通信設備事業、5Gインフラを行うNEC(6701)。業績悪化により株価が一時、急落しましたが、長期で上昇しています。果たして今後のNECの株価と配当はどうなるのか。業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。
- 株価指標に割安感はなく、配当利回りは低め
- 配当金は業績に応じて変動する印象、今後も上下する可能性あり
- この先の需要は大きく見込めるが競合もある
NECの事業内容と株価指標
はじめにNECの事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:6,320円
予定年間配当:80円
年間配当利回り:1.27%
予想PER:19.1倍
PBR:1.64倍
2021年2月5日終値時点のデータ
PER、PBRともに目立った割安感はないです。配当利回りは平均より低めです。
NEC(6701)とは
日本電気株式会社(にっぽんでんき、英: NEC Corporation、略称:NEC(エヌ・イー・シー)、旧英社名 Nippon Electric Company, Limited の略)は、住友グループの電機メーカー。
一般的には略称の『NEC』が使われ、ロゴマークや関連会社の名前などにも「NEC」が用いられている。なお、住友電気工業と兄弟会社で、同社及び住友商事とともに住友新御三家の一角であるが、住友の象徴である井桁マークは使用していない。
日本電気 – Wikipediaより抜粋
事業セグメントは「パブリック事業」、「エンタープライズ事業」、「ネットワークサービス事業」、「システムプラットフォーム事業」、「グローバル事業」などです。
子会社・関連会社が多く、事業は多岐にわたりますが、有線・無線通信機器、コンピュータ、ITサービスを主力事業としています。
参考:NECの事業|NEC
NECの業績推移と株価チャート
次にNECの業績推移と株価チャートを確認していきます。
売上高と最終利益の推移

利益はやや不安定な推移です。2020年3月期は大きく増益で過去最高の最終益でしたが、2021年3月期は減収・減益見通しです。
参考:売上・損益の状況|NEC
株価チャートの推移
下記はNEC5年分の週足株価チャートの推移です。

長期の株価は上昇していますが、2020年に入り株価は一時大きく下落。その後すぐに上昇したものの、2020年7月の1Qにて赤字と発表されると再び株価は急落。しかし、2021年1月末の3Qにて前年同期比増の発表で再び上昇する気配を見せています。
NECの配当推移と決算内容
次にNECの配当金の推移と決算内容を確認していきます。
配当金の推移
下記はNECの配当推移です。年2回、中間配当(9月)と期末配当(3月)を実施しています。

2016年3月期:60円
2017年3月期:60円
2018年3月期:60円
2019年3月期:40円
2020年3月期:70円
2021年3月期:80円(予)
2019年3月期は20円減配しましたが、その後増配しています。
配当方針は「各期の利益状況や今後の資金需要等を総合的に考慮した株主還元に努める」です。配当性向は2019年3月期が25.8%、2020年3月期は18%、2021年3月期の予想は約24%です。過去の配当推移・方針から業績に連動した配当となる可能性が高いです。今後も良くも悪くも配当が変動する可能性があります。
参考:配当金・株主還元|NEC
決算内容について
2021年1月29日の決算にて2021年3月期3Q累計(4-12月)の連結経常利益は857億円と発表。前年同期比8.8%増となりました。上期時点では前年同期比で苦戦していましたが大きく盛り返しています。
NECの今後の株価について
最後にNECの今後の株価について考えていきます。
今後について
NECは海外にも事業を展開していますが、主力は国内のITインフラ関係で、今後の業績は5Gを含めたデジタル分野の動向に影響を受けます。2020年6月25日にはNTTと資本業務提携を行い、約640億円の出資を受けました。国内の5Gインフラは海外と比較し遅れをとっているため、ここから巻き返しを図ると見られています。
5Gは自動運転やIoTなどこれから先の新しいIT分野、人手不足対策に必須の技術です。需要はもちろん大きいですが、イコール株価上昇、業績上昇とは言い切れません。NTTの支援は大きいですが、当然、国内外に多数の競争相手がいます。