炭素繊維で世界2位の帝人(3401)。今後の株価と配当はどうなるのか、業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。
- 割安だが業績は厳しい動き
- 配当金は今後も増配・減配する可能性あり
- 長期的にはヘルスケア事業中心の投資がカギ
帝人の株価情報と事業内容について
帝人の株価情報と事業内容を見ていきます。
株価指標
株価:1,368円
予想PER:8.21倍
PBR:0.61倍
時価総額:2,708億円
2022年2月25日終値時点のデータです。
最新の株価参考サイト:帝人(株)【3401】:Yahoo!ファイナンス
PER、PBRともに割安ですが、同業他社も比較的割安水準です。
帝人(3401)とは
帝人株式会社(ていじん、英:Teijin Limited)は、日本の繊維事業者。帝人グループの中核企業であり、事業持株会社である。
みどり会構成企業の一つであり、かつては宇部興産、日立造船と共に「三和御三家」と呼ばれていた。
2018年度で、アラミド繊維・炭素繊維等のマテリアル事業が売上高の76%・営業利益の48%を、独・ベーリンガーインゲルハイム社との合弁に端を発する医薬品等のヘルスケア事業が売上高の17%・営業利益の44%を占めている
帝人 – Wikipediaより抜粋
利益は「ヘルスケア事業」と「繊維・製品事業」が多くを占めています。
炭素繊維で世界2位ですが、医薬や在宅医療機器、樹脂、電子材料など様々な事業を展開しています。
帝人の業績推移と株価推移について
帝人の業績推移と株価推移を見ていきます。
売上高と経常利益の推移

連続減収・減益で推移、2021年3月期の最終損益は減損損失などの影響もあり、66.6億円の赤字となりました。
2022年3月期は回復予想でしたが、下方修正を行い横ばい見通しとしています。
株価の推移
下記は帝人5年分の週足株価チャートです。

株価は長期で下落推移。
2021年以降で見ても下落しており、今後の不透明感もあり厳しい動きをしていると見えます。
帝人の配当情報と決算内容について
帝人の配当情報と決算内容を見ていきます。
配当情報
2022年3月期の予定年間配当:55円
予想年間配当利回り:4.02%
株価が下落した影響もあり、配当利回りは高いです。
配当金の推移
下記は帝人の配当金推移です。
配当権利日は、9月(中間配当)と3月(期末配当)です。

2017年3月期:55円
2018年3月期:60円
2019年3月期:70円
2020年3月期:60円
2021年3月期:50円
2022年3月期:55円(予)
2019年3月期は100周年の記念配当が10円、2022年3月期の配当はやや回復予定としています。
配当性向は2020年3月期が45.6%、2021年3月期は最終赤字、2022年3月期の予想は約33%です。
配当方針の確認
配当方針は「安定的・継続的な配当に配慮」、「中期的な配当性向は30%を目安」としています。
参考:株主還元|帝人株式会社
決算内容を確認
2022年2月7日に決算発表。
2022年3月期3Q累計(4-12月)の連結経常利益は413億円と発表。
また、通期の同利益を600億円予想から530億円予想に下方修正しています。
帝人の今後について
帝人の今後について考えてみます。
今後について
原料価格上昇、薬価・診療報酬改定、世界経済の不透明感など短期的にも長期的にもやや苦しい条件がある状態です。
また、複数の医薬品で承認申請・臨床試験を行っており、これらは一つのニュースで大きくプラスになる可能性もマイナスになる可能性も持っています。
中期的な動き
ヘルスケアを中心に設備投資・M&Aを行っています。
2021年3月にはジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(JTEC)(7774)へのTOBが成立。傘下としており、ヘルスケア事業がどこまで伸びるかが業績のカギを握っています。