総合商社の三井物産(8031)。今後の株価と配当はどうなるのか、業績推移・株価チャートと配当推移を分析してみました。
- 株価上昇で、以前ほどの割安感・配当利回りは無い
- 配当方針を考えると安定期待値は高い
- 多くのリスク要因がある反面、リスク分散ともいえる
三井物産の株価情報と業績推移
三井物産の株価情報と業績推移を見ていきます。
株価指標
株価:3,920円
予想PER:6.35倍
PBR:1.02倍
時価総額:6兆2,425億円
2022年12月26日終値時点のデータ。
最新の株価参考:三井物産(株)【8031】:Yahoo!ファイナンス
売上高と利益の推移
下記は三井物産の売上高・経常利益・最終利益の推移です。

2020年3月期、2021年3月期と連続減益で厳しくなりましたが、2022年3月期は大きく増収・増益に。
2023年3月期も最終増益予想で好調な見通しです。
株価の推移
下記は三井物産5年分の週足株価チャートです。

株価は比較的レンジで推移していましたが、2021年以降はレンジを抜けて大きく上昇。
2022年6月にやや下落しましたが、その後戻してさらに上昇しています。
三井物産の配当情報と株主優待
三井物産の配当情報と株主優待制度を見ていきます。
配当情報
2023年3月期の予定年間配当:130円
予想年間配当利回り:3.32%
高い配当利回りですが以前ほどは高くないです
配当金の推移
下記は三井物産の配当金推移です。配当権利日は、9月(中間配当)と3月(期末配当)です。

2018年3月期:70円
2019年3月期:80円
2020年3月期:80円
2021年3月期:85円
2022年3月期:105円
2023年3月期:130円(予)
配当金は増配傾向で推移、2023年3月期も増配予定としています。
配当性向は2022年3月期が18.7%、2023年3月期の予想は約21%です。
株主還元方針の確認
三井物産の株主還元方針は中期経営計画にて「年間配当の下限を80円と設定」しています。
あくまでも下限が80円で業績次第で+αとしています。
株主優待について
株主優待制度は実施していないです。
三井物産の事業・決算内容と今後について
三井物産の事業・決算内容の確認と今後について考えてみます。
三井物産(8031)とは
三井物産株式会社(みついぶっさん、英: MITSUI & CO., LTD.)は、三井グループの大手総合商社。
三井不動産、三井銀行(現:三井住友銀行)と並ぶ『三井新御三家』の一つ。鉄鉱石、原油の生産権益量は商社の中でも群を抜いている。
三井物産- Wikipediaより抜粋
三井物産は三井グループ中核の総合商社です。鉄鉱石、原油の生産権益量、インフラに強みがあります。トヨタグループとの繋がりが深く、カナダや中南米の一部の国におけるトヨタの販売会社に出資する等の関係を継続しています。
また「セブン&アイ・ホールディングス」とも親密で、物流やショッピングセンター開発などの面で提携しています。
決算内容を時系列に確認
2022年3月期の連結最終利益は9,147億円と発表。2023年3月期の同利益は8,000億円見通し、年間配当は120円予定としています。(2022年5月2日の決算発表にて)
2023年3月期1Q決算
2023年3月期1Q(4-6月)の連結最終利益は2,750億円と発表、前年同期比43.8%増となりました。(2022年8月2日の決算発表にて)
2023年3月期2Q決算
2023年3月期2Q累計(4-9月)の連結最終利益は5,391億円と発表。また、通期の同利益を8,000億円予想から9,800億円予想に上方修正、年間配当を120円予定から130円予定に増額修正しています。(2022年11月1日の決算発表にて)
今後について
多くの事業セグメントがあるため、さまざまな出来事の影響を受けます。
原油・鉄鉱石などの販売価格、為替レートや金利に加え、多くの株式を保有しているので株式市場の影響など。
短期で好調
各国の経済対策効果・原油などの資源価格上昇もあり、2022年3月期は大きく上方修正し好調となりました。想定以上の強さを見せたことで株価も上昇。
高めの位置で株価が推移しており、業績好調さが続くと考えられているとも見えます。配当は中期経営計画にて下限を定め安定配当に期待ができます。
安心感と警戒感
多くのセグメントがあるのは多くのリスクを抱えると同時にリスク分散とも言えます。しかし、多くの不透明材料もあり、経済活動や消費が低迷すれば業績に悪影響を及ぼします。
株価には業績がどこまで織り込まれているのか見極める必要もあります。