炭素繊維で世界2位の帝人(3401)。今後の株価と配当はどうなるのか、業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。
- 割安感あり、厳しい業績推移
- 株価は警戒感もあり下落推移
- ヘルスケア事業への投資が業績のカギ
帝人の株価情報と業績推移
帝人の株価情報と業績推移を見ていきます。
株価指標
株価:1,242円
予想PER:14.92倍
PBR:0.52倍
予想EPS:83.25円
時価総額:2,459億円
2022年11月10日終値時点のデータ。
最新の株価参考:帝人(株)【3401】:Yahoo!ファイナンス
割安ですが、同業他社も割安水準です。
売上高と利益の推移
下記は帝人の売上高・営業利益・経常利益・最終利益の推移です。

連続減益で推移し、2021年3月期は減損損失などの影響もあり、最終損益は66.6億円の赤字となりました。
2022年3月期は回復予想でしたが減益で着地、2023年3月期は下方修正して減益見通しとしています。
株価の推移
下記は帝人5年分の週足株価チャートです。

株価は長期で下落推移。
2021年以降も下落しており、業績悪化に加え、今後の不透明感もあり厳しい推移をしていると見えます。
帝人の配当情報と株主優待
帝人の配当情報と株主優待を見ていきます。
配当情報
2023年3月期の予定年間配当:40円
予想年間配当利回り:3.22%
株価が下落した影響もあり、高めの配当利回りです。
配当金の推移
下記は帝人の配当金推移です。配当権利日は、9月(中間配当)と3月(期末配当)です。

2018年3月期:60円
2019年3月期:70円
2020年3月期:60円
2021年3月期:50円
2022年3月期:55円
2023年3月期:40円(予)
2019年3月期は100周年の記念配当が10円、2022年3月期の配当はやや回復も、2023年3月期は減配予定としています。
配当性向は2022年3月期は45.6%、2023年3月期の予想は約48%です。
配当方針の確認
配当方針は「安定的・継続的な配当に配慮」、「中期的な配当性向は30%を目安」としています。
配当性向を考えるとやや厳しめと見えます。
参考:株主還元|帝人株式会社
株主優待について
株主優待制度は実施していないです。
帝人の事業・決算内容と今後について
帝人の事業・決算内容の確認と今後について考えてみます。
帝人(3401)とは
帝人株式会社(ていじん、英:Teijin Limited)は、日本の大手化学メーカー。帝人グループの中核企業であり、事業持株会社である。
みどり会構成企業の一つであり、かつては宇部興産、日立造船と共に「三和御三家」と呼ばれていた。
2020年3月末時点の子会社及び関連会社数は174社である。
帝人 – Wikipediaより抜粋
「マテリアル事業」、「ヘルスケア事業」、「繊維・製品事業」を中心に事業を展開しています。炭素繊維で世界2位ですが、医薬や在宅医療機器、樹脂、電子材料など様々な事業を展開しています。
決算内容を時系列に確認
2022年5月12日に決算発表。
2022年3月期の連結経常利益は496億円と発表。2023年3月期の同利益は520億円見通し、年間配当は55円予定としています。
2023年3月期1Q決算
2022年8月8日に決算発表。
2023年3月期1Q(4-6月)の連結経常利益は142億円と発表、前年同期比22.6%減となりました。
2023年3月期2Q決算
2022年11月7日に決算発表。
2023年3月期2Q累計(4-9月)の連結経常利益は199億円と発表。また、通期の同利益を520億円予想から290億円予想に下方修正、年間配当を55円予定から40円予定に減額修正しています。
今後について
主力薬の他社製後発品の参入、半導体不足や原材料価格高騰などで厳しい業績見通しとしています。
また、複数の医薬品で承認申請・臨床試験を行っており、これらは一つのニュースで大きくプラスになる可能性もマイナスになる可能性も持っています。
中期的な動き
ヘルスケアを中心に設備投資・M&Aを行い成長を目指しています。
2021年3月にはジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(JTEC)(7774)へのTOBが成立。傘下としており、ヘルスケア事業がどこまで伸びるかが業績のカギを握っています。