総合商社の三井物産(8031)。
今後の株価と配当はどうなるのか、株価指標と業績推移、株価チャートと配当推移を確認してみました。
- 株価上昇で、以前ほどの割安感・配当利回りは無い
- 配当方針を考えると安定期待値は高い
- 多くのリスク要因がある反面、リスク分散ともいえる
三井物産の株価情報と業績推移
三井物産の株価情報と業績推移・株価チャートを確認していきます。
株価の指標
株価:4,213円
予想PER:7.3倍
PBR:1.01倍
予想EPS:582.79円
時価総額:6兆5,082億円
2023年5月8日終値時点のデータ
最新の株価参考:三井物産(株)【8031】:Yahoo!ファイナンス
業績の推移
下記は三井物産の売上高・経常利益・最終利益の推移です。

2020年3月期、2021年3月期と連続減益で厳しくなりましたが、2022年3月期は大きく増収・増益。2023年3月期も増優・増益で過去最高益を更新。
2024年3月期は最終減益予想としています。
株価のチャート
下記は三井物産5年分の週足株価チャートです。

株価は比較的レンジで推移していましたが、2021年以降はレンジを抜けて大きく上昇。
2022年6月にやや下落しましたが、その後戻してさらに上昇しています。
三井物産の配当情報と株主優待
三井物産の配当情報と株主優待制度を確認していきます。
配当情報
2024年3月期の予定年間配当:150円
予想年間配当利回り:3.56%
高い配当利回りですが以前ほどは高くないです
配当金の推移について
下記は三井物産の配当金推移です。配当権利日は9月(中間配当)と3月(期末配当)です。

2019年3月期:80円
2020年3月期:80円
2021年3月期:85円
2022年3月期:105円
2023年3月期:140円
2024年3月期:150円(予)
配当金は増配推移、2024年3月期も増配予定としています。
配当性向は2023年3月期が19.4%、2024年3月期の予想は約26%です。
株主還元方針の確認
三井物産の株主還元方針は中期経営計画2026にて「年間配当の下限を150円とした配当維持または増配を行う累進配当」としています。
下限が150円で累進配当方針なので安定配当に期待が持てます。
株主優待について
株主優待制度は実施していないです。
三井物産の事業内容と今後について
三井物産の事業内容と財務情報の確認と今後について考えてみます。
三井物産(8031)の概要
三井物産株式会社(みついぶっさん、英: MITSUI & CO., LTD.)は、三井グループの大手総合商社。
三井不動産、三井銀行(現:三井住友銀行)と並ぶ『三井新御三家』の一つ。鉄鉱石、原油の生産権益量は商社の中でも群を抜いている。
三井物産- Wikipediaより抜粋
三井物産は三井グループ中核の総合商社です。鉄鉱石、原油の生産権益量、インフラに強みがあります。トヨタグループとの繋がりが深く、カナダや中南米の一部の国におけるトヨタの販売会社に出資する等の関係を継続しています。
また「セブン&アイ・ホールディングス」とも親密で、物流やショッピングセンター開発などの面で提携しています。
3カ月決算の実績
下記は三井物産の各決算期における連結最終利益の推移と前期との比較グラフです。

2024年3月期の連結最終利益は8,800億円見通しとしています。
キャッシュフロー
下記は三井物産のキャッシュ・フローの推移です。

営業CFが増加しており好調です。
三井物産の今後について
多くの事業セグメントがあるため、さまざまな出来事の影響を受けます。
原油・鉄鉱石などの販売価格、為替レートや金利に加え、多くの株式を保有しているので株式市場の動きも業績に影響があります。
好調な業績
各国の経済対策効果・原油などの資源価格上昇もあり、2022年3月期、2023年3月期は好調となりました。
配当は中期経営計画にて下限を定め、累進配当方針としているため安定配当に期待ができます。
警戒感について
多くのセグメントがあるのは多くのリスクを抱えると同時にリスク分散とも言えます。しかし、多くの不透明材料もあり、経済活動や消費が低迷すれば業績に悪影響を及ぼします。
また、2024年3月期は減益を見込み警戒感もあります。