明感は強いです。
短期的な業績はさらに悪くなり、配当は更に減る可能性があります。しかし、大企業で技術力はある財務健全企業です。過去の水準から考えると現在の株価はかなり安いラインなので業績が復活すればお得な株価となる可能性ももちろんあります。