紳士服販売チェーンの「洋服の青山」を展開する青山商事(8219)。今後の株価・配当はどうなるのか、業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。また、株主優待制度も確認していきます。
- 株価は大きく下落後、安値で推移
- 業績回復で配当復配
- 不透明感はあるが、更に業績回復を見込む
青山商事の株価情報と業績推移
青山商事の株価情報と業績推移を見ていきます。
株価指標
株価:908円
予想PER:12.57倍
PBR:0.28倍
予想EPS:72.24円
時価総額:458億円
2023年3月24日終値時点のデータ。
最新の株価参考:青山商事(株)【8219】:Yahoo!ファイナンス
PBRはかなり割安です。
業績の推移
下記は青山商事の売上高・営業利益・経常利益・最終利益の推移です。

2020年3月期の最終損益は赤字に。2021年3月期は急激な周辺環境の変化もあり大きく減収・減益で最終損益は連続赤字となりました。
2022年3月期は黒字回復、2023年3月期は更に回復を見込みますがまだまだ弱く、不透明感も強いです。
株価の推移
下記は青山商事5年分の週足株価チャートです。

株価は業績悪化を受けて大きく下落。「業績悪化」や「配当減額修正(減配当)」に加え、今後はスーツ離れがさらに加速する懸念も下落材料と考えられます。
2021年以降で見ると下落が落ち着いてレンジ推移していますが、上昇はせず厳しい推移です。
青山商事の配当情報と株主優待
青山商事の配当情報と株主優待制度を見ていきます。
配当情報
2023年3月期の予定年間配当:21円
予想年間配当利回り:2.31%
配当金の推移
下記は青山商事の配当金推移です。

2018年3月期:170円
2019年3月期:105円
2020年3月期:50円
2021年3月期:0円
2022年3月期:8円
2023年3月期:21円(予)
業績悪化で2020年3月期の期末配当は見送り、2021年3月期は無配に。2022年3月期は復配していますが、まだまだ厳しいです。
配当性向は2022年3月期が29.5%、2023年3月期の予想が約29%です。
配当方針の確認
中期経営計画(~2024年3月期)にて「連結総還元性向30%目安」としています。
以前の中期計画(2018年度~2020年度)では配当基本方針を「連結配当性向70%を目処に普通配当を1株当たり100円とし、配当性向を目処に計算した配当が100円を上回る場合は、その差を期末に特別配当を実施する」としていたので高配当でした。
参考:中期経営計画「Aoyama Reborn2023」|青山商事
株主優待について
株主優待制度は「店舗で使える優待割引券」、優待権利月は3月と9月です。
保有株式数 | 優待内容 |
---|---|
100株以上 1,000株未満 | 買物優待券(20%割引) 3枚 |
1,000株以上 3,000株未満 | 買物優待券(20%割引) 4枚 |
3,000株以上 | 買物優待券(20%割引) 5枚 |
15%割引券から20%割引券に変更しています。
参考:株主優待|青山商事
青山商事の事業・決算内容と今後について
青山商事の事業・決算内容の確認と今後について考えてみます。
青山商事(8219)とは
青山商事株式会社(あおやましょうじ、英: AOYAMA TRADING Co., Ltd.)は、紳士服の製造と、紳士服販売チェーン「洋服の青山(ようふくのあおやま)」の展開を行う企業。
業界で唯一、47都道府県全てに店舗を展開しており、業界最大手である。ギネスブックより「スーツ販売着数世界一」の認定を受けている。
青山商事 – Wikipediaより抜粋
主力事業は洋服の青山を中心とした「ビジネスウェア事業」で、全体売上の約7割です。
決算内容を時系列に確認
2022年3月期の連結経常利益は51.5億円と発表。2023年3月期の同利益は62億円見通し、年間配当は14円予定としています。(2022年5月13日の決算発表にて)
2023年3月期1Q決算
2023年3月期1Q(4-6月)の連結経常利益は8.2億円と発表、前年同期は18.3億円の赤字のため、黒字回復しています。(2022年8月9日の決算発表にて)
2023年3月期2Q決算
2023年3月期2Q累計(4-9月)の連結経常損益は4.3億円の赤字と発表。また、通期の同利益を62億円予想から90億円予想に上方修正、期末配当を14円予定から21円予定に増額修正しています。(2022年11月11日の決算発表にて)
2023年3月期3Q決算
2023年3月期3Q累計(4-12月)の連結経常利益は17.3億円と発表。前年同期は26.9億円の赤字のため、黒字回復しています。(2023年2月10日の決算発表にて)
今後の見通しについて
以前の中期計画では「安定的な配当として100円」を方針としていました。そのため、株価が下落し配当利回りが上昇した時に保有した人も多いです。しかし、新たな中期計画では連結総還元性向30%目安のため、以前の配当に戻る可能性は現状では極めて低い状況です。
事業について
スーツ離れが進んでいることもあり、青山商事に限らず他の紳士服専門店もかなり苦戦しています。しかし、株価というのはいつも過剰に反応するものです。割安感は強く、株価は今後の不安感を織り込んだ価格と見ることもできます。
ピンチはチャンスの可能性も
不透明感は強いですが、株価下落は落ち着いています。2023年3月期は回復を見込み、ここから業績が回復すればお得になる可能性も秘めています。ただし、いくら割安でも、どの銘柄でも下落する可能性はあります。株価が上昇していないというのは「警戒される理由がある」とも言えます。