炭素繊維で世界2位の帝人(3401)。
今後の株価と配当はどうなるのか、株価指標と業績推移、株価チャートと配当推移を確認してみました。
- 株価は下落し厳しい推移
- 業績回復予想も減配予定
- ヘルスケア事業への投資が今後のカギ
帝人の株価情報と業績推移について
帝人の株価情報と業績推移・株価チャートを確認していきます。
株価の指標
株価:1,480円
予想PER:21.89倍
PBR:0.64倍
予想EPS:67.60円
時価総額:2,930億円
2023年8月31日終値時点のデータ
最新の株価参考:帝人(株)【3401】:Yahoo!ファイナンス
PBRは割安ですが、同業他社も割安水準です。
業績の推移
下記は帝人の売上高・営業利益・経常利益・最終利益の推移です。

2021年3月期は減損損失などの影響もあり、最終損益は66.6億円の赤字に。
2023年3月期は大きく減益となり、最終赤字となりました。
2024年3月期は増収・増益見通しとしています。
株価のチャート
下記は帝人5年分の週足株価チャートです。

株価は長期で下落推移しています。業績悪化に加え、不透明感もあり厳しい推移をしていると見えます。
2023年以降では上昇する場面もありますが、まだまだ弱い動きです。
帝人の配当情報と株主優待について
帝人の配当情報と株主優待制度を確認していきます。
配当金の情報
2024年3月期の予定年間配当:30円
予想年間配当利回り:2.03%
配当金の推移について
下記は帝人の配当金推移です。配当権利日は9月(中間配当)と3月(期末配当)です。

2019年3月期:70円
2020年3月期:60円
2021年3月期:50円
2022年3月期:55円
2023年3月期:40円
2024年3月期:30円(予)
配当金は2023年3月期に再度減配、2024年3月期も減配予定としています。
配当性向は2023年3月期が最終赤字、2024年3月期の予想が約44%です。
配当方針の確認
配当方針は「安定的・継続的な配当に配慮」、「中期的な配当性向は30%を目安」としています。配当性向を考えると厳しさが見えます。
参考:株主還元|帝人株式会社
株主優待について
株主優待制度は実施していないです。
帝人の事業内容と今後について
帝人の事業内容と財務情報の確認と今後について考えてみます。
帝人(3401)の概要
帝人株式会社(ていじん、英:Teijin Limited)は、日本の大手化学メーカー。帝人グループの中核企業であり、事業持株会社である。
みどり会構成企業の一つであり、かつては宇部興産、日立造船と共に「三和御三家」と呼ばれていた。2020年3月末時点の子会社及び関連会社数は174社である。
帝人 – Wikipediaより抜粋
「マテリアル事業」、「ヘルスケア事業」、「繊維・製品事業」を中心に事業を展開しています。
炭素繊維で世界2位ですが、医薬や在宅医療機器、樹脂、電子材料など様々な事業を展開しています。
3カ月決算の実績
下記は帝人の連結経常利益の推移と前期との比較です。

2024年3月期の連結経常利益は310億円見通しとしています。
キャッシュフロー
下記は帝人のキャッシュ・フロー推移です。

帝人の今後について
生産性改善、販売価格改定や生産トラブルの解消などにより2024年3月期は増益見通しとしています。
また、複数の医薬品で承認申請・臨床試験を行っており、これらは一つのニュースで大きくプラスになる可能性もマイナスになる可能性も持っています。
中期的な動き
ヘルスケアを中心に設備投資・M&Aを行い成長を目指しています。
2021年3月にはジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(JTEC)(7774)へのTOBが成立。ヘルスケア事業がどこまで伸びるかがカギを握っています。