リコー系で事務機器のリースを行うリコーリース(8566)。業績悪化懸念から株価が大きく下落していますが、これまでの業績は比較的安定しており配当は連続増配中です。果たして今後の株価と配当がどうなるのか。株価指標・業績推移・配当推移を分析してみました。
- 株価指標の割安感は強めで配当利回りも高め
- 株主優待はオマケ印象の強いQUOカードを実施
- 連続増配中で業績は比較的安定推移
リコーリースの事業内容と株価指標
はじめにリコーリースの事業内容と株価指標・配当利回りを確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:2,794円
予定年間配当:95円
年間配当利回り:3.4%
予想PER:7.6倍
PBR:0.46倍
2020年10月30日終値時点のデータ
株価指標はかなり割安です。年間の配当利回りも平均より高めです。
リコーリース(8566)とは
リコーリース株式会社はリコーの光学、OA製品のリース、ビジネスローン、集金代行サービスなど各種金融サービス事業を提供する理研グループの企業である。事業基盤は中小企業向けの小口リース・割賦事業である。リコーグループ唯一の国内金融子会社であり、資金面・人的面でもリコーグループとは密接なつながりがある。
リコーリース – Wikipediaより抜粋
「リース・割賦事業」と「金融サービス事業」の2つの事業を軸に、総合的なフィナンシャルサービスを提供しています。取引先の企業の98%が中小企業なのが特徴です。
リコーリースの配当推移と株主優待
次にリコーリースの配当金の推移と株主優待制度を確認していきます。
配当金の推移
下記はリコーリースの配当金の推移です。年2回、中間配当(9月)と期末配当(3月)を実施しています。

2016年3月期:55円
2017年3月期:60円
2018年3月期:70円
2019年3月期:80円
2020年3月期:90円
2021年3月期:95円(予)
配当は毎年増配して推移しています。
株主還元の目標として「2023年3月期に配当性向30%」としています。2019年3月期の配当性向は20.9%、2020年3月期の配当性向は23.5%、2021年3月期の予想配当性向は約26%と問題ない水準です。
株主優待制度について
リコーリースの株主優待制度は100株以上保有で「3,000円相当のQUOカード」です。3月末が権利日です。1年以上継続保有で4,000円相当に、3年以上継続保有で5,000円相当にグレードアップします。
100株保有で3,000円相当とした場合の優待利回りは約1%です。
リコーリースの業績推移と株価チャート
次にリコーリースの売上・利益の推移と株価チャートの推移を確認していきます。
売上高と経常利益の推移

売上・利益は比較的安定して推移しています。2021年3月期は減収・減益見通しですが大きくは減少しない予想です。
株価チャートの推移
下記はリコーリース5年分の週足株価チャートの推移です。

比較的レンジで推移していた株価ですが2019年は上昇して2020年1月には最高値の4,500円となりました。しかし、その後大きく株価が下落。現在も過去の株価や株価指標を考えると安い水準で推移しています。
リコーリースの決算内容と今後
最後にリコーリースの決算内容の確認と今後について考えていきます。
決算内容の確認
2020年10月28日の決算にて2021年3月期2Q累計(4-9月)の連結経常利益は87.6億円と発表、前年同期比3.2%減、通期計画の164億円に対する進捗率は53.4%となりました。
今後について
株価指標の割安感は強く、配当は連続増配中で業績も安定しています。
しかし、売上・利益の主力である「リース・割賦事業」ですが、企業が設備投資を行えば業績が良くなり、設備投資を控えると業績が悪くなります。主な顧客が中小企業であることを考えると、短期的には顧客先企業が設備投資を控えて業績が悪化する可能性があります。その警戒感もあり株価は下落し安値圏で推移しています。
また、今後は医療・介護報酬ファクタリングサービス(早期資金化)や集金代行サービスを拡大するとしています。多くのニーズに答えることが出来れば大きく成長できる可能性はありますが。まだまだ売上・利益に占める割合は小さく、今後どうなるかは見えにくいです。