電動工具で国内最大手のマキタ(6586)、今後の株価と配当はどうなるのか。業績推移と株価チャート・配当推移を分析してみました。一時は大きく株価が下落しましたが、現在は底値から抜け出し上昇しています。
- 株価指標は割高感があり、配当・優待利回りは低め
- 業績予想上方修正により株価は上昇
- 将来的な投資もしっかり行っている
マキタの株価情報と事業内容
はじめにマキタの株価情報を事業内容を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:5,230円
予定年間配当:未定
年間配当利回り:—
予想PER:29.6倍
PBR:2.39倍
2020年11月11日終値時点のデータ
株価指標は割高感があります。配当は未定としていますが、仮に年間53円とした場合の配当利回りは約1%です。
マキタ(6586)とは
株式会社マキタ(英: Makita Corporation)は、電動工具をはじめとする総合電動工具の製造販売を行う日本の株式会社である。
電動工具の国内最大手であり日本国内シェアは約60%を占める。また1970年代から日本国外での製造販売に力を入れており、売上高の82.8%(2014年3月期)が日本国外のものである。そのブランドは世界中に知られており世界の電動工具市場シェアは約25%を占めブラック・アンド・デッカーに続く世界2位のシェアを誇るなど電動工具の世界的企業である。
マキタ – Wikipediaより抜粋
マキタは電動工具を中心とした製品を展開しています。約9割を中国をはじめとした海外工場で生産し、売上高の8割が欧州・北米を中心とした海外です。

マキタの業績推移と株価チャート
次にマキタの業績推移と株価チャートを確認していきます。
マキタの売上高と経常利益の推移

好調に推移していた利益ですが、2020年3月期は減益となりました。2021年3月期もさらに減益予想でしたが上方修正を行い増益見通しです。
株価チャートの推移
下記はマキタ5年分の株価チャートの推移です。

緩やかに上昇していた株価ですが、2018年10月頃から業績悪化により下落。
その後、株価持ち直した後に再度下落、現在は底値から抜け出し上昇していますが、直近高値圏に近いため、いつ上昇が止まってもおかしくないラインです。
マキタの配当推移と株主優待制度
次にマキタの配当金の推移と株主優待制度を確認していきます。
配当金の推移
マキタは年2回、中間配当(9月)と期末配当(3月)を実施しています。

2016年3月期:50.5円
2017年3月期:50円
2018年3月期:61円
2019年3月期:62円
2020年3月期:53円
2021年3月期:未定
配当金はややばらつきがあります。
マキタは「年間配当金10円を下限とし、連結配当性向30%以上とすることを利益配分の基本方針」としています。配当性向は2019年3月期が30.2%、2020年3月期が30.1%です。現状の利益予想と配当性向30%と考えると2021年3月期の配当は据え置きの年間53円あたりが目安となりそうです。
株主優待について
マキタの株主優待は「クオカードまたは自社製品」です。権利日は3月末、3年以上継続保有している場合が対象です。
保有株式数 | 優待品内容 |
---|---|
100株以上 | クオカード 1,000円相当 |
500株以上 | クオカード 5,000円相当 |
1,000株以上 | 自社製品またはクオカード 10,000円相当 |
100株保有で1,000円相当と考えると優待利回りは約0.19%です。3年以上の継続保有条件付きで利回りも低めです。
マキタの決算内容と今後について
最後にマキタの決算内容確認と今後について考えてみました。
決算内容について
2020年10月30日の決算にて2021年3月期2Q累計(4-9月)の連結経常利益は382億円と発表、あわせて通期の同利益を530億円から675億円に上方修正しています。
今後について
電動工具の国内トップメーカーで、製品の生産・販売の80%以上を海外で行い、多くの国に生産・営業拠点があります。海外売上比率が高く展開する地域も多いため、ドルやユーロの為替レートにとどまらず、新興国通貨や円以外の通貨同士の変動が業績に悪影響を与える場合もあります。
自己資本比率が高く、営業利益率(本業の利益を売上高で割ったもの)も10%以上を記録し続ける財務体質が良好な高収益企業です。今後を見据えた営業拠点拡充による人件費増が短期的には利益圧迫となりましたが、将来の為の投資と見ることもできます。