三菱系化学メーカーの三菱ケミカルグループ(4188)。今後の株価と配当はどうなるのか、株価チャート・業績推移・配当推移・将来性を分析してみました。
- 割安感あり、高配当利回り
- 株価は警戒感から下落も上昇気配
- 事業再編加速
三菱ケミカルの株価情報と業績推移
三菱ケミカルグループの株価情報と業績推移を見ていきます。
株価指標
株価:780円
予想PER:39.61倍
PBR:0.74倍
予想EPS:19.69円
時価総額:1兆1,749億円
2023年2月15日終値時点のデータ。
最新の株価参考:三菱ケミカルグループ(株)【4188】:Yahoo!ファイナンス
PBRに割安感がありますが、業種を考えると目立つ感じではないです。
業績の推移
下記は三菱ケミカルグループの売上高・営業利益・経常利益・最終利益の推移です。

2019年3月期から2021年3月期は3期連続の減益となり厳しかったですが、2022年3月期は大きく回復。2023年3月期は下方修正を行い大きく減益見通しとしています。
株価の推移
下記は三菱ケミカルグループ5年分の週足株価チャートです。

株価は業績悪化の影響で2018年から下落。2021年に入ると上昇していましたが、2021年9月から再び下落。2023年に入ると上昇する気配も出ています。
三菱ケミカルの配当情報と株主優待
三菱ケミカルグループの配当情報と株主優待制度を見ていきます。
配当情報
2023年3月期の予定年間配当:30円
予想年間配当利回り:3.85%
配当金の推移
下記は三菱ケミカルの配当金推移です。配当権利日は、9月(中間配当)と3月(期末配当)です。

2018年3月期:32円
2019年3月期:40円
2020年3月期:32円
2021年3月期:24円
2022年3月期:30円
2023年3月期:30円(予)
2020年3月期、2021年3月期は連続減配、2022年3月期はやや回復しています。
配当性向は2022年3月期が24.1%、2023年3月期の予想が約152%です。
配当方針の確認
配当方針は「事業展開の原資である内部留保の充実を考慮しつつ、中期的な利益水準の30%を連結配当性向の目安とし、安定的に配当を実施する」としています。予想配当性向を考えると厳しいです。
株主優待について
株主優待制度は実施していないです。
三菱ケミカルの事業・決算内容と今後について
三菱ケミカルグループの事業・決算内容の確認と今後について考えてみます。
三菱ケミカルグループ(4188)とは
三菱ケミカルグループ株式会社(みつびしケミカルグループ、英: Mitsubishi Chemical Group Corporation)は、三菱ケミカルをはじめとするグループを統括する持株会社。。
2005年10月3日、三菱グループの化学系メーカーである三菱化学と、その子会社で医薬品メーカーの三菱ウェルファーマの株式移転により両社の共同持ち株会社として設立。
2022年7月1日、社名を「株式会社三菱ケミカルホールディングス」から「三菱ケミカルグループ株式会社」に商号変更。
三菱ケミカルグループ – Wikipediaより抜粋
三菱ケミカルグループは「三菱ケミカル」、「田辺三菱製薬」、「生命科学インステイテュート」、「日本酸素ホールディングス」の4つの事業会社とそのグループ会社で構成されています。主要事業セグメントは「機能商品」、「素材」、「ヘルスケア」です。
決算内容を時系列に確認
2022年3月期の連結税引前利益は2,903億円と発表。2023年3月期の同利益は2,660億円見通し、年間配当は30円予定としています。(2022年5月13日の決算発表にて)
2023年3月期1Q決算
2023年3月期1Q(4-6月)の連結税引前利益は750億円と発表、前年同期比12%減となりました。(2022年8月3日の決算発表にて)
2023年3月期2Q決算
2023年3月期2Q累計(4-9月)の連結税引前利益は1,219億円と発表。また、通期の同利益を2,660億円予想から2,340億円予想に下方修正しています。(2022年11月8日の決算発表にて)
2023年3月期3Q決算
2023年3月期3Q累計(4-12月)の連結税引前利益は392億円と発表。また、通期の同利益を2,340億円予想から570億円予想に下方修正しています。(2023年2月7日の決算発表にて)
今後の動きについて
厳しい業績が続き株価が下落していましたが、2021年は業績回復・今後の成長材料も見えたことで株価が上昇。しかし、2022年は原料価格上昇による警戒感などから下落しています。
成長期待
財務状況改善のため事業再編を加速。2024年を目処に石油化学事業、炭素事業を分離するとしています。リチウムイオン電池拡充や環境問題への取り組みなど、総合化学大手メーカーとしての技術力や今後の期待値もあります。
懸念材料
米中貿易摩擦、田辺三菱製薬の完全子会社化時のTOB価格の高さによる財務悪化への警戒感、原油、ナフサなどの原料価格、為替の影響など注意する点や不安材料も多いです。