電線大手の住友電気工業(5802)。業績悪化の影響などで株価が下落推移、配当も連続減配予定です。果たして住友電工の今後の株価と配当はどうなるのか。業績推移・株価チャート・配当金推移を分析してみました。
- 配当連続減配予定で今後の配当も不安
- 業績推移が厳しいこともあり中期的な株価は下落推移
- 自動車業界がどうなるか不安はあるが業界ではトップメーカー
住友電気工業の事業内容と株価指標
はじめに住友電気工業の事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:1,257.5円
予定年間配当:32円
年間配当利回り:2.54%
予想PER:65.4倍
PBR:0.67倍
2020年12月11日終値時点のデータ
PERは割高、PBRは割安です。減配予定ですが利回りは平均より高めです。
住友電気工業(5802)とは
住友電気工業株式会社(すみともでんきこうぎょう、英文社名:Sumitomo Electric Industries, Ltd)は日本最大手の非鉄金属メーカーである。世界トップシェアの製品を多数持ち、世界五大陸40カ国以上に約390社、27万人を超える社員を擁する。通称は“住友電工”。
製造業としては海外展開の最も進んだ企業の一つ。住友ゴム工業の大株主である。住友グループの中核企業であり、住友商事、日本電気とともに住友新御三家の一角である。
住友電気工業 – Wikipediaより抜粋
事業として「自動車」、「情報通信」、「エレクトロニクス」、「環境エネルギー」、「産業素材」の5分野を展開しています。中でも現在の主力はワイヤーハーネスを中心とした自動車関連です。

住友電気工業の業績推移と株価チャートの推移
次に住友電気工業の業績推移と株価チャートを確認していきます。
売上高・経常利益の推移

売上は右肩上がりではないですが、比較的安定推移。しかし、利益は減益推移で2021年3月期も大きく減益見通しです。
株価チャートの推移
下記は住友電気工業5年分の週足株価チャートの推移です。

長期では広めのレンジで推移しています。2020年に入り大きく下落した後にやや株価を戻しています。現在は大きく株価が下落する前のレンジ下限の位置です。一度レンジを抜けて下落しているため、ここから下落する可能性も考えられます。
住友電気工業の配当推移と決算内容
次に住友電気工業の配当推移と決算内容を確認していきます。
配当金の推移
下記は住友電気工業の配当金の推移です。年2回、中間配当(9月)と期末配当(3月)を実施しています。

2016年3月期:35円
2017年3月期:40円
2018年3月期:46円
2019年3月期:48円
2020年3月期:40円
2021年3月期:32円(予)
配当は増配推移していましたが、2020年3月期の期末配当で減額修正、2021年3月期は減配予定で連続減配予定です。
配当方針は「安定的な配当の維持を基本に、連結業績、配当性向、内部留保の水準等総合的に判断」としています。2020年3月期の配当性向は42.9%、2021年3月期の予想配当性向は約160%とかなり高いです。
決算内容の確認
2020年11月6日の決算にて2021年3月期2Q累計(4-9月)の連結経常損益は240億円の赤字と発表、あわせて通期の同利益を480億円から610億円に上方修正しています。
住友電気工業の今後の株価について
最後に住友電気工業の今後の株価について考えてみます。
今後について
業績悪化の主な要因は超硬工具や携帯機器用FPCの需要減少、及び円高影響です。メインのワイヤーハーネス、自動車関連は研究費や減価償却費・円高の影響で減益。
売上の多くが自動車関連なので、自動車業界の動向が大きく業績に影響を与えるため厳しい想定です。また、為替の円高がいつまで続くかなどの不安点もあります。しかし、業界トップメーカーのブランド力を持っているのはプラスポイントです。