総合商社の三菱商事(8058)。今後の株価と配当はどうなるのか、業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。経営戦略にて継続して「累進配当を基本方針(減配無し)」としています。
- 配当利回りは商社銘柄にありがちな高い水準
- 累進配当方針で配当が減る可能性は低い
- 事業内容や将来の伸びしろを考えるのが重要
三菱商事の株価情報と業績推移
三菱商事の株価情報と業績推移を見ていきます。
株価指標
株価:4,586円
予想PER:5.84倍
PBR:0.84倍
予想EPS:785.67円
時価総額:6兆7,604億円
2023年3月24日終値時点のデータ。
最新の株価参考:三菱商事(株)【8058】:Yahoo!ファイナンス
割安ですが、商社銘柄は割安な銘柄が多いです。
業績の推移
下記は三菱商事の売上高・経常利益・最終利益の推移です。

2020年3月期、2021年3月期と連続減益になりましたが、2022年3月期は大きく回復して過去最高益を更新。2023年3月期の最終利益は増益見通しとしています。
株価の推移
下記は三菱商事5年分の週足株価チャートです。

2020年は取り巻く環境の変化や商社銘柄への注目もあり不安定な動きに。2021年以降は大きく株価が上昇していましたが、2022年6月に急落しているように警戒感もあります。
三菱商事の配当情報と株主優待
三菱商事の配当情報と株主優待制度について見ていきます。
配当情報
2023年3月期の予定年間配当:180円
予想年間配当利回り:3.92%
高めの利回りですが、商社銘柄・過去の利回りと比較すると目立った高さは無いです。
配当金の推移
下記は三菱商事の配当金推移です。配当権利日は、9月(中間配当)と3月(期末配当)です。

2018年3月期:110円
2019年3月期:125円
2020年3月期:132円
2021年3月期:134円
2022年3月期:150円
2023年3月期:180円(予)
連続増配推移で2023年3月期も増配予定としています。
配当性向は2022年3月期が23.6%、2023年3月期の予想が約22%です。
配当方針の確認
株主還元の基本方針は『中期経営戦略2024』にて「利益成長に応じて増配を行う累進配当」、「30%~40%程度の総還元性向を目処」としています。
参考:配当情報|三菱商事
株主優待について
株主優待制度は実施していないです。
三菱商事の事業・決算内容と今後について
三菱商事の事業・決算内容の確認と今後について考えてみます。
三菱商事(8058)とは
三菱商事株式会社(みつびししょうじ、英: Mitsubishi Corporation)は、三菱グループの大手総合商社。
三井物産、住友商事、伊藤忠商事、丸紅と共に五大商社の一つ。
三菱商事 – Wikipediaより抜粋
三菱商事は日本最大規模の総合商社です。国内外の拠点数は200を超え、多くの企業と連携しながらビジネスを展開しています。「三菱食品(7451)」、「ローソン(2651)」などの上場子会社、関連会社は1,700社以上あります。
決算内容を時系列に確認
2022年3月期の連結最終利益は9,375億円と発表。2023年3月期の同利益は8,500億円見通し、年間配当は150円予定としています。(2022年5月10日の決算発表にて)
2023年3月期1Q決算
2023年3月期1Q(4-6月)の連結最終利益は5,339億円と発表、前年同期比184.7%増となりました。(2022年8月2日の決算発表にて)
2023年3月期2Q決算
2023年3月期2Q累計(4-9月)の連結最終利益は7,200億円と発表。また、通期の同利益を8,500億円予想から1兆300億円予想に上方修正、年間配当を150円予定から155円予定に増額修正しています。(2022年11月8日の決算発表にて)
2023年3月期3Q決算
2023年3月期3Q累計(4-12月)の連結最終利益は9,557億円と発表。また、通期の同利益を1兆300億円予想から1兆1500億円予想に上方修正、年間配当を155円予定から180円予定に増額修正しいます。(2023年2月3日の決算発表にて)
今後について
三菱商事は国際的な総合商社のため、多くのセグメントがあります。国内の景気動向の影響はもちろん、海外の経済・政治・社会動向の影響を大きく受けます。1円の円安・円高で年間40億円の増益・減益インパクトがあります。
多くの出来事が業績に影響
エネルギー資源、金属資源、石油化学製品などの価格変動をはじめ、為替や多くの株式を保有しているため株価変動など様々な要因が業績に大きく影響します。2023年3月期は資源価格の高値推移などもあり、初の純利益1兆円超予想で好調な見通しです。
配当について
経営戦略として累進配当を継続して打ち出しているのはプラスポイントです。しかし、株を保有するときは配当を見るのではなく、まずはこの先もしっかり利益を上げることが出来るかを考えることが重要です。
どの企業にも言えますが、配当を減らさない方針でも利益減少が続けば、いつかは配当が無くなります。
キャッシュフロー・投資について
キャッシュフローを見ると、2012年3月期、2013年3月期、2016年3月期、2020年3月期の投資CFが大きいです。経済不安が広がり景気が悪くなっている時にしっかりと投資を行い、非常に上手い印象を受けます。