日産自動車傘下の三菱自動車工業(7211)。株価は業績悪化により大きく下落しています。果たして三菱自動車の株価と配当は今後どうなるのか。業績推移・配当推移・株価チャートを分析してみました。
- 業績悪化により株価はかなり下落している
- 配当は8期ぶりの無配に転落
- かなり安い株価ではあるが短期の不安材料は多い
三菱自動車工業の事業内容と株価指標
はじめに三菱自動車の事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:203円
予定年間配当:0円
年間配当利回り:0%
予想PER:—
PBR:0.54倍
2020年11月25日終値時点のデータ
PBRはかなり割安です。2021年3月期の配当は無配(0円)予定です。
三菱自動車工業(7211)とは
三菱自動車工業株式会社(みつびしじどうしゃこうぎょう、略称:三菱自動車(みつびしじどうしゃ)・三菱自工(みつびしじこう)、英語: Mitsubishi Motors Corporation、略称:MMC)は、日本の自動車メーカーである。1970年に三菱重工業から独立した。 2016年10月に日産自動車が筆頭株主となり、日産自動車とフランスのルノーと共にルノー・日産・三菱アライアンスを構成している。
2016年の販売台数は92万6000台で、内訳は北米13万8000台、欧州17万9000台、日本8万0000台、アジア31万5000台、その他21万4000台。日本国内での登録台数シェア(≒販売台数シェア)は、2017年で0.9%、2018年で1.1%という企業である。
三菱自動車工業 – Wikipediaより抜粋
筆頭株主は約34%の株式を保有する日産自動車です。売上比率でみるとアジアを中心とした海外が中心で約80%を占めています。

三菱自動車工業の業績推移と株価チャート
次に三菱自動車工業の業績推移と株価チャートを確認していきます。
売上高と経常利益の推移

2020年3月期の経常利益は当初1,000億円の見通しとしていましたが、出荷台数の減少・為替の見直し等により最終的に赤字で着地。2021年3月期も更に赤字が膨らむ見通しです。
参考:業績・財務ハイライト|MITSUBISHI MOTORS
株価チャートの推移
下記は三菱自動車工業5年分の週足株価チャートの推移です。

株価はかなり下落推移しています。
株価300円以下は過去最安値水準です。ここからは明確な止まりやすいラインはないため、すぐに止まるのか、それともさらに下落するのか見えにくいです。現在の株価は過去と比較すると安いですが止まる場所の見極めはかなり難しいです。上昇した場合は一旦のメドとして500-600円あたりとなりそうです。
三菱自動車工業の配当推移と決算内容
次に三菱自動車工業の配当推移と決算内容を確認していきます。
配当金の推移

2016年3月期:16円
2017年3月期:10円
2018年3月期:17円
2019年3月期:20円
2020年3月期:10円
2021年3月期:0円(予)
2020年3月期は期末配当を見送り10円の減配、2021年3月期は無配予定です。無配となるのは2013年3月期以来と、かなり厳しい状況です。
決算内容を確認
2020年11月4日の決算にて2021年3月期2Q累計(4-9月)の連結経常損益は870億円の赤字と発表しています(前年同期は12.4億円の黒字)
三菱自動車工業の今後について
最後に三菱自動車工業の今後について考えていきます。
今後について
三菱自動車は海外売上高比率が約8割あります。中でもASEAN諸国の割合が高く、その国の経済情勢及び社会情勢などの影響を大きく受けます。
新中期経営計画ではASEANへ資源集中することで収益改革を目指し、2023年3月期には営業利益500億円を目指します。不透明感はあるものの将来的には主に新興国での成長は期待できます。
現在の株価は間違いなく安いですが、あくまでも長期的に考えた場合です。短期的には業績がかなり厳しく株価はまだまだ下落する可能性も当然あります。また、復活するまでどれだけ時間がかかるか、不透明感は強いため株価が下落していると見ることが出来ます。