日本の航空会社といえば「日本航空(JAL)」と「全日本空輸(ANA)」の二大巨頭。今回は全日本空輸の持ち株会社であるANAホールディングス(9202)の株価と配当が今後どうなるのか。業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。
- 株価は大きく下落、配当は連続無配でかなり厳しい
- 業績は大きく赤字見通しで短期的な不安材料は強め
ANAの事業内容と株価情報
はじめにANA(全日本空輸)の事業内容と株価指情報を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:2,298円
予想年間配当:0円
予想PER:—
PBR:0.87倍
2020年10月28日終値時点のデータ
赤字見通し非開示のためPERは算出不可。配当は無配の予定です。
ANAホールディングス(9202)とは
ANAホールディングス株式会社(エーエヌエーホールディングス、英: ANA HOLDINGS INC.)は、航空輸送事業を主力とするANAグループの持株会社である。
子会社の全日本空輸株式会社は現在、国際線、国内線ともに国内最大規模を誇る。略称はANA(エー・エヌ・エーまたはアナ)だが、通称の全日空(ぜんにっくう)で呼ばれることも多い。
ANAホールディングス – Wikipediaより抜粋
ANAグループは全日本空輸株式会社、傘下にはLCCのピーチをはじめ多くの企業で構成されています。
ANAの業績推移と株価チャート
次にANAの業績推移と株価チャートを確認していきます。ANAは国内最大の航空会社ですが、まだまだ収益拡大を狙っています。
売上高と経常利益の推移

2015年3月期:671億円
2016年3月期:1,307億円
2017年3月期:1,403億円
2018年3月期:1,606億円
2019年3月期:1,566億円
2020年3月期:593億円
2021年3月期:-5,000億円(予)
売上高は2兆円を超えて順調に推移していましたが、2020年3月期は売上・利益ともに厳しくなり、特に経常利益は当初1,600億円の見通しでしたが、2度下方修正を行い大きく減益となりました。
2021年3月期の予想経常損益は5,000億円の赤字とかなり厳しい見通しです。
株価チャートの推移
下記はANAホールディングス5年分の週足株価チャートの推移です。

2018年までは上昇トレンドで推移していた株価ですが、その後は業績停滞により下落。
2020年に入ると株価は大きく下落しています。一度下落から持ち直し上昇しかけましたが、回復までに時間がかかると想定されているのもあり、ここ最近の株価は再度大きく下落しています。ここから更に下落する展開も想定されます。
ANAの配当推移と株主優待
次にANAホールディングスの配当金推移と株主優待制度の内容と利回りについて確認していきます。
配当金の推移について
下記はANAホールディングスの配当金推移です。年1回、期末(3月)の一括配当を実施しています。

2016年3月期:50円
2017年3月期:60円
2018年3月期:60円
2019年3月期:75円
2020年3月期:0円
2021年3月期:0円(予)
配当は増配推移していましたが2020年3月期は無配となりました。2021年3月期も無配予定とかなり厳しい状況です。
株主優待制度について
ANAホールディングスの株主優待は「国内線割引優待券」と「グループ優待券」です。3月末、9月末の年2回が権利日です。また、保有株式数により細かく設定されています。
下記は一部抜粋です。
保有株式数 | 優待内容 |
---|---|
100株から 199株 | 国内線搭乗優待1枚 グループ提携ホテル優待1枚 |
200株から 299株 | 国内線搭乗優待2枚 グループ提携ホテル優待2枚 |
保有株式数に応じて段階的に優待券が増える仕組みです。
使い勝手や優待利回りはJALと似たような感じです。早割と併用できないため、割引率的には早割の方が良い場合があります。優待利回りには換算しにくいですがオークションなどでは2,000円程度で取引されているのを考えると優待利回りは1%程度と考えることが出来ます。
ANAの決算内容と今後について
最後にANAホールディングスの決算内容確認と今後について考えていきます。
決算内容の確認
2020年10月27日の決算にて2021年3月期2Q累計(4-9月)の連結最終損益は1,884億円の赤字と発表、あわせて通期の業績予想は連結最終損益が5,100億円の赤字見通し、期末一括配当を見送る予定としています。
今後について
現在は短期的な業績不安から大きく株価が下落しています。
この先、確実に時間はかかりますが、落ち着きを取り戻して東京オリンピックが無事開催、景気が回復すれば業績は戻る可能性は高いです、しかし、2021年3月期は大きく赤字見通し、配当を無配継続としたことからも短期的にはまだまだ株価が下落する可能性も考えられます。
しかし、長期的に見れば安い株価となる可能性は高いです。問題はどれくらい長期として見るか、短期として見るかという目線です。