旧日本債券信用銀行のあおぞら銀行(8304)。今後の株価と配当はどうなるのか、業績推移・株価チャート・配当金の推移を分析してみました。
- 銀行銘柄と考えると特別な割安感は無い
- 配当は年4回実施、減配傾向なのは注意
- 株価が安いが大きく上昇する材料も見えにくい
あおぞら銀行の株価情報と事業内容について
あおぞら銀行の株価情報と事業内容を見ていきます。
株価指標
株価:2,708円
予想PER:9.3倍
PBR:0.6倍
時価総額:3,203億円
2022年2月17日終値時点のデータです。
最新の株価参考サイト:(株)あおぞら銀行【8304】:Yahoo!ファイナンス
PER、PBRともに割安ですが、銀行銘柄は割安なものが多いため特別割安とは言えないです。
あおぞら銀行(8304)とは
株式会社あおぞら銀行(あおぞらぎんこう、英称:Aozora Bank, Ltd.)は、普通銀行である。
1998年に経営破綻し、特別公的管理銀行として預金保険機構の管理下に置かれた日本債券信用銀行が、2000年9月にソフトバンクグループ・オリックス・東京海上火災保険が組成した投資ファンドへ売却され、商号を変更した。
2006年4月1日には普通銀行に転換し現体制となった。
新興企業やノンバンク・不動産投資信託各社や、地方銀行などと提携した上での中小企業への融資および当行関連会社であるベンチャーキャピタルなど通じた取引が業務の中心。
あおぞら銀行 – Wikipediaより抜粋
収益の柱は「不動産融資」と個人・法人向け「金融商品販売」です。
GMOインターネットと共同出資という形でネット銀行(GMOあおぞらネット銀行)を開業しています。
あおぞら銀行の業績推移と株価推移について
あおぞら銀行の業績推移と株価推移を見ていきます。
売上高と経常利益の推移

2020年3月期は増益予定でしたが減益で着地、2021年3月期も減益で苦しい状況が続いています。
2022年3月期は増益予想の回復見通しとしています。
株価の推移
下記はあおぞら銀行5年分の週足株価チャートです。

多くの銀行銘柄が景気減速、日銀マイナス金利の影響などで業績が悪化。長期で株価が下落しています。
あおぞら銀行も例外ではなく、業績下方修正・配当減額修正の影響もあり大きく下落しました。
2021年以降で見るとやや上昇して底値から抜けています。
あおぞら銀行の配当情報と株主優待制度について
あおぞら銀行の配当情報と株主優待制度を見ていきます。
配当情報
2022年3月期の予定年間配当:145円
予想年間配当利回り:5.35%
年間配当利回りは銀行銘柄と言うのを考えても高いです。
配当金の推移
下記はあおぞら銀行の配当金推移です。
年4回の配当(3月、6月、9月、12月)を実施しています。

2017年3月期:187円
2018年3月期:184円
2019年3月期:154円
2020年3月期:156円
2021年3月期:124円
2022年3月期:145円(予)
配当は減配傾向で推移していましたが、2022年3月期は増配予定です。
配当性向は2020年3月期が64.7%、2021年3月期が49.9%、2022年3月期の予想が約50%です。
株主還元方針の確認
配当方針は「配当性向を50%程度、四半期ベースの配当を実施」としています。
年4回に分けて配当を実施するのは日本株では割と珍しいです。
株主優待制度について(廃止)
あおぞら銀行の株主優待は「商品券」でした。
2021年9月30日を最後に廃止しています。
保有株数 | 優待内容 |
---|---|
100株以上 | 定期預金500万円以上入金で3,000円分の商品券。 投資信託または金融商品仲介業務取扱商品(仕組債等) を購入時100万円につき2,000円分の商品券。 |
廃止の理由は「公平な利益還元の観点から、配当金による利益還元を優先」としています。
あおぞら銀行の決算内容と今後について
あおぞら銀行の決算内容確認と今後について考えてみます。
決算内容を確認
2022年1月31日に決算発表。
2022年3月期3Q累計(4-12月)の連結経常利益は387億円と発表。
また、通期の同利益を425億円予想から470億円予想に上方修正、年間配当を128円予定から145円予定に増額修正しています。
今後について
メガバンクではIT化を進め人員削減を行うなど、銀行全体を取り巻く環境は厳しいです。
最悪期は抜けたとの見方もある一方で、日銀の政策や景気減速の警戒感もあり、銀行銘柄全体に対して慎重な人はまだまだ多いです。
配当金について
株価が下落した影響もあり、配当利回りがかなり高いです。
しかし、あくまでも現時点の利回りです。4年ほど前に株価4,000円で保有していた場合、年間配当が187円あったため利回りは約4.7%です。しかし、現在の年間145円で利回りに換算すると約3.6%です。
この先、更に減配したら利回りはさらに悪くなります。
ここからの巻き返しを図る
新たな中期経営計画も策定し成長と企業価値の創出を目指しています。短期的には業績・株価ともに回復の兆しも出ています。